ボストン・レッドソックスの岡島秀樹投手が11日に行われるオールスターゲーム(サンフランシスコ)への出場が決定した。岡島はファン投票で決定する残り1枠、“32人目の男”にノミネートされていた。投票は6日7時に締め切られ、岡島は約440万票を集めてトップだった。
 岡島は今季、既に38試合に登板。41イニングを投げて2勝0敗4セーブ、防御率0.88と安定した投球をみせている。いまやレッドソックスに欠かせないセットアッパーだ。現在も12試合連続無失点で好調を維持しており、投票ではデトロイト・タイガースで9勝をあげているジェレミー・ボンダーマン投手らを抑えた。

 日本人選手が“32人目の男”で出場を決めたのは04年の松井秀喜(ヤンキース)以来。これで今年のオールスターゲームはイチロー(マリナーズ)、斎藤隆(ドジャース)、岡島と3人の日本人選手が出場する。日本人3選手のオールスター出場は03年(イチロー、松井秀、長谷川滋利)以来、2度目で最多タイとなる。

<井川、5回5失点で勝敗つかず>

 ニューヨーク・ヤンキースの井川慶投手は6日、本拠地のミネソタ・ツインズ戦に先発登板した。井川は3点リードをもらったものの、4回に追いつかれ、5回7安打5失点。勝敗はつかなかった。試合は8回に松井秀喜の勝ち越し2ランが飛び出し、ヤンキースが7−6で勝利した。

 メジャー復帰初戦は4回3分の2を2失点で降板。2戦目は6回3分の1で4失点。先発投手の条件とされるクオリティ・スタート(6回を2、3失点)がままならない井川に、“3度目の正直”は訪れなかった。

 初回から苦しいマウンドだった。先頭のジェーソン・バートレットをフルカウントから歩かせると、2番ジョー・モウアーはセンター前ヒット。無死1、2塁とピンチを迎える。さらに3番マイケル・カダイアーには外の球を引っ張られ、打球はレフトへ抜けた。井川はあっさり先制点を献上してしまう。
 続く4番ジャスティン・モルノーに対しては2−1と追い込みながら、粘られた末にセンター前へ。3塁に進んでいた走者が生還し、3連打で井川は2点を失う。

 2回は三者凡退、3回は四球を1つ与えたものの、井川は追加点を許さない。2回裏、2本の本塁打などでヤンキースは一挙5点をあげて逆転に成功。流れは左腕に好転したかに思えた。

 ところが4回、井川の歯車は再び狂った。先頭の6番ジェフ・シリーロに高めに浮いた球をセンターの頭上に運ばれて、無死2塁。2死を奪って持ち直しかけたが、打率2割そこそこの9番ニック・プントに対してカウントを悪くする。高めに外れるボールが続き、結局四球。無駄な走者を出したことが井川を追い詰めた。
 打順が1番にかえり、バートレットは2−0と投手優位のカウント。落ち着いて勝負したかったところだが、投じた次のボールは真ん中に入ってしまった。レフト線を破る2点タイムリー2塁打。狂った歯車は元に戻らず、次のモウアーもこの日2本目のヒットで2塁のバートレットを迎え入れる。ついに5−5の同点。井川はリードを守れなかった。

 結局、5回を3人で片付けた井川は同点の状態でマウンドをおろされた。5回93球、7安打3四球で5失点。無駄なボールが多く、リズムをつかむことができなかった。
 これで前半戦の登板は終了。9試合に登板して2勝2敗、防御率7.14。30億円左腕と期待されながら、結果の出ない状態でシーズンを折り返す。ヤンキースは残り80試合。背番号29が輝く日はいつやってくるのだろうか。

 なお、松井秀は決勝の10号2ランを含め、5打数2安打2打点。2年ぶりの2試合連発だった。アレックス・ロドリゲスの欠場で今季初めて4番に座ったが、役割をきっちりこなした。

 松井、試合を決める2ラン
ミネソタ・ツインズ      6 = 200300001
ニューヨーク・ヤンキース 7 = 05000020×
勝利投手 ファーンズワース(1勝1敗)
敗戦投手 ネシェック(3勝1敗)
セーブ   リベラ(2勝3敗11S)
本塁打   (ヤ)カノ5号ソロ、カブレラ4号3ラン、松井秀10号2ラン
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