サンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズは20日、敵地でのシカゴ・カブス戦で2本のホームランを放ち、メジャー通算最多本塁打記録(755本)にあと2本に迫った。試合はボンズの3打数3安打6打点の活躍も実らず、カブスが9−8と乱打戦を制した。
 カブス、16安打の猛攻で打ち勝つ
サンフランシスコ・ジャイアンツ 8 = 012002300
シカゴ・カブス           9 = 40121100×
勝利投手 リリー(10勝4敗)
敗戦投手 モリス(7勝6敗)
セーブ   ハウリー(5勝4敗7S)
本塁打   (ジ)ボンズ18号ソロ、19号3ラン、モリーナ9号2ラン 

 4試合ぶりの先発出場となったボンズは2回の第1打席で、カブス先発の左腕テッド・リリーからライトにアーチを描く。ホームランはおろか21打席ノーヒットに陥っていた呪縛から自らを解き放つと、3回の第2打席もレフトへ2点タイムリー。

 そして四球を挟んで迎えた7回の第4打席、2死1、2塁の場面で打席に入る。左腕ウィル・オーマンがフルカウントから投じた甘いボールを逃さず、コンパクトにバットを振ると打球はセンターに突き刺さった。今季2度目となる1試合2本塁打。16日間、足踏みしていた記録へのマジックを一気に2つも減らした。

 後半戦に入ってボンズは足腰の不調を訴え、チームが地区最下位に低迷する状況にもかかわらず、休養に務めていた。「少し元気を取り戻せた」と語るスラッガーの記録更新はそう遠くない日にやってきそうだ。ジャイアンツは21日から敵地でミルウォーキー・ブルワーズとの3連戦。24日からはアトランタ・ブレーブス、フロリダ・マーリンズと本拠地で計7試合を戦う。

<松坂、井口との対決制すも7敗目>

 ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手は同日、本拠地でのシカゴ・ホワイトソックス戦に先発登板した。松坂は井口資仁とのメジャー初対決を2打数0安打1四球で制したが、6回に逆転を許し、5回3分の0を3失点で降板した。試合は4−2でホワイトソックスが勝利。松坂は7敗目(11勝)を喫した。

 ピアジンスキー、逆転タイムリー
シカゴ・ホワイトソックス 4 = 100002010
ボストン・レッドソックス  2 = 020000000
勝利投手 Jバスケス(7勝5敗)
敗戦投手 松坂(11勝7敗)
セーブ   ジェンクス(2勝4敗25S)
本塁打   (ホ)コナーコ21号ソロ

【井口成績】
 3打数0安打
第1打席 空振三振
第2打席 左飛
第3打席 四球
第4打席 見逃三振
※松坂との対決は第3打席まで

 打たれたヒットはわずかに2本。しかし与えた四球は今季ワーストの6個。松坂にとってはもったいない敗戦だった。

 初回、1死をとって「2番・セカンド」で先発出場した井口とメジャーで初めて顔を合わせる。日本での対戦成績は85打数31安打、打率.365。松坂はよく打たれている。最初の対決は全球ストレートで臨んだ。カウント2−1と追い込むと、最後は外角に149キロの速球を決め、バットに空を切らせた。
 ところが雨で試合開始が約2時間遅れた影響か突如、制球を乱す。ジム・トーミ、ポール・コナーコの3、4番を連続四球で歩かせ、2死1、2塁。迎えたA.J.ピアジンスキーには内角で詰まらせながらライト前に運ばれた。松坂は2死から1点を失う。

 2回以降の松坂は危なげない投球をみせていた。2回、3回、5回は三者凡退。3回、井口との第2打席は内角を突いて追い込んだ後、外角のスライダーで泳がせる。平凡なレフトフライに打ち取り、調子が上がってきたかと思われた。

 しかし、12勝目が見えてきた6回、状況は一変する。この回の先頭は井口。初球は変化球でファウルを打たせたが、その後はボールが高めに浮く。4球続けてストライクゾーンを外れ、無死の走者を与えてしまう。 
 続くトーミもストレートの四球。4番・コナーコもフルカウントから歩かせ、ノーヒットで無死満塁の大ピンチを招いた。ここで打席には初回にタイムリーを打たれているピアジンスキー。カウント2−2から勝負にいったフォークをとらえられ、打球は1、2塁間を抜ける。2者が生還し、ホワイトソックスが3−2と逆転に成功。松坂はここで降板を告げられ、2番手にマウンドを譲った。

 試合は8回4番手として登板した岡島秀樹が4番コナーコに低めの変化球をすくい上げられ、レフトに一発を浴びる。デビュー戦以来となる痛恨の被弾で追加点を奪われ、レッドソックスは3連敗を喫した。

 後半戦に入って、好調・ヤンキースとのゲーム差は7に縮まってきている。まだ余裕があるとはいえ、前半戦の快進撃を支えた岡島らリリーフ陣に疲労の色は隠せない。チームには不気味な影がしのびよっていると言えそうだ。松坂の次回登板は25日(水)のクリーブランド・インディアンス戦が予定されている。
◎バックナンバーはこちらから