二宮: 9月は男子のW杯アジア3次予選に五輪アジア最終予選、なでしこジャパンの五輪アジア最終予選とサッカーの注目試合が続いています。松木さんと楽しくサッカー談議ができればと思っています。
松木: 雲海は昔からよく飲んでいました。そば焼酎って、一番合うのはそば湯割りなんですよ。夏場はぬるめのそば湯に、そば焼酎を入れると本当においしい。おそば屋さんに行くと、必ずそば焼酎とそば湯をセットで頼みますね。


二宮: それはなかなかツウな飲み方ですね!
松木: そばは高血圧に効くと言われていますし、健康に気を使っている同年代のお父さんにはオススメですね。実際に、そば湯割りが好きな方も多いのではないでしょうか。

二宮: この話を聞いただけでも、松木さんのお酒好きがよく分かります(笑)。
松木: でも、昔から量はそんなに飲まないんですよ。ちょこっと嗜む程度です。選手時代は練習で毎日、走らされて(苦笑)、今と違ってどこかで遊べるほどの余裕もなかったですから。お酒が唯一の楽しみでしたよ。当時はビールやウイスキーのほうが人気が高かったですけど、僕は安い居酒屋に行って友達同士、焼酎を飲むことが多かったですね。

二宮: 今回は「那由多(なゆた)の刻(とき)」を一緒にいただければと思ってます。ブランデーみたいな味わいで、これまでのゲストのみなさんにも好評でした。
松木: これも飲んだことがあるかもしれないな。では、最初は水割りでいただきます。あぁ、そばのいい香りがしますね。

 炎天下で代表戦!?

二宮: 現役時代は日本代表でも右サイドバックでプレーしました。代表での思い出は?
松木: 先日お亡くなりになられた森(孝慈)さんが監督の時は印象深いですね。決起集会でも、打ちあげでも、いつも森さんが音頭をとって、みんなで楽しく食べ、飲みました。まぁ、みんな若いですから焼き肉屋でスタートして、あちこちハシゴして、カラオケもやって、明け方になると、また焼き肉屋で終わる(笑)。あの時のメンバーは今でも仲がいいですよ。今回の森さんのお葬式にもみんなで集まりました。本当にいい方を亡くしました……。

二宮: 今の選手はあまり暴飲暴食はしませんが、昔はみなさん、豪快でしたね。
松木: ケガしたり、元気がなかったりすると、まず「食え!」という時代でしたからね。とにかく食べて飲めば元気になると(笑)。今みたいにサプリメントとかもなかったですよ。練習中に水を飲むことも許されなかった。でも、選手はみんなタフでしたね。代表の遠征で東南アジアに行った時には昼間の12時と14時にキックオフで炎天下で2試合続けてやったこともあります。さすがにプレーしていて途中で何をやっているのか分からなくなるほど、頭がボーッとしてきましたけどね(苦笑)。

二宮: 今では考えられない話ですね。熱中症だと大騒ぎになるでしょう。
松木: 中国遠征の時には食事が合わなくて、みるみるうちに痩せたこともありましたね。それでも元気に試合に出ていましたよ。そう考えると選手にとっては、恵まれた時代になりましたね。

二宮: 最近は専属トレーナーもついて、入念に体のケアをする選手も多くなっています。松木さんの時代は?
松木: 16歳から読売サッカークラブ(現東京ヴェルディ)のトップチームでプレーしましたけど、僕はマッサージを初めてしてもらったのが、28歳の頃ですね。それまでは1回もマッサージを受けたことがなかった。もう少し若い頃からケアをしていたら、長く現役ができたかもしれません(笑)。

 いい試合が、いい解説に

二宮: 現役引退してからはサッカー解説後の1杯がひとつの楽しみなのでは?
松木: もちろん。「解説前から飲んでいる」とよく言われるんですけど、それはありませんからね!(笑)

二宮: 松木さんの熱い解説を楽しみにしているファンも多いです。ご自身の解説ぶりはどう感じていますか?
松木: ああいう解説のスタイルは少ないかもしれませんね。僕は現場に長くいた経験上、解説で細かいことをあれこれ言っても仕方ないと思うんです。それは現場の人間がよく分かっていることだろうし、テレビで言ったところで始まらない。だから、観ている方と気持ちを合わせて、サッカーがおもしろいと思っていただけるようにしようと考えています。

二宮: その点、ザックジャパンはサッカーのおもしろさを伝えやすいのでは?
松木: そうですね。やっぱり、サッカー中継は実況や解説者が盛り上げるんじゃなくて、一番大事なのは両チームの選手の頑張りです。いいゲームじゃないと、しゃべりようがないですから。料理と一緒で素材が良くないと、いくらこっちが味付けしてもおいしくない。そういう意味ではこのところの日本代表はしゃべり甲斐のあるゲームが多いですよ。

二宮: いよいよW杯3次予選もスタートし、ザックジャパンは1勝1分の滑り出しです。率直に今の代表をどう見ますか?
松木: いいチームになってきていますよ。ただ、過去の歴史を見ても予選をストレートで勝ちぬいてきた国はほとんどありません。まだ、この先、乗り越えないといけない山が2つ、3つくる可能性がある。その点は気をつけないといけないでしょう。

