2日、バドミントンの女子ダブルスは準決勝が行われ、藤井瑞希、垣岩令佳組(ルネサス)がアレックス・ブルース、ミシェル・リ組(カナダ)を2−1(21−12、19―21、21−13)で下し、初の決勝進出を決めた。これで藤井、垣岩ペアの2位以上が決まり、92年の競技採用以来、日本バドミントン界初めてのメダルも確定した。4日の決勝では世界ランキング2位の田卿、趙蕾組(中国)と対戦する。また男子シングルス準々決勝では初のベスト8入りを果たした佐々木翔(トナミ運輸)が、北京五輪金メダリストの林丹(中国)に挑んだが、1−2(12−21、21−16、16−21)で惜敗し、準決勝進出はならなかった。
 待ちに待ったメダルを日本にもたらせたのは、オグシオでもなく、スエマエでもなく、フジカキだった。青森山田高で先輩後輩の関係でペアを組んで6年、千載一遇の機会を逃さなかった。

 強豪ペアが1次リーグで“無気力試合”をしたとして次々と失格になった異例の決勝トーナメント。決勝進出をかけて戦ったのは本来なら1次リーグで敗退していたカナダペアだった。

 格下相手に、フジカキペアは藤井が前衛でしっかりシャトルを拾いつつ、後衛の垣岩がスマッシュをどんどん打ち込んで、得点を重ねる。第1ゲームは中盤まで一進一退の攻防だったが、6−7と1点リードされた展開から4連続ポイント。これで主導権を握ると、徐々にリードを広げ、21−12と難なくゲームを制した。

 決勝までは、あと1ゲーム。しかし、勝利への重圧からか第2ゲームは動きが硬く、プレーが消極的になる。ショットが甘くなったところを相手にスマッシュを連続して決められ、逆転に次ぐ逆転の末、21−19でゲームを奪い返された。

 逆に追い込まれた最終第3ゲーム、ペアはようやく本来の動きを取り戻す。フェイントで相手を前後にゆさぶり、消耗させると、垣岩が強烈なスマッシュを連発。積極性が出ると、ネットに当たったシャトルが相手コートに落ちる運も味方につき、11−5と点差を広げて、ゲーム後半に突入した。

 その後も着実に得点をあげ、19−13と勝利まであと2ポイント。ここでフジカキペアは、これでもかと2人でスマッシュを連続してマッチポイントをもぎとる。その勢いに押されたのか、最後は相手のミスショットが出て歓喜の瞬間を迎えた。

 決勝で激突するのは格上の中国ペアだ。中国はランキング1位の最強ペアが“無気力試合”で失格になっており、絶対に負けられない戦いになる。翻ってフジカキペアに、もう失うものは何もない。伸び伸びと全力プレーで一気に頂点を狙う。