ブラジル・リオデジャネイロで開催されている柔道の世界選手権第3日は15日、男女4階級の決勝までが行われた。男子73キロ級の金丸雄介(了徳寺学園職)、女子57キロ級の佐藤愛子(了徳寺学園職)、同52キロ級の西田優香(淑徳大)がそれぞれ3位決定戦で勝利し、銅メダルを獲得したが、またも日本勢の金メダル獲得はならなかった。男子66キロ級の秋本啓之(筑波大)は4回戦でウングバリ(ハンガリー)に逆転負けを喫し、メダル獲得はならなかった。
 銀メダルを獲得した01年世界選手権以来のメダル獲得を目指した金丸は、準々決勝のワン・キチュン(韓国)戦、残り時間半分を過ぎ、大外刈りにいったところを返され一本負け。その後、敗者復活戦を勝ち上がり、銅メダルをかけてフィスズ(トルコ)と対戦。巴投げで技あり、小内刈りで有効と、ポイントを奪っても積極的に攻め続け、残り1分を切り、抑え込みであわせ一本勝ちをおさめた。
 6年前よりも輝く色のメダルは逃したものの、不振が続く日本男子に初のメダルをもたらした金丸は、試合後、「初日から嫌な空気があった中、3位に入るか入らないかは大きかった。この結果が残せたのは、最低限、良かったです」と淡々と振り返った。

 世界の層が厚く、勝つことが難しいといわれる女子57キロ級に出場した佐藤は、準々決勝で、この階級で2連覇中のケー・スンヒ(北朝鮮)と対戦。序盤から積極的に攻めた佐藤だったが、開始2分、一瞬の隙を突かれ小外刈りで有効を奪われる。その後も前に出続けるが、ケーの巧さの前に、ポイントを奪えず、敗れた。その後、3位決定戦は得意の寝技で一本勝ちをおさめ、銅メダルを獲得。インタビューでは「(欲しかったメダルと)色が違うけど、世界一まではもう少しだと思います」と、力強く語った。
 同級は、世界女王のケーが、01年の52キロ級と合わせて4大会連続の金メダル獲得を果たした。
 
 女子期待のホープ、52キロ級の西田は、2回戦で一本負けを喫したが、敗者復活戦を勝ち上がり、3位決定戦へ進出。ミランダ(ブラジル)に背負い投げで一本勝ち、銅メダル獲得を決めた。85年ソウル大会71キロ級代表だった父・孝宏さんが獲得できなかったメダルを手にした西田は「金メダルが獲りたかったけど、負けて気持ちを切り替えて、メダルが獲れて良かった。(父に)今回は銅メダルで我慢してもらって、今度は金メダルをプレゼントしたい」と笑顔で語った。

 最終日の16日(現地時間)、五輪以来の国際舞台復帰となる女子48キロ級の谷亮子(トヨタ自動車)、男子無差別級に出場する03年大阪世界選手権金メダリスト棟田康幸(警視庁)がらが頂点を目指す。