日本サッカー協会は9日、キリンチャレンジカップのベネズエラ戦(15日、札幌ドーム)に臨む日本代表23名を発表した。ロンドン五輪に出場中のメンバーからは、権田修一(FC東京)、酒井高徳(シュツットガルト)、吉田麻也(VVVフェンロ)の3名が選ばれた。海外組は香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)、本田圭佑(CSKAモスクワ)、宮市亮(アーセナル)ら計11選手が選出。W杯最終予選のイラク戦(9月11日、埼玉)に出場停止で出られない内田篤人(シャルケ04)、今野泰幸(ガンバ大阪)らは外れた。国内組では水本裕貴(サンフレッチェ広島)がザッケローニ体制後、初召集された。
 W杯最終予選の序盤の3試合を2勝1分けと好スタートを切った日本は、9月のイラク戦(ホーム)を前に、ベネズエラと対戦する。この試合のポイントは、守備陣の再構築だ。イラク戦ではW杯予選のオーストラリア戦で退場した栗原勇蔵(横浜F・マリノス)、累積警告の内田、今野と最終ラインを形成する選手の多くが出場停止となる。

 特に今野はザックジャパンにおいてCBとして不動の位置を築いている存在だ。対人に強く読みの鋭いディフェンスリーダーの代わりとして、今回、白羽の矢が立てられたのは4年ぶりの代表復帰となる水本である。今季はリーグ戦全20試合にフル出場。ここまで2位と好調のチームを堅守で支えている。水本は本田、長友佑都(インテル・ミラノ)らと北京五輪を主力として経験しており。現代表の中核を担う同世代の選手たちに割って入りたい。

 守備陣の真ん中の穴を埋めるのが、北京世代の水本ならば、右サイドバックの穴はロンドン世代の酒井高が補うことになりそうだ。本来は左サイドバックを務めるが、所属先のシュツットガルトでは左右両方で起用され、重宝されている。ロンドン五輪でもここまで4試合に出場。予選リーグの2試合では右サイドバックで先発し、関塚ジャパンの快進撃に一役買っている。

 今野に加え吉田、長友など固定したメンバーで戦うことが多ったザックジャパンの最終ラインにとって、バックアップの発掘は課題のひとつだ。主力の出場停止による窮地は、逆にチーム力アップをはかる格好のチャンスでもある。ベネズエラ戦を有益なテストマッチとしたい。

<日本代表メンバー23人>

GK
川島永嗣(スタンダール・リージュ)
西川周作(サンフレッチェ広島)
権田修一(FC東京)
DF
駒野友一(ジュビロ磐田)
岩政大樹(鹿島アントラーズ)
伊野波雅彦(ヴィッセル神戸)
水本裕貴(サンフレッチェ広島)
長友佑都(インテル・ミラノ)
槙野智章(浦和レッズ)
吉田麻也(VVVフェンロ)
酒井高徳(シュツットガルト)
MF
遠藤保仁(ガンバ大阪)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
細貝萌(レバークーゼン)
本田圭佑(CSKAモスクワ)
高橋秀人(FC東京)
FW
前田遼一(ジュビロ磐田)
藤本淳吾(名古屋グランパス)
岡崎慎司(シュツットガルト)
ハーフナー・マイク(フィテッセ)
香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)
宮市亮(アーセナル)