2012年も残すところ、あとわずかとなりました。今年もたくさんの読者にご愛読いただきましたこと、心より感謝申し上げます。今年はロンドンオリンピック・パラリンピックがあり、数多くの名勝負・名シーンが誕生しました。レスリング女子では吉田沙保里選手と伊調馨選手がともに史上初の3連覇を達成。ボクシング男子では村田諒太選手が日本人には不可能だとさえ言われていたミドル級で金メダルを獲得。そしてパラリンピックでは国枝慎吾選手が車いすテニス男子シングルスで史上初の連覇を達成し、ゴールボール女子では日本として初の団体競技での金メダルに輝きました。来年は14年に開催されるサッカーのブラジルW杯やソチオリンピック・パラリンピックに向けた戦いが本格化します。また、9月に決定する20年オリンピック・パラリンピックの招致活動も大詰めを迎えます。日本スポーツ界のさらなる飛躍の年となることを期待したいですね。
 さて、当サイトへの1年間のご愛読に感謝し、プレゼントをご用意いたしました。アンケートにお答えいただいた方の中から、それぞれ1名ずつプレゼントいたします。たくさんのご応募お待ちしています!
★プレゼント★
○プロ野球・阿部慎之助選手(巨人)サインボール
○プロ野球・野村祐輔選手(広島)サインボール
○プロ野球・吉川光夫選手(北海道日本ハム)サインボール

○サッカー・森保一監督(サンフレッチェ広島)サイン色紙
○サッカー・阪口夢穂選手(日テレ・ベレーザ)サイン色紙
○フットサル日本代表・小宮山友祐選手(バルドラール浦安)サイン色紙
○リフティング世界チャンピオン・徳田耕太郎選手 サイン色紙

○ラグビー日本代表・山田章仁選手(パナソニックワイルドナイツ)サイン色紙

<ロンドン五輪・パラリンピック代表>
○柔道女子57キロ級金メダリスト・松本薫選手サイン色紙
○レスリング女子48キロ級金メダリスト・小原日登美選手サイン色紙
○女子重量挙げ48キロ級銀メダリスト・三宅宏実選手サイン色紙
○アーチェリー男子銀メダリスト・古川高晴選手サイン色紙
○フェンシング男子団体銀メダル・三宅諒選手サイン色紙
○競泳男子200メートルバタフライ銅メダリスト・松田丈志選手サイン色紙
○女子バレーボール銅メダル・眞鍋政義監督サイン色紙
○車いすテニス男子シングルス金メダリスト・国枝慎吾選手サイン色紙
○ゴールボール女子金メダル・小宮正江選手&浦田理恵選手サイン色紙

○広島カープカレンダー
○埼玉西武カレンダー
○東北楽天カレンダー

 ご希望の方はより、本文の最初に「年末年始プレゼント希望」と明記の上、「2013年、あなたが注目するスポーツまたは選手とその理由」、お名前、年齢、住所、電話番号、商品名(いずれか第3希望まで)を明記の上、サイトへのご感想などがございましたら、お書き添えの上、ご応募ください。当選発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。なお、いただいた個人情報はプレゼントの抽選、発送以外の業務には使用致しません。多数のご応募、お待ちしております。
※締切:2013年1月7日(月)まで。


 格闘技からサッカー、駅伝までもりだくさん! 〜年末年始スポーツスケジュール〜
★12月31日★
<ボクシング世界戦> 1日で5つのタイトルマッチ! 内山は2年連続の統一戦 井岡は2階級制覇へ

 2012年の大晦日は空前絶後のボクシングデーだ。
 東京と大阪を舞台に世界タイトルマッチが5試合も実施される。地上波でも2局にわたって中継が決定した。
(写真:前日会見で勢揃いした内山、佐藤ら東京で世界戦を戦う選手たち)
 
 WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(ワタナベ)は2年連続で大晦日に王座統一戦を戦う。今回の相手は暫定王者のブライアン・バスケス(コスタリカ)。29戦無敗の強敵だ。とはいえ、パンチが特別強いわけではなく、内山の強打を持ってすれば決して敗れる相手ではない。7月に行われた4度目の防衛戦はバッティングで右目上を負傷し、不完全燃焼なかたちで終わった。昨年の大晦日にホルヘ・ソリス(メキシコ)を左のショートフックでKOしたようにスッキリと勝って新年を迎えたいところだ。

