1日、第87回天皇杯の決勝戦が国立競技場で行われ、鹿島アントラーズが2−0でサンフレッチェ広島を破り、7大会ぶり3度目の優勝を果たした。J1リーグと合わせて今季2つめのタイトルとなった。

◇1月1日、国立
サンフレッチェ広島 0−2 鹿島アントラーズ
[鹿島] 内田篤人(8分)、ダニーロ(89分)
 試合開始からフルスロットルで飛ばした。
 前半8分、左から右への大きなサイドチェンジで揺さぶると、DF内田がFWマルキーニョスとのワンツーで抜け出し、PA右の角度のないところから左隅へ突き刺した。「本当は有三さんを狙おうと思ったけど、囲まされていたので思い切って打ったら入った」。弱冠19歳の若武者が元日の大舞台で貴重な先制ゴールを叩き出した。

 その後は堅守で広島の攻撃を受け止めた。中盤とディフェンスラインの2層で厚いブロックをつくる。出場停止のMF柏木の代わりにトップ下に入ったMF高萩に自由なプレーを許さず、FW佐藤とFW平繁の快足2トップがボールに触れるシーンは数えるほどだった。

 そして、後半ロスタイムの残り1プレーというところで駄目押し弾を奪った。MF本山が右サイドで時間を稼ぐように見せかけて、並走していたFW柳沢へパス。最後はPA左に走りこんだMFダニーロが左足を思い切りよく振り抜いて、ネットを揺らす。J2降格が決まったクラブとして大会初優勝を狙った広島に引導を渡した。

 この優勝で鹿島は自身が持つJクラブ最多獲得タイトル数の記録を11に更新。就任1年目で2冠を達成したオズワルド監督は「シーズンを通して培ってきたものが勝因」と胸を張り、この日、キャプテンマークを巻いたMF小笠原は「悪い時間もしっかり守れた。(来季は)すべてのタイトルを獲りにいく」と喜びをかみ締めていた。
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