4日、日本サッカー協会(JFA)は8月10日に札幌ドームで行われるキリンチャレンジカップ(対韓国)に出場する日本代表23名を発表した。香川真司(ドルトムント)、本田圭佑(CSKAモスクワ)、内田篤人(シャルケ04)ら海外組は14名を招集。五輪世代の清武弘嗣(C大阪)が初めて選出され、松井大輔(ディジョン)、阿部勇樹(レスター)、駒野友一(磐田)らが代表復帰した。
「(日本代表監督に)就任してから1年間で作り上げてきたグループに清武が入ったという印象です」
 こう言ってアルベルト・ザッケローニ監督は今回選んだメンバーを紹介した。指揮官が語るとおり、注目は初選出された清武だろう。

 清武は今季リーグ戦で13試合に出場し、4ゴール3アシストの成績を残している。また、ロンドン五輪を目指しているU―22代表においても、先の2次予選(対クウェート)の2試合にフル出場、第1戦では先制ゴールを挙げた。U―22の関塚隆監督も「2次予選での清武の力は非常に大きかった」と振り返る。ザッケローニ監督は「クラブ、五輪代表においてクオリティの高い活躍を継続していた。継続性を見せてくれたので、今回A代表に呼んだ」と若きFWを高く評価し、「W杯3次予選前の大切なテストマッチに招集しているということは、3次予選でもやってくれるだけのポテンシャルは持っていると捉えている」と期待を明かした。

 今回対戦する韓国とは、ザックジャパンになって早くも3度目の顔合わせになる。過去2戦は2分け(アジア杯準決勝では日本のPK勝ち)。「アジア杯でも対戦したが、一番優れている相手だと感じた。(過去の)2試合とも熱い戦いになった」。指揮官はそうライバルとの戦いを振り返った。先に発表された韓国の代表メンバーを見てみると、キ・ソンヨン(セルティック)やパク・チュヨン(モナコ)など海外組15名を招集している。日本も14名の国外選手を揃えたことで、かなりの真剣勝負になることが予想される。

 9月にスタートするW杯3次予選に向けて、この韓国戦は最後のテストマッチだ。6月のキリン杯では3−4−3の新しいシステムを試した。アジア杯を制した4−2−3−1をあえて変え、進化を促した。ここまでの戦いを踏まえてザッケローニ監督は「目指しているのは、試合中でも戦い方やシステムを高い精度で変えられるチーム。頭の中では3つほど日本代表で使えるシステムがあると考えている」と語る。韓国戦を終えると、3次予選初戦の北朝鮮戦までは22日、準備期間が短い中で強豪相手にどれだけ監督の考えを実践できるかがひとつのポイントになる。

 またザッケローニ監督は今回の試合を「本番の雰囲気を取り戻す」試合と位置付けた。「あくまでもフレンドリーマッチではあるが、試合の雰囲気はそうはならないだろう。(チームは)真剣勝負をすることによって成長するので、最高の舞台だと思っている」。その意味で嫌が応にも盛り上がる韓国は絶好の対戦相手だ。

 ライバルとの真剣勝負で、いよいよザックジャパンは本番モードに突入する。

<日本代表メンバー23名>

GK
川島永嗣(リールセ)
東口順昭(アルビレックス新潟)
西川周作(サンフレッチェ広島)

DF
駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(FC東京)
栗原勇蔵(横浜F・マリノス)
伊野波雅彦(ハイデュク・スプリト)
槙野智章(ケルン)
内田篤人(シャルケ04)
吉田麻也(VVVフェンロ)

MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
阿部勇樹(レスター・シティ)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
細貝萌(アウクスブルク)
家長昭博(マジョルカ)
柏木陽介(浦和レッズ)

FW
松井大輔(ディジョン)
李忠成(サンフレッチェ広島)
岡崎慎司(シュツットガルト)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
森本貴幸(ノバーラ)
香川真司(ドルトムント)
清武弘嗣(セレッソ大阪)