 日本人対決となるのはWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチだ。王者の佐藤洋太(協栄)に赤穂亮(横浜光)が挑む。佐藤は3月に世界初挑戦で王座を獲得し、7月には初防衛を果たした。“マジカルボックス”の異名をとり、変幻自在にパンチを繰り出す。王者を柔とすれば、挑戦者の赤穂は剛だ。19勝中、12KOの強打者。得意の左フックが入れば、プロに入って一度もダウンがない佐藤であっても立ってはいられないはずだ。

 この2試合とともに行われるWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチでは王者のテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)に河野公平(ワタナベ)が挑戦する。河野にとっては3度目の世界戦だ。過去2度はいずれも判定に泣いた。ラストチャンスと位置付ける32歳が、9歳年下の若き王者からベルトを奪えるか。

 大阪で行われる2試合では井岡一翔(井岡)が2階級制覇を目指してホセ・アルフレド・ロドリゲス(メキシコ)とのWBA世界ライトフライ級王座決定戦に臨む。八重樫東(大橋)との激闘を制した日本初の現役王者同士による王座統一戦から半年。ミニマム級から本来の階級に戻しての戦いだ。相手のロドリゲスは距離を長くとるタイプだが、4月に試合では踏み込んでくる相手に苦しみ、プロ初黒星を喫した。井岡のスピード、テクニックをもってすれば決して難敵ではない。

 その井岡が返上したWBA世界ミニマム級のベルトを争うのが、同じジムで同級生の宮崎亮(井岡)だ。王座返り咲きを狙うポンサワン・ポープラムック(タイ)と激突する。初の世界挑戦は井岡とは逆にライトフライ級から階級を下げるかたちになったが、減量は順調そうだ。鋭いステップから連打をまとめる宮崎が、タフなタイ人をいかに仕留めるか。まずは立ち上がりで主導権を握ることが頂点へのポイントとなる。

▼WBA世界スーパーフェザー級王座統一戦 王者・内山高志 × 暫定王者・ブライアン・バスケス
 WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・佐藤洋太 × 挑戦者・赤穂亮
 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・テーパリット・ゴーキャットジム × 挑戦者・河野公平(大田区総合体育館、15:30〜)

▼WBA世界ライトフライ級王座決定戦 井岡一翔 × ホセ・アルフレド・ロドリゲス
 WBA世界ミニマム級王座決定戦 宮崎亮 × ポンサワン・ポープラムック(ボディメーカーコロシアム、14:50〜)

<DREAM&GLORY> アーツ、シュルトら強豪が続々参戦のトーナメント! 注目カード多数

 ボクシング一色になるかと思われていた今年の大晦日だが、格闘技イベントも熱い。日本上陸を表明していた立ち技格闘技団体の「GLORY」が当初の予定をずらし、2012年の締めくくりに大会をぶつけてきたのだ。GLORYと提携した総合格闘技のDREAMも加わり、全27試合にわたる豪華な内容となった。

 何といっても注目はヘビー級16選手によるワンデートーナメント「GRAND SRAM HEAVYWEIGHT」だ。参戦するのはピーター・アーツ(オランダ)、セーム・シュルト(同)、レミー・ボンヤスキー(同)ら日本でもおなじみの強豪ファイターたち。主催者側が「格闘技におけるワールドカップ」と自負するように目の離せないカードが続く。

 1回戦から決勝まで最大4試合を行う点を考慮し、ルールにも工夫がなされていており、準々決勝までは1Rが2分間(準決勝以降は3分)。オープンスコアリング方式により、2Rを先取した場合は3Rを戦わずして、その選手の勝ち上がりが決まる(決勝は採用せず)。これまでにない熾烈なトーナメントを勝ち上がるには、パワーやテクニックのみならず、フィジカルの強さが求められそうだ。

 またDREAMでも青木真也(パラエストラ東京/Evolve MMA)、北岡悟(LOTUS)、高谷裕之(高谷軍団)、桜井“マッハ”速人(マッハ道場)らに加えて、ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)、メルビン・マヌーフ(オランダ)といった実力者が続々と登場する。楽しみなのは2年ぶりにDREAMに戻ってきた小見川道大(吉田道場)と川尻達也(T-BLOOD)との対戦だ。DREAMの立ち上げ以来、ともに歩みを進めてきた川尻に対し、小見川は米国のUFCに戦いの場を移してきた。これまで交わることのなかった両雄はどんな勝負を繰り広げるのか。

