7日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2007」第2ラウンド第2戦が大阪・なみはやドームなどで行なわれた。ヨーロッパ選手権から全勝を誇るイタリアと対戦した日本は、一時は8連続ポイントを奪うなどの健闘を見せたが、安定したコンビバレーの前に1セットも奪えずストレート負けを喫した。
(写真:司令塔・竹下も攻撃の組み立てに苦しんだ)

イタリア 3−0 日本
(25−18、25−19、25−14)
 第1セットの序盤、イタリアの動きはかたかった。逆に、積極的に攻撃をしかける日本はペースをつかみかける。しかし、イタリアは徐々に体がほぐれ、エースのタイマリス・アゲロのスパイクが決まり始めると、守りでも粘りが出始めた。日本も杉山祥子のブロードや栗原恵、木村沙織のサイド攻撃で必死の追い上げをはかった。さらに攻撃のリズムを崩そうと積極的なサーブを打ち込むも、痛いところでそのサーブがアウトとなってしまい、逆にイタリアにポイントを与えてしまった。結局、日本は7ポイント差をつけられて第1セットを落とす。

 第2セットに入っても完全にイタリアのペースだった。緩急のついたサーブ、スパイクに翻弄された日本は自らのミスでポイントを連取されてしまう。だが、日本もやられたまま終わるわけにはいかなかった。10―17から相手のサービスミスでサーブ権を奪った日本は、ここから反撃を開始する。杉山のブロックが決まると、今度は高橋みゆきがサーブでノータッチエースを決めた。負けじとエースの栗原がクロスのスパイクを決めると、またもや高橋がサービスエース……。日本は怒涛の攻撃で一挙に8ポイントを奪い、ついには18−17と逆転に成功する。

 ここでイタリアは187センチの長身、セレーナ・オルトラーニを投入した。そのオルトラーニのスパイクが決まると、流れは再びイタリアへと移った。冷静さを取り戻したイタリアはブロックで日本の攻撃を封じていく。日本はそれに対応しきれず、このセットも落としてしまった。

 どうにかして流れを変えたい日本は、思い切った策に出た。第1、2セット、本来の力を出し切れずにいた高橋。その高橋の前に高いブロッカーが当たるようにと、今大会初めてフォーメーションをかえたのだ。ブロックアウトを狙ったストレートを得意とする高橋が力を発揮するための策だった。さらに、マークが厳しくなった荒木絵里香に代えて開幕戦以来の出場となる庄司夕起を先発させた。

 しかし、この奇策にもイタリアは全く動じなかった。「自分たちのバレーをやるだけ」とばかりに、次々と日本のスパイクをブロックで止め、ポイントを重ねていく。司令塔の竹下佳江にとっては最も苦しいセットとなった。杉山の速攻、栗原のバックアタックと連続でブロックされ、ならばと高橋に上げるが、その高橋のスパイクがアウトとなる。終始イタリアペースで試合は進み、結局日本はこのセット、14ポイントしか奪うことができずに終わった。

 強豪・イタリアに完敗した日本。これで通算成績は3勝2敗となり、6位に転落した。それでも、不振にあえいでいた庄司が今大会初めてスパイクを決めたのは日本にとって明るい材料となった。
 9日からは、第3ラウンドに入る。札幌でペルー、ポーランド、ケニアと対戦する日本は、ここで3連勝し最後の望みにつなげたいところだ。