bjリーグは21、22日と2日間にわたり、リーグチャンピオンの座をかけた「2010−2011シーズンプレイオフ ファイナル4」が東京・有明コロシアムで開催される。レギュラーシーズン、カンファレンス セミファイナルを勝ち抜き、決戦の出場権を獲得したのはイースタンからは連覇を狙う浜松・東三河フェニックスと初の栄冠を狙う新潟アルビレックスBB、ウエスタンからは2季ぶりの王座奪還を目指す琉球ゴールデンキングスと史上最多となる4度目の優勝を狙う大阪エヴェッサだ。果たして、頂点へ辿り着くのはどのチームか――。まずはカンファレンス ファイナルの戦いに注目したい。
(写真:昨季のファイナルは浜松と大阪が激突。果たして今季は――)
<イースタン・カンファレンス>
スピードの浜松vs.高さの新潟

 昨季、念願の初優勝を達成した浜松・東三河フェニックスは今シーズンも40勝6敗、勝率8割7分と圧倒的な強さを見せ、イースタンのトップを独走した。イースタン・カンファレンスでも富山グラウジーズに連勝し、3年連続での「ファイナル4」進出を決めた。特筆すべきは今季から導入された「スパイラルオフェンス」。ゴール下の選手が次々と入れ替わるシステムだ。スピード、スタミナ、そして頭脳を必要とするため、選手たちにとっては楽ではないが、その分、ハマれば相手にとっても厄介だ。

 一方、2季連続で「ファイナル4」進出を決めた新潟アルビレックスBBの最大の武器は外国人選手の高さをいかしたインサイドワークの強さだ。205センチのアシュビーと、東日本大震災の影響で活動休止となった埼玉ブロンコスから加わった210センチのCジョージ・リーチのツインタワーでゴール下の主導権を握る。それだけにPG澤岻直人、F池田雄一らがいかにスピードを生かした展開に持ち込み、アウトからのシュートを決められるか。ベンチプレーヤーのG小松秀平が試合の流れを変えることができるか。彼ら日本人選手の活躍がカギを握る。

 レギュラーシーズンでは4勝2敗と浜松が勝ち越しているが、どちらかというと後半にミスが出やすいのが浜松だ。前半、浜松が新潟を引き離し、そのまま勢いで勝利を掴むのか。それとも新潟が前半に食らいつき、後半で盛り返すのかに注目したい。

<ウエスタン・カンファレンス>
 堅固な守備を土台に主導権を握るのは!?

 琉球ゴールデンキングス(沖縄)はセミファイナル直前にFジェフ・ニュートンが左足首を負傷。大黒柱を欠いての戦いを強いられたが、チーム力でカバーした。G小菅直人がスリーポイントを決めれば、Fアンソニー・マクヘンリー、Fデイビッド・パルマ―らが華麗な個人技を披露し、滋賀レイクスターズに連勝。層の厚さを見せ、3季連続で「ファイナル4」進出を決めた。司令塔のG与那嶺翼を中心に華麗なパス回しで相手ディフェンスを崩し、どこからでもゴールを狙ってくる沖縄。ディクソン、パルマ―、マクヘンリー、小菅、G金城茂之と2ケタ得点を狙えるプレーヤーがズラリと並ぶ。課題とされていたフリースローの成功率もチーム全体で向上し、さらに得点力が増した。もともと守備は堅固で安定しているだけに、攻守にわたったアグレッシブなプレーが期待できそうだ。

 対する大阪はどんな体勢からもシュートを狙い、相手にファウルを誘うのが巧みなチーム。フリースローの成功率は高く、徐々に得点差を広げていく要因となっている。大黒柱のFリン・ワシントンをはじめ、身長211センチのCウェイン・マーシャル、202センチのツェン・ウェンティン、Fウィリアム・ナイトら個人能力が高いのも大阪の特徴だ。派手さが目立つが、守備も安定しており、レギュラーシーズンの失点76.0はリーグ最少を誇る。その大阪の勝敗のカギを握っているのがターンオーバーだ。個人技に頼りすぎると、ターンオーバーから速攻で相手に勢いを与えかねない。リズムが崩れかけた時、ナイトやG今野翔太が、どうコントロールしていくのかがポイントとなる。

 3季連続でカンファレンスファイナルを戦う沖縄と大阪。今季の対戦成績は3勝1敗と沖縄に軍配が上がっているが、ファイナルでは1勝1敗。果たして3度目の両者の戦いはどんな結末を迎えるのか。