3日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2011」の第10戦、世界ランキング18位の日本は同3位のイタリアと対戦。サーブミスを重ねるイタリアに対し、日本はブロックやバックアタックなどでポイントを重ね、善戦したものの、最後は地力の差を見せつけられてストレート負けを喫した。

日本 0−3 イタリア
(22−25、24−26、22−25)
 日本は第1セット、司令塔のSドラガン・トラビカさえも200センチと長身を誇るイタリアに対し、ブロックポイントを重ねた。まずはS宇佐美大輔がWSクリスティアン・サバーニのスパイクを2本連続で止め、キャプテン同士の対決を制する。さらにWS福澤達哉がWSミカル・ラスコのバックアタックをブロックすると、WS清水邦弘も負けじと同じくラスコをシャットアウトした。一方、前日までサーバー部門でベスト5に3人も入っているイタリアだったが、ここまで4位につけ、ロンドン五輪の切符獲得には1セットも落とすことができない戦いが強いられたプレッシャーからか、この試合はサーブミスが多発し、なかなか連続ポイントを奪えずに苦しんだ。しかし、最大4点あった差を徐々に縮め、中盤にはラスコ、MBアレッサンドロ・フェイ、サバーニとベテランのポイントゲッターが巧みな技で次々とスパイクを決め、17−19と逆転に成功した。日本も福澤、WS石島雄介のバックアタックなどで食らいつくも、最後は福澤、清水のスパイクが連続でアウトとなり、このセットを落とした。

 第2セット、4−4から日本は清水、福澤のスパイク、ブロックポイントで4連続ポイントを奪い、リードする。さらに7−6と1点差に迫られたところで、怒涛の6連続ポイント。これで日本が完全に試合の主導権を握ったかに思われた。しかし、世界3位のイタリアがこのまま終わるはずはなかった。14−7からブロックポイントなどで5連続ポイントを奪って1点差に迫った。日本も石島に代わって入ったWS米山裕太が技ありのスパイクを決めるなど、3連続ポイントで再び4点差に引き離した。ところが、終盤に入ると、エース清水のスパイクが入らなくなる。清水は自分に上がったトスを4本連続でミスし、23−23と同点に追いつかれた。そして1点ずつを加えての24−24の場面、宇佐美は再び清水にトスを上げる。しかしこれも清水は入れることができず、イタリアがセットポイントを迎えた。そして、ここで宇佐美が選択したのは福澤だった。ここまで得意のバックアタックで清水を助けてきた福澤。この場面でも同級生の名誉挽回といきたいところだったが、その福澤もイタリアの高い壁につかまり、このセットもあと一歩、届かなかった。

 迎えた第3セットは序盤からイタリアが試合の主導権を握った。ここで爆発したのがキャプテンのサバーニに代わって入った25歳のWSシモーネ・パロディ。スパイクのみならず、サーブでも日本を苦しめ、チームに勢いをもたらした。中盤にはセンター陣のクイック攻撃で得点し、徐々にその差を引き離していった。一方、日本は不発の清水に代え、このセットはスタートから起用された33歳ベテランのWS山本隆弘が鼓舞し、なんとかチームを盛り上げようと必死のプレーを見せた。さらに今大会最も好調なMB松本慶彦もBクイック、Cクイックと自在な攻撃で得点を重ねた。終盤には石島にサービスエースが出るなど、最後まで粘りを見せた日本だったが、22−24とマッチポイントを握られると、最後は福澤のサーブがネットにかかり、ゲームセット。前日のロシア戦同様、善戦したものの、最後をとりきることができず、ストレート負けを喫した。明日の最終戦は世界王者のブラジルと対戦する。