29日(現地時間)、ロンドンパラリンピックが開幕する。オリンピックスタジアムでは開会式が行なわれ、史上最多の164カ国・地域、約4300名の選手が参加する。日本からは17競技134名中、16競技107名の選手が参加。旗手は北京に続いて2回目の出場となる競泳代表の木村敬一(日大)が務める。シドニー以来、3大会ぶりに知的障害者の参加も認められた今大会。ロンドンはパラリンピック発祥の地ともされており、パラリンピアンにとっては特別な大会となりそうだ。
 パラリンピックは1948年、ロンドン郊外のストーク・マンデビル病院でロンドン五輪にあわせて行なわれた車いす患者によるアーチェリー大会が原点と言われている。その後、毎年開催され、52年にはオランダが参加することで初の国際競技会として行なわれ、「第1回国際ストーク・マンデビル大会」とされた。

 60年には英国、オランダのほか、ベルギー、イタリア、フランスが参加。同年に行なわれた五輪と同じローマで開催され、これが現在では「第1回パラリンピック」と位置づけられている。そして、現在のように車いす競技に限定せず、他の身体障害者競技を含めて初めて行なわれたのが、64年に東京で開催された第2回パラリンピックだ。

「私たち日本選手団はパラリンピックロンドン大会において、選手一人一人が自覚をもち、克己復礼の精神のもと、誇るべき日本の強さを世界に証明するため、全身全霊で個々の可能性への挑戦を行なう」
 7月23日、選手団主将を務める土田和歌子は、こう決意表明した。134名が出場する日本選手団の今大会における目標は「北京を上回る数のメダル獲得」。4年前の北京では金5、銀14、銅8の計27個のメダルを獲得。これを上回る数のメダリスト誕生に大きな期待が寄せられている。

 さらに、北京ではすべて個人競技でのメダルだっただけに、ロンドンでは2010年バンクーバーパラリンピックで銀メダルを獲得したアイススレッジホッケーに続いての団体競技でのメダル獲得が望まれている。「誇るべき日本の強さを世界に証明する」べく、134名の精鋭たちが世界最高峰の舞台に挑む。

 当サイトでは日本人選手の結果とともに、9月1日から『キャッチ! The LONDON』(特別版)のコーナーにて、現地の模様を詳しくお伝えする。4年間、パラリンピックの表彰台を目指し、絶え間ない努力をし続けてきたアスリートたち。その本番での結果は果たして……。選手たちの熱戦の模様とともに、ロンドンの街並みや文化などにも触れる。4年に一度の障害者スポーツの祭典、パラリンピック。人間の可能性への広がりとともに、スポーツの魅力が見られるはずだ。

〜キャッチ! The LONDON〜
「メダル獲得への挑戦 〜シッティングバレーボール〜」
「パラリンピックも注目どころ満載!」
「土田主将『最高峰の舞台で最高のパフォーマンスを』 〜パラリンピック結団式・壮行会〜」
「2大会ぶりメダル獲得へ 〜ゴールボール〜」
「メダルラッシュへの期待! 〜陸上〜」

〜The Road to LONDON〜
<車椅子バスケットボール>
「ロンドンに秘められた復興への思い」
「新発見! “クルマイスバスケ”の特等席」
<陸上・春田純(短距離)>
「人生をかけた11秒」
「人生を変えた北京での衝撃」
<競泳・秋山里奈>
「アテネの表彰台で誓った金メダル」
「支えあっての競泳人生」
<車いすマラソン>
「42.195キロの舞台裏」
「ロンドンへの切符をかけたもうひとつの戦い」
<陸上・鈴木徹(走り高跳び)>
「現役続行を決意させた北京での“1本”」
「ハイジャンパー鈴木徹をつくり上げた出会い」
<車椅子ラグビー>
「史上最強JAPANが金メダルに挑む!」
「“ラグ車”に魅せられて――縁の下支え」
<射撃>
「メダルへの期待高まる2人の女性シューター」
「“静”なるスポーツ、射撃の魅力に迫る!」
<車椅子バスケットボール>
「ロンドンへの道を切り開いた“和”の極み」
「死闘を制した2つの“ビッグプレー”」
<陸上・土田和歌子(車いすランナー)>
「初のマラソン金メダルへ」
「6年越しのスタートライン」
<視覚障害者柔道>
「自らの可能性への挑戦」
「ロンドンに導いた恩師の叱咤激励」
<車いすテニス・国枝慎吾>
「完全復活への軌跡」
「進化した『心技体』」