21日、ロンドン五輪アジア最終予選が開幕し、U−22日本代表はベストアメニティスタジアム(鳥栖)でU−22マレーシア代表と対戦した。日本は試合開始から猛攻を仕掛け前半10分、MF東慶悟(大宮)が先制点を決めてリードを奪う。日本はその後、なかなか2点目を取れずにいたが、後半32分、途中出場のMF山崎亮平(磐田)が待望の追加点を奪って、最終予選を白星でスタートした。

 清武、2点に絡む活躍(ベアスタ)
U-22日本代表 2−0 U-22マレーシア代表
【得点】
[日] 東慶悟(10分)、山崎亮平(77分)
 来年3月まで続くロンドンへの道のりがいよいよスタートした。だが、その初戦は相手を圧倒しながらも完勝とは言い難い内容だ。

 格下の相手、さらにホームという状況もあり、日本は開始からトップギアで試合を進める。前半2分には、左サイドからのクロスをFW大迫勇也(鹿島)が後方から走り込んできたMF清武弘嗣(C大阪)に落とす。清武はGKと1対1の状態からシュートを放つが、GKの体に当たり最初の決定機を逃した。

 それでも圧倒的に攻め続ける日本は10分、流れるような連係から先制点を奪う。センターサークル付近のMF扇原貴宏(C大阪)からの縦パスを受けた東がワンタッチで左にいた清武へ流す。すかさず東は前方のスペースへ走り込むと、清武から戻ってきたボールを右足でゴールに流し込んだ。

 早い時間帯でのゴールで勢いに乗った日本は、その後も次々とチャンスをつくりだしていく。しかし相手GKのファインセーブもあり、追加点を奪うことができない。攻め疲れからなのか、前半の終盤にはパスミスも目立つようになり、結局1−0で折り返した。

 後半に入ると日本は明らかにペースが落ちた。速いパスワークからの崩しが見られなくなり、次第にマレーシアにボールを回されるようになる。後半17分には右サイドからの折り返しがゴール前の相手選手に通り、シュートを打たれた。これはDF鈴木大輔(新潟)がブロックし、こぼれたボールをGK権田修一(FC東京)がパンチングで弾き出してピンチを脱した。

 流れが相手に傾きそうな時間帯に関塚隆監督はFW永井謙佑(名古屋)、山崎と続けざまに攻撃的な選手を投入して局面の打開を試みる。そして、この交替策が見事に的中した。32分、PA手前でボールをキープした清武が右前方に抜け出した永井に浮き球のパス。これを中央に折り返すと、そこに詰めていたのは山崎だ。右足で押し込み、待望の追加点を奪った。このチームのエースと呼ばれ続けてきた永井、6月にバゼドウ病を発症し一時は予選出場を危ぶまれた山崎。ともに途中出場の2人が、流れを引き戻した。

 その後、再びボールを支配した日本だが、3点目が生まれることはなく、2−0で試合を終えた。ロンドンへのチケットを確保するために、初戦で勝ち点3を取ったことは大きい。しかし、トータルで試合を支配した割に、このスコアは少し物足りない。
「自分にも決められるチャンスがあった。これを決めていかないと苦しくなる」
 この日2ゴールに絡む活躍を見せた清武は、次に向けた課題を口にした。次戦は11月23日、バーレーンと敵地で対戦する。

<日本代表出場メンバー>

GK
権田修一
DF
鈴木大輔
濱田水輝
酒井宏樹
酒井高徳
MF
山村和也
清武弘嗣
東慶悟
→山崎亮平(68分)
扇原貴宏
→山口螢(81分)
FW
大迫勇也
→永井謙佑(59分)
原口元気