日本サッカー協会(JFA)は25日、評議員会と新理事による理事会を開き、小倉純二新会長の就任をはじめとした役員人事を決定した。理事会終了後、小倉会長ら協会幹部が記者会見し、今後のサッカー協会について所信表明を行った。犬飼基昭前会長は1期2年で退任となり、顧問へと就任した。
(写真:左から田嶋副会長、大仁副会長、小倉会長、大東副会長)
 新会長に就任した小倉氏はプレーヤーとしての経験がなく、事務方として日本サッカー界を支えてきた。協会きっての国際派で2002年からはFIFA理事を務めており、サッカー界への長年の貢献が認められ、今年2月には日本人として3人目のFIFA功労賞を受賞している。日本サッカー協会の規約では会長就任時70歳未満という規定があるが、71歳の小倉氏はFIFA理事を務めているため、この条件から除外される。

 本来、2期4年を務めることを念頭に2年前に就任した犬飼前会長は、会長職の重責から体調を崩すことも多く、南アW杯前に川淵三郎名誉会長へ辞意を表明していたことも明かされた。川淵氏は慰留したものの降板の意志は固く、前代未聞の1期での会長交代となった。この緊急時に会長職を全うできる人は小倉氏しかいないという理由から“緊急登板”という形で新会長が誕生した。

「私の任期は1期2年」と就任会見で語った小倉会長。短い期間中でやりとげることとして、代表監督の選任、公益財団法人への移行、JFA2005年宣言の再認識、2022年W杯招致の4つを挙げている。FIFA理事として世界を舞台に活躍してきた小倉氏が会長へ就任したことで、W杯招致はロビー活動などプラスの方向へ働くことも考えられる。

 小倉色を出したのは岡田武史日本代表監督の理事就任だ。この人事について、新会長は冗談を交え「彼は環境問題への関心が非常に高い。技術面よりもこちらの方が詳しいのではないかと思うくらい。協会では環境問題について取り組んでもらうつもりでいるし、それについて本人からも了承を得ている」と、あくまで環境問題への取組みをメインに岡田監督を理事へ推薦したことを明かした。

 その他の役員人事では、副会長に大東和美Jリーグチェアマン、田嶋幸三専務理事が新任され、大仁邦彌日本フットサル連盟チェアマンが留任、先日退任した鬼武健二前Jリーグチェアマンは名誉副会長となることが決定した。専務理事は田嶋氏が副会長職と兼務する。

 新しい日本サッカー協会の役員は以下のとおり。任期は2012年7月までの2年間となる。

【日本サッカー協会 新役員人事】

会長
小倉純二

副会長
大仁邦彌、大東和美、田嶋幸三

専務理事
田嶋幸三

常務理事
嶋靖博、中野幸夫、田中道博、植田昌利

理事
福林徹、佐々木一樹、瀧井敏郎、上田栄治、松康弘、大倉健史、
岡田武史、日比野克彦、原博実、風間八宏、野田朱美、佐藤公一、倉田泰明
高橋明、西村武博、尾関孝昭、藤縄信夫、池田洋二、権名津朗、小川勇二

監事
斎藤幸司、池田正利

特任理事
綾部美知枝、平山隆造、手嶋秀人、北澤豪、中西哲生