▼DREAM.18&GLORY4 〜大晦日SPECIAL2012〜(さいたまスーパーアリーナ、16:00〜)
○DREAM
 フェザー級ワンマッチ 川尻達也 × 小見川道大
 フェザー級ワンマッチ 高谷裕之 × ジョージ・カラカニヤン
 ライト級ワンマッチ 北岡悟 × ウィル・ブルックス
 ウェルター級ワンマッチ 桜井“マッハ”速人 × フィル・バローニ
 バンタム級ワンマッチ ビビアーノ・フェルナンデス × 前田吉朗
 ミドル級ワンマッチ メルヴィン・マヌーフ × デニス・カーン
 ライト級ワンマッチ 青木真也 × アントニオ・マッキー
 女子ワンマッチ マールス・クーネン × フィオナ・マクスロー
○GLORY
 70kg級スーパーファイト 長島☆自演乙雄一郎 × ロビン・ファン・ロスマーレン
 ヘビー級スーパーファイト ジェロム・レ・バンナ × KOICHI
 53kg級スーパーファイト 江幡睦 × キム・サンチェ
 85kg級スーパーファイト 松本哉朗 × ジェイソン・ウィルニス
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 セーム・シュルト × ブライス・ギドン
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 セルゲイ・ハリトーノフ × リコ・ベホーベン
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 グーカン・サキ × 羅王丸
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 アンデウソン“ブラドック”シウバ × イゴール・ユルコビッチ
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 レミー・ボンヤスキー × フィリップ・ヴェルリンデン
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 エロール・ジマーマン × ジャマール・ベン・サディック
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 ピーター・アーツ × ムラッド・ボウジディ
 GRAND SLAM HEAVYWEIGHT1回戦 ダニエル・ギタ × ジョナタ・ディニス

★1月1日★
<ニューイヤー駅伝> 日清食品の連覇を阻むのは!? 初登場の柏原にも注目!

 全国6地区の予選を突破した37チームが、元日の上州路を舞台に「駅伝日本一」を決める「第57回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)」。全長100キロ、7区間で争われる。2009年は三つ巴の戦いとなり、富士通がわずか1秒差で振り切って9年ぶりの栄冠に輝いた。2年後の11年はその富士通が1秒差に泣き、トヨタ自動車が悲願の初優勝と、区間距離が変更された09年以降は、ゴール前でのデッドヒートが繰り広げられてきた。一方、日清食品グループの強さも目立っている。初優勝を果たした10年は、2位に18秒差、そして12年は1分20秒もの大差をつけて2度目の栄冠に輝いている。果たして、13年はどんなレース展開が見られるのか。ニューイヤー駅伝初登場の柏原竜二(富士通)の走りにも注目だ。

 12年元日、圧倒的な力で2年ぶり2度目の優勝を果たした日清食品が、今回も優勝候補の筆頭だ。3年連続区間賞のロンドン五輪5000メートル、1万メートル代表・佐藤悠基、北村聡のWエースが連覇のカギを握る。そのほか、前回5区区間賞の高瀬無量や、日本選手権5000メートルで3位に入るなど著しい成長を見せている若松儀裕など有力選手が揃い、群を抜くチーム層の厚さが大きな武器となっている。11月末に左足ふくらはぎの肉離れを起こした佐藤の回復具合が気になるところだが、優勝争いの一角を担うことは間違いない。

 その日清食品が優勝した10、12年と、2位に終わっているのがコニカミノルタだ。今回の東日本予選では日清食品を破り、8年ぶりに東日本王者として元日レースに挑む。コニカミノルタの象徴的存在として6度の優勝に貢献してきたのが“松宮兄弟”だ。だが、その弟・祐行が日立物流グループに移籍。チームは世代交代がすすめられ、キャプテンに就任したエース宇賀地強を柱に、若手中心の構成だ。最長区間(22キロ)の4区を走る宇賀地が佐藤(日清食品)とのトップ争いを制すれば、5年ぶりの王座奪還も見えてくる。

