26日、bjリーグは2011−2012シーズンのエクスパンション(リーグ拡張)にて、新規参入チームを発表した。今回既存16チームの代表者会議にて承認を受け、日本プロバスケットボールリーグ取締役会議で参入が決定したのは、岩手、千葉、神奈川、長野の4地域だ。しかし、それぞれ今後、クリアしなければならない課題が残されており、来年6月までに体制を整えていく。
(写真:承認書を手に来季の参入を誓う4地域代表者と河内コミッショナー<中央>)
 今年2月に公募を開始したエクスパンションでは、10以上の地域から新規参入の打診があったという。その中から正式オファーがあったのは6地域。そこでbjリーグでは、財政面や運営面など、新規参入の条件を満たしているかを検討するとともに、外部の経営諮問会議の委員とともに各地域に実際に足を運び、地域をあげての支援体制や、チーム発足に対する住民の関心度などを調査。その結果、岩手、千葉、神奈川、長野の4チームが承認された。

 ただし、これで全てが終了したわけではなく、各地域にはそれぞれ改善すべき課題がある。岩手などは「岩手プロバスケットボール設立準備発起人会」には現在、スタッフ2名のみと組織化されていない状態だ。河内敏光コミッショナーも「スタッフをそろえて、組織の体制を整えることが必要」と早急の改善を求めた。それでもプロチームがなかった沖縄などと同様に地元からの発足への意欲が高かったことや、浜松・東三河フェニックスの前身、オーエスジーフェニックスが日本リーグ時代に試合を開催したところ、会場が満員になった実績などが買われ、今回新規参入の承認を受けた。

 改善の期限は来年6月とされており、残された期間は1年もない。それだけに各代表は嬉しさ半分、引き締まった表情を浮かべながら、次のようにコメントした。
「胸をなでおろしたところ。これからが本当のスタート。岩手に誇れるようなチームを、県民とともにつくっていきたい」(岩手)
「正直、ほっとしている。発表を待っている間、支えてくれたパートナーの方や地元の方々、設立に賛同してくれた子どもたちの顔を思い浮かべていた。参入は決定したが、終わりではなく、ここからが始まりだと思っている。地元に愛されて、強いチームを地元の方々と一緒につくっていきたい」(千葉)
「今日を出発点ととらえて、来シーズンに向けて強くてかっこいいチームをつくっていきたい」(神奈川)
「ここまで来るのに5年かかった。本当に嬉しい。新たな苦労が課せられたと思っている。これから長野県を変えられるように頑張っていきたい」(長野)

 2005年、6チームからスタートしたbjリーグは、毎年チーム数を増やしてきた。6年目の今季は新たに秋田ノーザンハピネッツ、島根スサノオマジック、宮崎シャイニングサンズが加わり、16チームで争われる。昨季は2年目の浜松が2季ぶりの王者奪還を狙った大阪エヴェッサを下し、初優勝に輝いた。果たして今季はどのチームが頂点に立つのか。10月16日、熱戦の火蓋が切って落とされる。