4日、FIFAU-20女子W杯の準決勝が東京・国立競技場で行われ、U-20女子日本代表は同女子ドイツ代表と対戦した。試合は日本が開始直後にMFメラニー・ロイポルツに先制点を奪われる。その後も失点を重ね、0−3の完敗。この結果、日本は3位決定戦(8日、国立)に回り、同女子ナイジェリア代表と対戦する。

 田中陽、5戦連続ゴールならず(国立)
U-20女子日本代表 0−3 U-20女子ドイツ代表
【得点】
[ド] メラニー・ロイポルツ(1分)、ゼニファー・マロツァン(13分)、レナ・ロッツェン(20分)
「自分のプレーができなさすぎた」
 MF田中陽子(INAC神戸)は、ドイツ戦での自身の評価をこう語った。準々決勝までの4試合すべてで得点(計5点)を挙げている。エースの出来が決勝進出の命運を握っていたものの、ドイツの組織的でタイトな守備に苦しみ、自身のシュートはゼロ。完璧に封じられた。

 チームの調子もおかしかった。日本はキックオフ直後、いきなり失点したのだ。ロイポルツにPA内に抜け出され、GK池田咲紀子(浦和)と1対1の場面をつくられる。これを冷静にゴール左下に流し込まれた。13分には、FWゼニファー・マロツァンにDFラインの裏をとられ、GKの頭上を抜くループシュートを決められた。さらに19分、今度は右CKからFWレナ・ロッツェンに頭で合わされ、0−3。序盤でまさかの大量リードを許した。

 反撃を試みたい日本だが、ドイツの複数人で奪いにくる組織的な守備と、フィジカルを生かした激しいタックルの前に、シュートまで持ち込めない。頼みの田中陽も、ボールを受けてもすぐ2人以上の選手に囲まれ、ボールを奪われてしまう。前半終盤は彼女が左サイドに開き、クロスを上げる場面も見られたが、決定機までには至らなかった。

 迎えた後半、後のない日本はエースを中心になんとかドイツ守備網をこじ開けにかかる。しかし、ゴールが遠い。8分、右サイドに開いた田中陽とMF柴田華絵(浦和)が立て続けにクロスを上げるものの、中央で合わせられず、ゴールラインを割った。
 すると16分、田中陽はFW道上彩花(常盤木学園)と交代。自身の連続ゴールは4試合で途切れることとなった。その後、日本は運動量の落ちた相手に攻勢をしかけたものの、ドイツの固い守備を最後まで崩すことはできなかった。

「判断よく、周りを使いながらプレーしたり、(チームが)攻め急いでいたので、幅を使いながら展開したりすればよかった。そういうことをできていなかった」
 田中陽は自身の課題をこう口にした。彼女のいうとおり、日本の選手は無理にドリブルを仕掛けてボールを失う場面が多く見られた。チャレンジするべきなのか、パスを回して組み立てるべきなのか。次の3位決定戦では、これらの判断を適切に下せるかがポイントになる。

 落ち込んでいる時間はない。田中陽は試合後に「(みんな)次は勝とうという話をすごくしている」ことを明かした。自身も残り1試合の時点で得点ランクはトップと2点差の3位。3位決定戦で逆転での得点女王も不可能ではない。これについては「メダルを取るためにも、チームのためにも(ゴールを)入れたい。ゴールは貪欲に狙っていきたい」と意欲を見せた。エースとしてゴールを決め、チームのラストマッチを笑顔で締めくくる。

<U-20女子日本代表出場メンバー>

GK
池田咲紀子
DF
木下栞
浜田遥
高木ひかり
→中村ゆしか(86分)
土光真代
MF
藤田のぞみ
柴田華絵
田中陽子
→道上彩花(61分)
猶本光
FW
西川朋花
田中美南
→横山久美(25分)