千葉ホークス、王者の貫録で3連覇――。
 車椅子バスケットボールのクラブチーム日本一を決める第36回日本車椅子バスケットボール選手権大会が5月2日〜5月4日、東京体育館(東京都渋谷区)で開催され、関東代表で2連覇中の千葉ホークスが、決勝で東京代表の「NO EXCUSE」に68−48で勝利し、史上初チーム2度目の3連覇を果たした。
(写真:NO EXCUSEの小山選手<右>と千葉ホークスの鈴木選手)
 車椅子でプレーするために定められたルール以外は、コートの大きさ、ゴールの高さ、ボールの大きさ等、すべて一般のバスケットボールと同じ条件で行われる車椅子バスケットボール。車椅子ならではの熱いぶつかり合いやスピード感あふれる動きなど、独特の迫力あるプレーが繰り広げられた。

 全国10ブロック(89チーム)の予選を勝ち抜いた20チームによるトーナメント戦を勝ち抜き、決勝に進出したのは昨年の覇者で3連覇を目指す千葉ホークス(千葉)と、この日本選手権ではベスト8止まりだったNO EXCUSE(東京)。
“走るバスケット”を掲げる王者・千葉ホークスと、東京のチームとして89年以来の決勝進出を果たしたNO EXCUSEとの決勝戦。先制点をあげたのはNO EXCUSE。千葉ホークスもすぐに追いつき、序盤から激しい攻防となる。第2Q終了時点で28−28の同点という接戦となったが、後半になると、千葉ホークスの主力であるPF香西宏昭、PF安直樹らが得点を重ね、徐々にNO EXCUSEを突き放す。NO EXCUSEもC小山文律、F菅澤隆雄らの活躍で粘るが、終盤は千葉ホークスがリバウンドを完全に支配し、優位に試合を進める。結果、68−48と大きくリードを広げ、千葉ホークスが貫録の3連覇を果たした。
 千葉ホークスの新キャプテン・C鈴木明将は「練習でできないことは試合ではできない。いつも通りのプレーを心掛けた。3連覇というより、優勝することを考えていた。結果的に3連覇を果たして嬉しい」と息をはずませた。チームの要・G京谷和幸は「前半は受け身になってしまったが、自分たちのバスケットが出せたと思う」と笑顔を見せた。

(写真:決勝でも活躍した千葉ホークスの香西選手が大会MVPに選ばれた)
 結果は完敗ながらも初の決勝で激しいプレーを見せ会場を沸かせたNO EXCUSE。選手兼HCの及川晋平は「チームを立ち上げて以来、決勝のセンターコートに立つことが目標だった。チームで勝つことを目標にやってきた。千葉ホークスは勢いがあった」と振り返った。福島在住で毎週練習のために車で東京に通ってきたというキャプテンのG佐藤聡は「いつもべスト8止まりで悔しい思いをしてきた。やっと3日目に残れて、やってきたことは間違いじゃなかった、と。負けたけど、来年につながる。20点差は完敗。『打倒・千葉ホークス』で1年間やっていきたい」とリベンジを誓った。
 今大会の最優秀選手(MVP)には、香西宏昭(千葉ホークス)が選ばれた。

 この後、息をつく間もなく来年の北京パラリンピック出場をかけた予選会が5月中旬からオーストラリアで開催される。日本代表メンバーの1人である京谷は「今の自分たちのプレーが、世界でどれだけ通用するか。北京の予選会へ向けて切り替えていきたい」と意気込んだ。


内閣総理大臣杯争奪
「第36回日本車椅子バスケットボール選手権大会」


※試合結果
優勝 千葉ホークス(千葉)
2位 NO EXCUSE(東京)
3位 宮城MAX(宮城)
4位 清水M・S・T(兵庫) ※前・明和BBC

<最優秀選手>
香西宏昭(千葉ホークス)

<得点王>
藤本怜央(宮城MAX)

<ベスト5>
G・京谷和幸(千葉ホークス)
G・森紀之(千葉ホークス)
G・寺田正晴(NO EXCUSE)
S・小山文律(NO EXCUSE)
PF・安直樹(千葉ホークス)

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