25日、日本サッカー協会(JFA)はブラジルW杯アジア3次予選の北朝鮮戦(9月2日、 埼玉)とウズベキスタン戦(同6日、ウズベキスタン)に臨む日本代表メンバー23名を発表した。海外組では香川真司(ドルトムント)や本田圭佑(CSKAモスクワ)が順当に選ばれたが、家長昭博(マジョルカ)や、肩を脱臼しリハビリ中の長友佑都(インテル)は見送られた。一方、五輪世代からは、10日の韓国戦で代表デビューを果たした清武弘嗣(C大阪)や、今回が初招集となった原口元気(浦和)が選出された。また、中村憲剛(川崎F)が昨年10月以来の代表復帰を果たた。さらに今回の会見では、10月7日にベトナムと親善試合を実施することが併せて発表された。
「我々の最大の目標はW杯に出場すること。また私が日本に来た最大の目標は日本をW杯に連れていくことだ」
 ザッケローニ監督は会見の冒頭で予選への決意をこう語った。その指揮官が選んだメンバー23名の中で注目が集まったのは初招集の原口、そして久々の代表復帰となる中村憲だった。特に昨年10月に行われた韓国との親善試合を最後に代表から外れ、さらに今シーズンは体調不良で試合に出られない時期もあった中村憲の選出理由については、初招集の原口よりも先に記者から質問が飛んだ。

 これに対し、ザッケローニ監督は「体調を崩していたが、今は高いクオリティのプレーを続けている。フィジカル、メンタル面でも充実していて、パスの精度も高い。さらにグループの中での協調性もある」とし、「彼の代表復帰は当然だと思う」と述べた。約1年ぶりとなる中村憲を現在の代表にどうフィットさせるのか。指揮官の手腕が注目される。

 次に原口については「今シーズンに入ってからすごく成長した。Jリーグでも高いレベルのプレーを継続している」と選出理由を語った。原口は25日現在、リーグ戦でチームトップの8得点を挙げている。ザッケローニ監督が視察した24日の広島戦でもゴールを決めており、直前のアピールが実ったかたちとなった。

 今回の会見では、10月7日にベトナムと親善試合を実施することも併せて発表された。この試合についてザッケローニ監督は「時には結果だけを考えない試合も必要。ベトナム戦は自分たちに目を向けて、(チームの)メンテナンスを行うゲームにしたい」と語った。

 3次予選で戦う相手は、昨年の南アフリカW杯出場国である北朝鮮(FIFAランク114位)、前回のアジア最終予選で苦しめられたウズベキスタン(同82位)、劣悪な環境面と情報不足が懸念されているタジキスタン(同153位)だ。いずれもFIFAランク上では格下だが、ザッケローニ監督は「相手を過小評価することはない」と決して楽観視はしていない。初戦は9月2日の北朝鮮戦(ホーム)。ザックジャパンの真の戦いがいよいよスタートする。

<日本代表メンバー23人>

GK
川島永嗣(リールセSK)
西川周作(サンフレッチェ広島)
権田修一(FC東京)
DF
駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(FC東京)
栗原勇蔵(横浜F・マリノス)
伊野波雅彦(ハイデュク・スプリト)
槙野智章(1.FCケルン)
内田篤人(シャルケ04)
吉田麻也(VVVフェンロ)
MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
阿部勇樹(レスター・シティ)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
細貝萌(FCアウグスブルク)
柏木陽介(浦和レッズ)
FW
李忠成(サンフレッチェ広島)
岡崎慎司(シュツットガルト)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
森本貴幸(ノバーラ)
香川真司(ドルトムント)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
原口元気(浦和レッズ)