 九州地区チャンピオンの旭化成はエース堀畑宏行が絶好調だ。11月の福岡国際マラソンで日本人トップの2位となり、13年にモスクワで行なわれる世界陸上の代表へと一歩近づいた。日本男子マラソン界を牽引するエースの力強い走りでチームに勢いをもたらしたい。外国人選手が走ることのできるインターナショナル区間の2区に志願している1万メートル日本人学生最速記録保持者のルーキー鎧坂哲哉の走りにも注目だ。旭化成は、アテネ五輪1万メートル代表の大野竜二など、1万メートルを27分台で走ることのできる選手が4人と強力なメンバーが揃っている。最多21回の優勝を誇る古豪。14年ぶりの王者返り咲きで、1月9日に還暦を迎える宗猛監督に花を添えたい。

 今大会最大の注目といえば、大学時代は“山の神”と謳われた柏原だ。箱根駅伝では4年連続区間賞(うち3度は区間新)を獲得。東洋大の往路4連覇および総合優勝3度に大きく貢献した。だが、社会人1年目の今年は、思うような結果を残すことができなかった。社会人初レース、ロンドン五輪代表選考会を兼ねた4月の「兵庫リレーカーニバル」では中盤から失速し、周回遅れの13位。最終選考となった6月の日本選手権でもB標準記録にさえも届かず、14位に終わった。その悔しい思いを爆発させ、4年ぶりの優勝を狙う富士通の起爆剤となれるか。“元祖山の神”である今井正人(トヨタ自動車九州)との直接対決が実現すれば、さらに注目度が高まりそうだ。

▼第57回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝) 9:00スタート(前橋市・群馬県庁発着)

出場チーム
<東日本>
コニカミノルタ、日清食品グループ、Honda、JR東日本、カネボウ、富士通、SUBARU、日立物流グループ、小森コーポレーション、八千代工業、プレス工業、自衛隊体育学校
<北陸>
YKK、重川材木店
<中部>
トヨタ紡織、トヨタ自動車、愛知製鋼、NTN、愛三工業、中央発條、トーエネック、
<関西>
佐川急便、四国電力、大塚製薬、、山陽特殊製鋼、NTT西日本
<中国>
中国電力、マツダ、JFEスチール、中電工
<九州>
旭化成、安川電機、トヨタ自動車九州、九電工、三菱重工長崎、黒崎播磨、西鉄

<サッカー天皇杯決勝> 守備を再建したG大阪vsエース復帰の柏

 92回目を迎えた天皇杯決勝は4年前と同じカードとなった。元日決戦に駒を進めたのはガンバ大阪と柏レイソル。08年大会の決勝では、G大阪が1−0で勝利した。G大阪は3大会ぶり3度目、柏は初の天皇杯獲得に挑む。

 G大阪は今季、リーグ戦で17位に沈み、クラブ初のJ2降格という屈辱を味わった。
 それでも、持ち前の攻撃力は健在で、J1最多の67得点を記録した。リーグ戦で不安定だった守り(総失点65)も、天皇杯では立て直している。要因は日本代表DF今野泰幸のボランチ起用。彼は鋭い読みと対人の強さを兼ね備えている。今野が中盤で相手の攻撃の芽を摘むことで、ゴール前までボールを運ばれる場面が少なくなったのだ。準決勝(対鹿島)では、前半23分に挙げた虎の子の1点を今野を中心に守り切った。攻守のバランスを保って大一番に臨む。

 対する11年リーグ王者・柏は序盤戦でつまずつき、6位に終わった。今季、初出場のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)は、決勝トーナメント1回戦で敗退。来季もACLに出場するためには天皇杯で優勝するしかない。
 柏の特徴は試合を通して攻めの姿勢を崩さないこと。昨季のリーグMVPであるレアンドロ・ドミンゲスを中心に相手ゴールを脅かし続ける。天皇杯ではその背番号10を3回戦から準決勝まで出場停止で欠いたものの、総力戦で決勝まで勝ち進んだ。これでレアンドロ・ドミンゲスは元日決戦に出場できる。準決勝(対横浜FM)で決勝点を挙げたFW工藤壮人が累積警告で出場できないだけに、エースの復帰は心強い。

 今シーズンの対戦成績は柏が2勝1分け(ナビスコ杯含む)で、相性の良さを見せている。無冠でのJ2降格だけは避けたいG大阪と、4年前の決勝で敗れた雪辱を果たしたい柏。天皇杯で優勝すればACLの出場権を得て、クラブW杯に挑戦する道も開けてくる。果たして元日の空に天皇杯を掲げるのはどちらのクラブか。

