今年1月に開設したスポーツポータルサイト「Sportsプレミア」では新たなスポーツ記事を連日、配信中です。このサイトではJBpress(日本ビジネスプレス)、講談社、スポーツコミュニケーションズの共同運営により、3社がそれぞれ配信している独自の記事を合わせて読むことが可能になっています。今回、佳境を迎えたワールドシリーズ、日本シリーズにあわせ、両方の頂上決戦を体験した田口壮さんとのスペシャル対談が実現しました。対談前編では「イチローのレーザービーム、ここがすごい!」と題し、短期決戦の舞台裏から日本とメジャーリーグの違いについて深く語り合っています。
(写真:オリックスで日本一、カージナルスとフィリーズでワールドシリーズ制覇を経験した)
 当サイトでは特別に対談の一部を紹介します。
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二宮: 20年を超える現役生活お疲れ様でした。9月の引退会見では、思わず涙をこぼされる場面もありましたね。
田口: 実は僕自身、あの会見まで「引退」という言葉は1度も口にしたことがなかったんです。(各球団の補強期限となる)7月31日までにオファーがなかった時点で嫁には「やめるわ」と話をしていたんですが、「引退」という表現は使ってこなかった。会見で初めて「引退します」と言った瞬間、その重みを感じて胸が詰まってしまったんです。

二宮: 今季は所属先は決まっていませんでしたが、いつ声がかかってもいいようにトレーニングは継続していたんですね。
田口: はい。7月31日までは諦めていませんでした。昨オフに肩を手術しましたが、リハビリをして、プレーできる段階にはなっていました。まぁ、ただ43歳という現実を考えたら、手を上げてくれる球団はなかったかなと……。

二宮: 練習をしながら日米の野球もチェックしていたと思いますが、今季最大の注目選手はレンジャーズに移籍したダルビッシュ有でした。メジャー1年目の成績は16勝9敗、防御率3.90。テキサスの暑い夏を考えれば、1年間、ローテーションを守って、この成績ですから充分、評価できるのではないでしょうか。
田口: ロン・ワシントン監督の起用法もうまかったですね。彼は入った時点で既に先発2番手くらいの実力があったはず。でも、ワシントン監督は最初、先発ローテーションの4番手で彼を使いました。2番手だと相手も力のあるピッチャーが出てきて、打線の援護が得られない可能性が高い。だから敢えて最初は4番手にすることで、まずは勝ち星をつけることを優先したのだと思います。

二宮: 結果を出すことで、メジャーリーグにうまく順応させようという“親心”があったんですね。
田口: 最初は完璧な状態でなくても、白星が積み重なっていったことで、だんだん調子が上がっていきました。その意味ではワシントン監督の計算通りと言えるでしょう。シーズン中も、中5日に間隔を空けたり、先発を1回飛ばしたり、疲労が蓄積しないように気をつけていましたね。
(写真:日米の外野守備に対する考え方の差も明らかに)

二宮: 最後はワイルドカードゲームの先発を任せられるほど、チームの柱になっていました。来季のさらなる活躍が楽しみです。
田口: 今季も、もうあと2、3勝して20勝近い成績になっても不思議ではなかったと思います。映像で見る限り、シーズン終盤のボールのキレはメジャーでもトップクラスでしょう。相当研究して、狙い球を絞らないと簡単には打てない。日本時代に対戦した時からスライダーの曲がりが大きくて鋭く、メジャーでも十分通用するピッチャーだなと思っていましたが、海を渡って、さらに進化したのではないでしょうか。

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 スペシャル対談の後編は31日にアップ予定です。どうぞお楽しみに。