28日、Jリーグは事務局で会見し、来季から導入される「Jリーグクラブライセンス制度」に基づくライセンス交付の決定を発表した。申請していたJ1、J2、JFLの41クラブすべてにクラブライセンスが交付されることになった。内訳はJ1クラブライセンスが33クラブ、残る8クラブはJ2クラブライセンスを取得した。
「Jリーグクラブライセンス制度」は、J1とJ2のライセンスに分かれている。それぞれのライセンス内容は、順位等の要件を満たしていれば、当該ディヴィジョンに残留または昇格できるものである。そのため、J2に所属するクラブがJ2ライセンスしか取得できなかった場合は、順位等の要件をクリアしてもJ1へ昇格することはできない。

 ライセンスの交付を審議するのは第三者機関であるクラブライセンス交付第一審機関(FIB)。判断基準は「競技」「施設」「人事体制・組織運営」「法務」「財務」の5分野56項目に分かれている。また項目はA(ライセンス申請に必須)、B(申請に必須だが、達成されない場合は充足方法の文書提出を科したうえで交付)、C(達成が望ましいが交付には関係しない)の3等級に分類。今回、7クラブ(長崎は条件つき交付)がJ2ライセンスの取得に留まった理由は、「施設基準」の「J1クラブ主管公式試合を行うスタジアムの入場可能数が1万5000人以上(J2は1万人以上)」を満たしていなかったからである。

 大分トリニータ(J2)とJリーグ準加盟クラブのV・ファーレン長崎(JFL)は、条件つきの交付となった。J1ライセンスを取得した大分の条件は、Jリーグからの融資金6億円のうち未返済の3億円を10月12日までに完済すること。大分は現在、昇格プレーオフ圏内の6位だが、完済できなければ、プレーオフに参加できない。長崎はJ2ライセンスを交付された。だが、J2への入会審査に合格しなければ、J2の最下位との入れ替え戦(JFLで2位以内に入れば進出)を勝ち上がっても、昇格することはできない。

 また、FIBは18クラブに対して、指導を行ったことも発表した。指導とはクラブの経営改善を促すのが目的で、FIBが独自に行うことができる。是正通達と個別通達があり、是正通達のほうが重い指導で、クラブの経営状況に合わせて両方を出す場合もある。

<2013シーズン クラブライセンス交付結果>

【J1クラブライセンス】

コンサドーレ札幌
ベガルタ仙台
モンテディオ山形
鹿島アントラーズ
栃木SC
浦和レッズ
大宮アルディージャ
ジェフ千葉
柏レイソル
FC東京
東京ヴェルディ
川崎フロンターレ
横浜F・マリノス
横浜FC
湘南ベルマーレ
ヴァンフォーレ甲府
松本山雅FC
アルビレックス新潟
カターレ富山
清水エスパルス
ジュビロ磐田
名古屋グランパス
京都サンガF.C.
ガンバ大阪
セレッソ大阪
ヴィッセル神戸
ファジアーノ岡山
サンフレッチェ広島
徳島ヴォルティス
アビスパ福岡
サガン鳥栖
ロアッソ熊本
大分トリニータ ※条件つき交付(Jリーグからの融資金完済)

【J2クラブライセンス】

水戸ホーリーホック
ザスパ草津
ゼルビア町田FC
FC岐阜
ガイナーレ鳥取
愛媛FC
ギラヴァンツ北九州
V・ファーレン長崎 ※条件つき交付(J2昇格にはJ2入会審査合格が必要)