10日、日本陸上競技連盟は都内で会見を開き、世界選手権モスクワ大会トラック・フィールド種目の代表選手26名を発表した。男子では、100メートルで注目を集めている山縣亮太(慶應大)、桐生祥秀(洛南高)ら19名が順当に選出された。女子は、1万メートルの新谷仁美(ユニバーサル)、やり投げの海老原有希(スズキ浜松AC)など7名にとどまった。これでマラソン・競歩を合わせて41名の代表が決定。また日本陸連は、1600メートルリレーのメンバーについては、追加招集の可能性があることを明らかにした。
(写真:新しいユニホームを纏った選手達<飯塚、岸本、新谷、鈴木、山本、佐藤>)
「世界で戦える確信の中で選んだ」(日本陸連の原田康弘強化委員長)。この日、開催された理事会の最終決定を経て、8月10日からモスクワで開幕する世界選手権の日本代表が発表された。日本陸連の尾縣貢専務理事は「(前回の)大邱大会から人数は減っておりますが、強力な若手が含まれています。新星日本陸上には、その若手たちを中心に素晴らしい活躍を期待している」と、選考結果の印象を語った。

 9日に行われた日本選手権200メートル決勝では、上位5名が派遣標準記録Aを突破したハイレベルな争いを展開した。3位は高瀬慧(富士通)、藤光謙司(ゼンリン)が同着だったため、代表はエントリー最大の4名を選出した。ただ出場は3名までのため、選考会のひとつ静岡国際陸上での成績を考慮し、現時点では最後の1枠に高瀬が入る。

 参加標準記録を突破している男女400メートルリレー、男子1600メートルリレー。日本陸連は男子400リレーは今回のメンバーから選出され、1600メートルリレーは、7月のアジア選手権(インド・プネー)でのレースを見てから判断し、メンバーを追加招集することを明かした。女子400メートルリレーは、短距離で代表に選出されたのは福島千里(北海道ハイテクAC)のみ。強化委員会は、現状では「戦えない」という結論に達し、女子リレーの派遣はしないことを決めた。

 一方、ロンドン五輪代表のディーン元気(早稲田大)らは、標準記録を突破していないため選考から漏れた。日本陸連は、個人種目での“追試”は行わないことを明言。前回はアジア選手権後の追加召集もあったが、尾縣専務理事は「強化の厳しさを示した」と、「世界と戦える」という基準での選考だった。
(写真:「熱い夏を迎えたい」と意気込む尾縣専務理事)

【世界選手権トラック・フィールド種目代表メンバー】

◇男子◇
【トラック種目】
山縣亮太(慶應義塾大学)
桐生祥秀(洛南高校)
飯塚翔太(中央大学)
小林雄一(NTN)
高瀬慧(富士通)
藤光謙司(ゼンリン)
金丸祐三(大塚製薬)
佐藤悠基(日清食品グループ)
大迫傑(早稲田大学)
宇賀地強(コニカミルタ)
岸本鷹幸(富士通)
笛木康宏(チームアイマ)
安部孝駿(中京大学)

【フィールド種目】
山本聖途(中京大学)
澤野大地(富士通)
荻田大樹(ミズノ)
室伏広治(ミズノ)
村上幸史(スズキ浜松AC)

【混成種目】
右代啓祐(スズキ浜松AC)

◇女子◇
【トラック種目】
福島千里(北海道ハイテクAC)
尾西美咲(積水化学)
新谷仁美(ユニバーサルエンターテインメント)
紫村仁美(佐賀陸協)
久保倉里美(新潟アルビレックスAC)

【フィールド種目】
福本幸(甲南学園AC)
海老原有希(スズキ浜松AC)