▼第92回天皇杯決勝 ガンバ大阪 × 柏レイソル(国立競技場、14:00)

★1月2、3日★

<箱根駅伝> 3年生エースを擁する東洋、駒澤の2強対決
 東京〜箱根間を往復する計217.9キロを1チーム10人の学生ランナーが走り抜く「第89回東京箱根間往復大学駅伝競走」(箱根駅伝)。20チームが出場する今年度は、連覇を目指す東洋大学、11月の「全日本大学駅伝対校選手権大会」を制した駒澤大学の2強を軸にした展開が予想される。

 ディフェンディングチャンピオンの東洋大は、酒井俊幸監督が09年春に就任以降、三大学生駅伝11レース中、4位が1度だけで、あとはすべて3位以内に入る好成績を残している。まさに黄金期を築きつつある同大にとって、3度の総合優勝に導いた立役者“山の神”柏原竜二が卒業した今シーズン、その真価が問われている。

 しかし、「出雲全日本大学選抜駅伝競走」で2位、全日本では2位と、ここまで無冠。そこで連覇の鍵を握るのが、東洋大の二枚看板、兄・啓太、弟・悠太の設楽兄弟だ。昨シーズンは啓太がエース区間“花の2区”を走り、4位から先頭に躍り出る活躍。悠太は7区で区間新を叩き出し、東洋大の圧勝劇に貢献した。今シーズンも設楽兄弟を、往路と復路にそれぞれ配置し、同大4度目の箱根制覇に挑む。Wエースの快走が鉄紺の襷を栄冠へと導く。
(写真:母校・東洋大を強豪校に押し上げた酒井監督)

 5年ぶり7度目の優勝を目指す駒大は、1万メートルの上位10人の平均タイムは28分29秒39と、出場チームで断トツのトップである。昨年の箱根を経験した選手は8人おり、例年にも増して選手層は厚い。出雲では、優勝候補に挙げられながら5位だったが、全日本では最終区での逆転勝利で連覇を果たした。

 そんな常勝軍団を引っ張るのは、エースの窪田忍だ。これまで出場した学生駅伝すべてで区間3位以内、箱根では2年連続区間賞と、抜群の安定感を誇る。大八木弘明監督がエースを何区で起用するかがポイントとなる。

 2強に続くのは一昨季の3冠王者・早稲田大学と、出雲を制した青山学院大学だ。

 名門・早大は、2強に勝るとも劣らない戦力を有する。エース・大迫傑の出来次第では優勝争いに割って入る可能性は十分にある。大迫は、6月の日本選手権で1万メートル2位、国際千葉駅伝では日本代表として出場し、1区で2位の好成績を残した。今や日本を代表するスピードランナーと成長した大迫が、チームの命運を握る。

 一方の青学大は出雲を制した勢いに乗って、箱根路を駆け抜けたい。上記の3校に比べると、選手層に不安を抱えるが、エースの出岐雄大と、スーパールーキーの久保田和真の快走で、フレッシュグリーン旋風を箱根でも巻き起こせるか。

 そのほか、個人では日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)で1万メートル、5000メートルの2冠を達成したエノック・オムワンバ(山梨学院大学)と、2年ぶりの出場のガンドゥ・ベンジャミン(日本大学)のケニア人留学生コンビのタイムにも注目だ。オムワンバは初、ベンジャミンにとっては最後の箱根駅伝となる。両者は“花の2区”を任されることが濃厚だ。また記録だけでなく、チームが1区で出遅れた場合、何人をごぼう抜きするかにも注目が集まる。

 そして、この留学生コンビに日本人ランナーがどこまで食らいつけるかにも期待したい。学生駅伝の総決算で柏原に次ぐ、新たなスターは誕生するのか。

▼第89回箱根駅伝
2日 8:00往路スタート/大手町〜箱根・芦ノ湖(5区間108km)
3日 8:00復路スタート/箱根・芦ノ湖〜大手町(5区間109.9km)

<参加チーム>
東洋大学、駒澤大学、明治大学、早稲田大学、青山学院大学、城西大学、順天堂大学、中央大学、山梨学院大学、拓殖大学、國學院大学、日本体育大学、帝京大学、中央学院大学、大東文化大学、上武大学、神奈川大学、日本大学、法政大学、東京農業大学、関東学連選抜チーム