11日(現地時間)、スキー・バイアスロンのミドル(男子12.5キロ、女子10キロ)が行なわれ、男子の座位カテゴリー久保恒造(日立ソリューションズ)が初日のショートでの銅メダルに続くメダル獲得に挑んだが、1周目での遅れが最後まで響き、6位入賞となった。
 久保が最も金メダル獲得に自信をもつバイアスロン・ミドルが行なわれたこの日、コースのコンディションは最悪と言っても過言ではなかった。霧雨の中、数メートル先がほとんど見えないほどの視界不良、さらに風で射撃は厳しさを増した。また、クロスカントリーにおいては雨で雪質は重く、特に上りではスキー板が走らない。逆にコーナーリングでは滑りやすく、バランスを崩しやすかった。

 しかし、久保はそんな悪条件をまったく気にする様子もなく、勢いよく飛び出していった。4回ある射撃の1回目、久保は全5発を命中させる満射とした。だが、コーナーリングでのミスで16位と出遅れてしまう。これが、最後まで大きく響くことになる。2周目には9位にまで浮上し、2回目の射撃もすべて満射とした久保は、6.6キロ地点で8位とする。

 3回目の射撃もノーミスでクリアし、7位で4周目に入った。そして、最後の射撃も満射で締め、5周目へ。悲願の金メダルに向けて、最後の力を振り絞った久保。だが、最大のライバル、ロシア勢がすべての射撃を満射とし、さらに力強い滑走で強さを遺憾なく発揮した。その結果、ロシア勢が表彰台を独占。久保はトップと約3分差をつけられての6位と2つ目のメダル獲得には至らなかった。

 金メダルを獲得したペトゥシュコフ・ロマン(ロシア)は、バイアスロン・ショート、クロスカントリースキーロングと3冠達成となった。

  森井、3位通過でメダル獲得へ 〜スキー・アルペン〜

 高速系のスーパー大回転と技術系の回転との合計タイムで競うアルペンスキー・スーパー複合は、悪天候のために前半に予定されていたスーパー大回転が延期となり、後半の回転のみが行なわれた。レースは半数以上の選手が途中棄権となる大荒れとなった。メダルラッシュに沸く座位カテゴリーでは、スーパー大回転で銀メダルを獲得した森井大輝(富士通セミコンダクター)が、序盤の急斜面、ターンごとにスキー板が跳ね返る大荒れのコースを、巧みなスキー技術で難なくこなし、好タイムが期待された。だが、終盤にスキー板が流れて大幅にペースダウンしてしまい、トップのタイムとはならなかった。それでも完走し、トップとは0.81差の3位のタイムで3日後に延期となったスーパー大回転でメダル獲得を狙う。

 一方、滑降、スーパー大回転で2冠を達成した狩野亮(マルハン)、回転のスペシャリストである鈴木猛史(駿河台大学職員)は荒れたコースにスキー板をとられ、途中棄権となった。そのほか夏目堅司(ジャパンライフ)と谷口彰(相模組)はスピードを抑えて安定性を重視した滑走で、そろって今大会初めて完走し、森井とともにスーパー大回転に進んだ。立位カテゴリーに出場した三澤拓(キッセイ薬品工業)と小池岳太(セントラルスポーツ)は、それぞれ11、12位でスーパー大回転に臨む。

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