7日、キリンチャレンジカップに出場するため来日しているアルゼンチン代表セルヒオ・バティスタ監督が都内ホテルで記者会見を行なった。右足首の負傷で出場が危ぶまれているリオネル・メッシ(バルセロナ)の状態について、バティスタ監督は「フィジカルは準備万端」とし、メッシの出場を匂わせた。また「我々は親善試合であっても必ず勝たなければいけない」と明日の戦いへの意気込みを見せた。ほぼベストメンバーで来日した南米の雄と新生ザックジャパンの対戦は明日8日19時50分に埼玉スタジアム2002でキックオフされる。
(写真:前日練習ではミニゲームにも参加したメッシ)
 過去に4回来日し、1998年フランスワールドカップでも日本と対戦経験のあるアルゼンチン代表だが、今回の来日メンバーは過去に対戦した同国代表チームの中でも最強と言っていい。メッシをはじめFWにはゴンサロ・イグアイン(レアル・マドリッド)、カルロス・テベス(マンチェスター・シティ)、MFにはハビエル・マスチェラーノ(バルセロナ)、エステバン・カンビアッソ(インテル・ミラノ)と欧州のビッグクラブで活躍する選手たちが名を連ねる。

 これだけの豪華メンバーが揃ったのには理由がある。W杯後にディエゴ・マラドーナからチームを引き継いだバティスタは、現在“暫定”監督となっている。北京オリンピックで同国を金メダルに導いた知将も、フル代表での実績は乏しい。暫定の2文字を取りさらうためには、同国サッカー協会幹部や国民を納得させる結果を出さなければならないのだ。先月行われた親善試合では、南アフリカW杯覇者のスペインを4対1で下しており、バティスタ株は急上昇中。さらに極東のアウェーで魅力的なサッカーを披露すれば、バティスタの“試用期間”は終了する可能性もある。バティスタからすれば、ここで一気に“勝負を決めたい”ということだろう。
(写真:「成長した日本とは難しい試合になる」と語ったバティスタ監督)

 一方、アルベルト・ザッケローニを新監督に迎えた日本にとっても世界との距離を測るには絶好の機会だ。アルゼンチンは来年7月から開催される南米選手権(日本はメキシコとともに招待されている)でも対戦する可能性がある相手。今後のザックジャパンの方向性を考察するためにも、注目の一戦となる。

「日本のサッカーは攻守ともにレベルが高く、よく走る印象がある。注意したい選手は本田(圭佑)だ」とコメントしたバティスタ監督。勝利に拘る南米の雄に対し、ザックジャパンはどのように対峙するのか。まもなく真剣勝負の幕が切って落とされる。

<キリンチャレンジカップ2010>
◇10月8日(金)
日本代表 × アルゼンチン代表
埼玉スタジアム2002