4月2日(金)
◇準決勝
 投打に圧倒の興南、初の決勝へ
興南(沖縄)     10 = 033200011
大垣日大(岐阜)   0 = 000000000
【本塁打】(興)山川
 初回、大垣日大エースの葛西伸也(2年)が苦しい立ち上がりとなった。1死から2者連続で四球を出し、ピンチを招く。しかし、ここは4番・真栄平大輝(3年)を併殺に打ち取り、無失点に抑えた。
 一方、興南エースの島袋洋奨(3年)は2三振を含む三者凡退と最高の立ち上がりを見せた。島袋は2回以降も安定したピッチングで5回まで無安打に抑えるパーフェクトピッチングを見せた。

 興南はエースの快投に応えるかのように打線も次々と快音を鳴らした。2回表、1死から6番・山川大輔(3年)が先制の本塁打を放った。さらにこの回、2点を追加した興南は3点に広げた。
 3回表、興南は先頭打者の真栄平の二塁打を皮切りに長打3本を含む怒涛の4連打で3点をあげる。続く4回表には2死一塁から3連打が出て2点を追加。その差を8点に広げた。

 大垣日大は3回から葛西をリリーフした阿知羅拓馬(3年)が尻上がりに調子を上げ、5、6、7回を三者凡退に切ってとる好投を見せた。その好投に応えたい打線は6回裏、2死から1番・森田将健(3年)が俊足をいかし、チーム初安打となる内野安打で出塁した。しかし、島袋は2番・小島啄矢(3年)に対し、ストレート勝負を挑み、見事空振り三振に仕留めた。

 7回裏、大垣日大は先頭打者の3番・後藤健太(2年)がこの試合初めてクリーンヒットを放つ。しかし、後続が続かず。チャンスをいかすことができなかった。
 8回表、興南は1死から1番・国吉大陸(3年)がこの試合自身初安打を放ち、久々にランナーが出る。2死二塁から3番・我如古盛次(3年)が左中間を破るタイムリーニ塁打を放ち、1点を追加した。

 その裏、興南はエース島袋をライトに下げ、甲子園初登板の砂川大樹(3年)をマウンドに送った。砂川は1死からヒットを許すも、最後は併殺に打ち取る好投を披露した。すると、9回表、その砂川がセンターオーバーの二塁打を放つ。1死後、代打の7番・安慶名舜(3年)のタイムリーで砂川は10点目のホームを踏んだ。

 そして9回裏、砂川は先頭打者に二塁打を打たれるも、後続を凡打に仕留め、最後は4番・高田直宏(2年)をセカンドゴロに打ち取り、ゲームセット。興南は打っては15安打10得点、投げては島袋−砂川の継投で大垣日大打線を4安打無失点と、投打に圧倒して初の決勝進出を決めた。

 昨秋の公式戦で防御率0,00をマークし、今大会屈指の左腕と開幕前から注目されていた島袋。その安定したピッチングは甲子園でも群を抜いている。準決勝まで3試合を投げぬき、失点はわずか3。安打こそ通算25本と打たれているが、ランナーを背負ってからのピッチングは見事のひと言に尽きる。4連投となった準決勝では強力打線擁する大垣日大を相手に7回を投げて2安打1四球無失点とパーフェクトピッチングを披露した。

 明日3日の決勝戦では日大三と対戦する。日大三のエース山崎福也(3年)と島袋との投げ合いが予想されるが、中1日の休養日をはさんでの登板となる山崎に対し、島袋は連日での登板となる。しかし、準決勝は味方の大きな援護で最後の2回を砂川に任せ、投球数は100以内に抑えることができた。内容もほぼ完璧と心身ともに万全の体勢で明日の決勝戦を迎えることができそうだ。同校にとっては初、そして県勢としては1999年の沖縄尚学以来となる全国制覇を達成するか否かはエースの左腕にかかっている。