8日、日本サッカー協会(JFA)は9月21日から始まるロンドン五輪アジア最終予選に臨むU−22日本代表21名を発表した。A代表にも選出されている権田修一(FC東京)、清武弘嗣(C大阪)のほか、6月の2次予選を戦った山村和也(流経大)や永井謙佑(名古屋)などが順当に選ばれた。一方、香川真司(ドルトムント)や宇佐美貴史(バイエルン)など海外クラブに所属している選手は招集されなかった。
「いよいよ最終予選が始まる。一戦一戦しっかりと勝ち点を積み重ねて、ロンドンへの切符を手にしたい」
 関塚隆監督は21名の選手を読み上げた後、最終予選への意気込みをこう語った。
 その顔触れは、W杯3次予選を戦うA代表に選ばれた清武、権田、原口元気(浦和)のほかに、山村や永井など、このチームの立ち上げ時から主力として選ばれてきたメンバーだ。

 A代表のW杯3次予選同様、五輪予選も簡単な試合はない。だからこそ関塚監督は会見中、何度も「我々のサッカー」という言葉を使い、自分たちの戦い方をやりきる重要性を強調した。
「我々の強みは、ゲームを支配しながらサイドを使い、みんなでボールを動かす。そしてパスも個人技もあるので、これを生かしていく」
 守備についても、それは同様だ。指揮官は「全員で組織化して守っていく。これを磨いていきたい」と語り、「我々のサッカー」の徹底が、15日から始まる合宿のテーマになることを明かした。

 経験の浅い選手も多いだけにメンタル面でも柱になるのがA代表の3選手だ。「(先日のW杯3次予選で)アウェーの厳しさ、そしてA代表の勝ち点を勝ちとるための厳しさを清武はピッチで、あとの2名はグループの中で経験した。これをチームの一体感、団結力を高めていく上で必ず力を貸してくれると思う」と関塚監督も期待を寄せた。

 9月21日の初戦で対戦するのはマレーシアだ。日本は昨年のアジア大会でも顔を合わせ、2−0で勝っている。関塚監督は「組織的な守備からの速い攻めをしかけてくるチーム」と印象を語る。ユースの育成に力を入れ、アーセナルやチェルシーとの親善試合で実力をつけている。それだけに「チームの精度は上がっている」と警戒感を口にした。

「(予選を前に)スタッフも選手もロンドンへの切符をとりたい気持ちを持っている。チームとしての一体感、団結力の高まりに手応えを感じている」
 最終予選は、来年の3月までの長丁場になる。その中でいかに“我々のサッカー”の下、一つになれるか。4チームによるホーム&アウェー方式で、グループ1位になれば自動的に五輪出場権を獲得する。ロンドンへの切符をかけた若きサムライブルーの戦いがいよいよ始まる。

<U−22日本代表メンバー21名>

GK
権田修一(FC東京)
増田卓也(流通経済大学)
安藤駿介(川崎フロンターレ)
DF
比嘉祐介(流通経済大学)
鈴木大輔(アルビレックス新潟)
吉田豊(ヴァンフォーレ甲府)
酒井宏樹(柏レイソル)
濱田水輝(浦和レッズ)
酒井高徳(アルビレックス新潟)
高橋祥平(東京ヴェルディ)
MF
山本康裕(ジュビロ磐田)
清武弘嗣(セレッソ大阪)
山村和也(流通経済大学)
山田直輝(浦和レッズ)
東慶悟(大宮アルディージャ)
山口螢(セレッソ大阪)
扇原貴宏(セレッソ大阪)
FW
永井謙佑(名古屋グランパス)
山崎亮平(ジュビロ磐田)
大迫勇也(鹿島アントラーズ)
原口元気(浦和レッズ)