 連係悪かった韓国

二宮: 過去4大会連続出場といっても、ブラジルに行ける保証はどこにもないですからね。
松木: 8月に快勝した韓国だって、このままではいかないでしょう。セレッソ大阪の監督時代にハ・ソクジュとか韓国の選手が何人かいましたけど、彼らは追い込まれると強さを発揮する。この前の敗戦の悔しさもあるでしょうし、本当の勝負になると、また別のチームになりますよ。

二宮: 前回の対戦で日本は素晴らしいサッカーをしましたが、韓国のほうが悪すぎたとも言えますね。これまでは体力勝負で、後半になると両サイドを突破され、クロスを入れられる試合が多かった。ところが、この前の韓国はあまりクロスを上げられませんでした。
松木: 韓国は世代交代の時期にさしかかっていますから、まだ連係の部分でうまくいっていないと感じます。それにパク・チソン(マンチェスター・ユナイテッド)の不在も大きかった。その代役がチャ・ドゥリ(セルティック)では、まだ荷が重い。ボランチのキ・ソンヨン(セルティック)もあの試合は本調子ではなかったですね。

二宮: あんなにギクシャクした韓国を観たのは初めてです。
松木: 一番印象に残ったのは、前線に若い選手が交代で入った時に、チャ・ドゥリが右サイドからドーンとオーバーラップをしかけてきたシーンです。でも、前線の選手は彼を使わなかった。点を獲らなきゃいけない状況で、あんなにチャ・ドゥリが頑張って上がってきたのに、それをうまく生かせない。おそらく前線の選手としては、自分で持ち込んでアピールしたいという色気もあったのでしょう。1月のアジア杯までなら、絶対にサイドに散らして、チャンスを広げていたはずです。「あぁ、韓国の連係はうまくいっていないな」と実感しましたね。

二宮: 連係が改善されれば、強敵であることには変わりないと?
松木: いい選手は多いですからね。チャ・ドゥリにしても、サイドバックではなく、もう1回、前線で起用したらおもしろいかもしれない。守りよりも彼の持ち味は、あの突破力。ウイングのポジションに入ったりすると、日本は厄介だと思います。

二宮: 日本代表も香川真司(ドルトムント)、清武弘嗣(セレッソ大阪)や魅力的な若手が出てきました。
松木: 香川は素晴らしいですね。詰まったところでも、前へ出てボールを運べるし、シュートで終われる。ドイツで自信をつけて、さらにビッグな選手になることは間違いないですよ。

二宮: 「那由多(なゆた)の刻(とき)」はいかがですか。
松木: おいしいですね! コクがあって、味がある。2杯目はストレートかロックで飲みたいです。

(後編につづく)

<松木安太郎(まつき・やすたろう)プロフィール>
 1957年11月28日、東京都生まれ。小学校4年生から読売サッカークラブ(現東京ヴェルディ)に入り、16歳でトップチームに最年少選手としても登録される。DFとしてクラブの日本サッカーリーグ1部昇格に貢献。日本リーグではリーグ優勝3回、天皇杯優勝3回を果たし、主将も経験する。84年からは日本代表として、ロサンゼルス五輪予選、メキシコW杯予選、ソウル五輪予選などに出場する。90年に現役を引退すると、読売サッカークラブのユース監督、ヘッドコーチを経て、93年にヴェルディ川崎(当時)監督に就任。同年、クラブをJリーグ初代王者へと導く。さらに翌年もグランドチャンピオンシップを制し、2年連続の日本一に。その後、セレッソ大阪や東京ヴェルディ1969(当時)の監督を再び務め、現在はテレビなどでのサッカー解説を中心に幅広く活躍中。


★今回の対談で楽しんだお酒★[/color]

長期に渡り、樫樽の中で貯蔵熟成した長期貯蔵の本格そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」。豊かな香りとまろやかなコクの深い味わいが特徴。国際的な品評会「モンドセレクション」2011年最高金賞(GRAND GOLD MEDAL)受賞。

提供/雲海酒造株式会社

<対談協力>
日本料理 源氏香
東京都中央区日本橋蛎殻町2丁目1番1号 ロイヤルパークホテル
TEL:03-3667-1111
営業時間:
昼食 11:30〜15:00(L.O.14:00)  
夕食 17:30〜22:00(L.O.21:00)

☆プレゼント☆
松木安太郎さんの直筆サイン色紙を長期貯蔵本格そば焼酎「那由多(なゆた)の刻(とき)」(720ml、アルコール度数25度)とともに読者3名様にプレゼント致します。ご希望の方はより、本文の最初に「松木安太郎さんのサイン色紙希望」と明記の上、下記クイズの答え、住所、氏名、年齢、連絡先(電話番号)、このコーナーへの感想や取り上げて欲しいゲストなどがあれば、お書き添えの上、送信してください。応募者多数の場合は抽選とし、当選は発表をもってかえさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしております。なお、ご応募は20歳以上の方に限らせていただきます。
◎クイズ◎
 今回、松木安太郎さんと楽しんだお酒の名前は?


 お酒は20歳になってから。
 お酒は楽しく適量を。
 飲酒運転は絶対にやめましょう。
 妊娠中や授乳期の飲酒はお控えください。
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