bjリーグでは14、15日にカンファレンスセミファイナルが行われ、王者決定戦につながる「ファイナル4」進出をかけて各地区の上位4チームが対戦する。最後まで混戦模様を呈した西地区は昨季4連覇を阻まれた大阪エヴェッサが1位通過。昨季、設立2年目で初優勝を果たした琉球ゴールデンキングス(沖縄)が2位。3位には3年連続でプレイオフ進出のライジング福岡、そして滋賀レイクスターズが4位に滑り込み、初のプレイオフに挑む。一方、東地区は2位以下に大差をつけて浜松・東三河フェニックスが1位通過。2位、3位にはプレイオフの常連、仙台89ERS、新潟アルビレックスBBがそれぞれ入った。そして富山グラウジーズと熾烈な4位争いを制したのが東京アパッチだ。セミファイナルでは各地区1位と4位、2位と3位が対戦。果たして有明の舞台に姿を現すのはどのチームなのか。
◇ウエスタン・カンファレンス

大阪エヴェッサ(1位)vs. 滋賀レイクスターズ(4位):大阪4勝2敗】
 2季ぶりの王座を狙う大阪は、シーズン中盤に怒涛の10連勝で見事1位の座を奪うと、上位3チームが最後まで激しい優勝争いをする中、トップに躍り出た。チームの大黒柱は1試合平均約20点を誇る重鎮、Fリン・ワシントン。200センチと大柄ながらカットインも得意だ。さらにGナイル・マーリーを始め、得点能力の高い外国人勢がズラリと並ぶ。 
 対する滋賀はプレーオフ初出場ながら、その実力はホンモノだ。なかでもインサイド、アウトサイドともに強いGFマイキー・マーシャル、PG藤原隆充、SG城宝匡史の3人がチーム躍進の原動力となった。チームは創立2年目と若いが、3人ともにプレイオフ経験者と心強い。加えて213センチのCレイ・シェアー、208センチのFゲイリー・ハミルトンの長身コンビによってインサイドにも強く、1試合平均のリバウンド14.3はリーグ一。レギュラーシーズンは負け越しているが、インサイドでの空中戦に持ち込み、優位に試合を進めたい。

琉球ゴールデンキングス(2位)vs. ライジング福岡(3位):3勝3敗】
 今シーズンの沖縄は、12月にはG金城茂之が右ヒザ靭帯を損傷、さらに1月にはCジェフ・ニュートンが左肩を脱臼と、主力が相次いで故障で離脱。チームにとって苦しい状況が続いた。しかし、G与那嶺翼、G菅原洋介、G小淵雅ら日本人選手の活躍で上位をキープ。特にディフェンスは西地区最少の1試合平均73.3失点を誇る。4月10日にはニュートンがようやく復帰した。しかし、不運は続く。その復帰戦でHCがキーパーソンと考えていたG澤岻安史がリバウンドの着地の際に左足を負傷。全治6カ月と診断され、プレイオフの欠場が決定的となった。この穴を誰が埋めるのかが勝敗のカギを握りそうだ。
 福岡は2年連続得点王、スティール王に輝き、ベスト5に選出されたFマイケル・パーカーが攻守ともにチームの核となる。昨シーズンはプレイオフ直前にヒザを痛めて欠場を余儀なくされた。今シーズンはその屈辱を晴らす活躍が期待される。しかし、パーカーへのマークが厳しくなることが予想されるだけに、ベテランPG川面剛、スピードのあるG三友康平に注目したい。沖縄とはレギュラーシーズン3勝3敗と相性がよく、勝機は十分にある。ハイスコア覚悟で、接戦に持ち込みたい。

◇イースタン・カンファレンス

浜松・東三河フェニックス(1位)vs. 東京アパッチ(4位):浜松4勝2敗】
 昨シーズンも1位通過を果たしたものの、地区ファイナルで東京にまさかの敗戦を喫した浜松。今シーズンはその雪辱を果たし、ファイナルへとコマを進めることができるのか。リーグトップの平均得点87.8点をマークしたチームの要は、新加入したG/Fウェンデル・ホワイトとG/Fウィリアム・ナイト。インサイド、アウトサイド、どこからでもシュートが打てる。そのほか、Gウェイン・アーノルドやC/Fジャーフロー・ラーカイもあなどれない。
 昨シーズン、準優勝した東京は、HCをはじめ、メンバーもガラリと変わった。しかし、キーマンはやはりこの人、ベスト5に選出されたG青木康平だ。そして、最大の得点源であるCジュリアス・アシュビーをどう生かすことができるかがカギとなる。レギュラーシーズン、東京が浜松に勝った2試合はどちらもディフェンスが機能し、浜松を70点台に抑えている。そのため、オフェンス能力の高い浜松の外国人選手とマッチアップすると予想されるSF板倉令奈、SF仲摩純平のディフェンスに注目したい。

仙台89ERS(2位)vs. 新潟アルビレックスBB(3位):仙台5勝1敗】

 リーグ戦の対戦成績を見れば、仙台が圧倒的に有利だ。その仙台の強さはディフェンス力。今シーズンの失点73.8点はリーグ最少を誇る。空中戦、ゴール下に強いCクリス・ホルムとF/Cジーノ・ポマーレがその最大の要因だ。これに加えてFジョシュ・ペッパーズの再加入でオフェンス力もグンとアップした。攻守ともに安定しており、大崩れしないチーム力はピカイチだ。
 スタートこそ開幕10戦2勝8敗と波に乗れなかった新潟だったが、12月には怒涛の7連勝をマーク。これで勢いに乗り、見事今シーズンも3位のポジションを獲得。プレイオフ常連の面目を保った。レギュラーシーズン、仙台には5連敗を喫した新潟だが、最終戦では仙台のツインタワー(ポマーレ、ホルム)を封じ、見事84−58の大差で初勝利。仙台への悪いイメージを払拭し、プレイオフに臨む。