北京五輪の男女マラソン代表6選手が、3月26日、東京・北区のナショナルトレーニングセンター(NTC)にて会見を行い、五輪へ向けた抱負を語った。
 五輪のレース前々日には男女それぞれの代表による直前会見が行われるが、本番に向けてはそれぞれの合宿地でトレーニングおよび調整を行うため、男女代表6人が揃う会見はこれが最初で最後となる。
(写真:北京五輪マラソン男女代表6選手。(後列左から)中村、野口、尾方、佐藤、(前列左から)土佐、大)
 北京五輪のマラソン代表は、男子が大悟史(NTT西日本)、佐藤敦之(中国電力)、尾方剛(中国電力)、女子が土佐礼子(三井住友海上)、野口みずき(シスメックス)、中村友梨香(天満屋)。
代表選手6名は3月25〜26日、NTCで行われた日本陸連による長距離・マラソン研修会に参加し、体調管理やメンタル面、暑さ対策やレース中の水分摂取等についての講義を受けた。

 女子マラソン2連覇という偉業への期待がかかる野口は「この2日間、メディカルチェックや研修を行ってきたが、中身の濃い研修だった。北京に向けて給水や、長距離にとって大事な腎機能のことなど、しっかり勉強してきた。『チームジャパン』として、みんなで一丸となって頑張りたい。プレッシャーをプラスに変えて頑張りたい」と力強く語った。さらに、“ツチノコ”や“UFO”など実在しないとされるものをレース前に目撃することを吉兆と受け止めている野口は「あとは、また変なものが見られたら大丈夫かなと(笑)」と記者たちを笑わせた。

 野口同様、2大会連続の五輪代表となる土佐は「暑さ対策で体を冷やすためにはスポンジの水が1番良いというのを知ってよかった。五輪に向けては監督が立てたメニューをこなして、無事にスタートラインにつきたい。アテネの時にはメダル争いから落ちてしまったので、自分のカラーを出してメダル争いができればいいなと思う」と穏やかな口調で意気込みを口にした。

 五輪へ向けた今後のスケジュールは選手によって異なるが、佐藤、尾方、土佐は4月20日に北京で行われるプレ五輪に参加し、実際のコースを自分の足で確かめる。
 伝えられる大気汚染や暑さなど厳しいコンディションになることが予想される北京五輪。選手たちはそれぞれの合宿地でトレーニング、調整を行い、五輪本番に挑む。

(写真:日本勢3大会連続の金メダル獲得の期待がかかる女子代表。左から中村、野口、土佐)


 各選手のコメントは以下のとおり。

大悟史(NTT西日本)
「研修では給水、暑さ対策、ケニアの選手の動きなども参考になった。男女の代表で研修を受けて、交流できたのもよかった。みんなから良い刺激を受けた。五輪に向けては、勝負どころで切り替えができるようにスピード強化をしていきたい」

佐藤敦之(中国電力)
「2日間の研修を受け、各専門分野の方が、北京五輪のための対策を練ってくださっていることを実感した。チームジャパンとして、選手として全力投球していくわけだが、みんなで取り組んでいるということに感謝して、北京五輪に向けてやっていきたい」

尾方剛(中国電力)
「今までの研修は男子のみだったが、今回、女子も一緒で刺激も受けてためになった。いろいろ話もできてよかった。ドーピング、暑さ対策、給水などあらためて勉強できて、とても参考になった。練習が完璧にできて調子が完全でないと結果が残せないと思うので、まずはそういう状態につくっていけるようやっていきたい」

中村友梨香(天満屋)
「暑さの中のレースでの水分の摂り方などすごく勉強になった。代表の選手たちは皆さんベテランばかり。私は初めてなので、すごく安心できる。レースに向けてしっかり体調を合わせたい。五輪では2回目のマラソンとなる。自分の持ち味であるスピードが少し落ちているのでトラックの試合で戻していきたい」

野口みずき(シスメックス)
「メディカルチェックや研修を行ってきたが、中身の濃い2日間だった。北京に向けて給水や、長距離にとって大事な腎機能のことなど、しっかり勉強してきた。マラソンのメンバーには、レースの数日前にしか会えないが、みんなで頑張りたいという気持ちが強く沸いてきた。みんなで一丸となって『チームジャパン』として、北京五輪に向けて頑張りたい。トレーニングの具体的なプランはまだ聞かされていないが、楽しみにしている。また変なものが見られたら大丈夫かなと(笑)」

土佐礼子(三井住友海上)
「このような研修は初めてだったが、たまに頭をつかわないといけないな、と。暑さ対策で、身体を冷やすのにスポンジが1番良いというのがわかった。日本代表の皆さんと、走っていると違って和んだ中で話せてよかった。五輪に向けては、監督のメニューをしっかりこなして、無事にスタートラインにつきたい。アテネでは、メダル争いから落ちてしまったので、自分のカラーを出してメダル争いができればいいなと思います」