3月24日。練習を終えて、22時に届きそうな時計の針を横目に見ながら、今までにない雰囲気で選手が球場を後にしました。
「明日は絶対に勝ちましょう!」あちこちでこの言葉が飛び交います。
25日は新チームになって初の公式戦。「頑張れー!頑張れー!」しつこいくらい帰りの車中から叫ぶ監督の言葉にも後押しされ、「絶対に勝つ!」という選手ひとりひとりの気持ちがあふれていました。
(写真:今年はこのメンバーで戦っています) 恥ずかしながら、今まで、本当に勝ちたいという気持ちがひとつになったことは無かったといっていいと思います。どこか仲間を信じきれていないような、諦めのような雰囲気が漂っていました。
今回は勝てる。そう思い、久しぶりに眠れないくらい心が高鳴りました。
雨で25日の日程が流れ、26日が試合となりました。月曜日ということで、社会人の選手が何人か参加することができず、ベストメンバーとはいえない状況でしたが、今ある戦力で勝ちに行くしかありません。
「今できる最大のことをやれ」
初めて全員がそろいのユニフォームをまとった初の公式戦。監督が繰り返すこの言葉を、選手ひとりひとりが同じ気持ちで真っすぐに受け止めていたように思います。ベンチからグラウンドへ駆け出していくひとりひとりの背番号を見送りながら、私は仕事へ向かうため、グラウンドを後にしました。
会社に到着した私の携帯に、試合経過が送られてきました。
メールを開くボタンを押す親指に力が入ります。
9:22「3回 0対0」
9:45「5回 0対0」
10:20「7回 1対0 負けてます」
10:52「0対1 負けです」
11:49「え〜、広瀬、負けました。1対0です。監督のミスでしょう。・・・え〜・・・では。」
いつもは「ではー」とか「そいじゃねー」で終わる監督の留守電ですが、少しの沈黙のあと、言葉が続きました。
「残念です。監督のミスでしょう・・・。」
練習中の活気ある声から比べると100分の1くらいの音量。
スコアをまだ見ていないので、具体的な試合展開は不明なのですが、点が取れる場面で取れたか取れなかったかが勝負を分けたようです。
取れそうで取れなかった1点。ここに今後の課題があるような気がします。
何件か入った選手からのメールには「残念な結果でした・・・」と元気のない言葉。しかしその後には「また次の公式戦に向けて頑張りましょう!」という言葉が続いていました。
思えばシーズンは始まったばかり。試合後のミーティングでは、「甘い球を見逃してカウントを自分で厳しくしすぎる」「三塁コーチャーの制止よりも自分の判断を優先し、チャンスを潰してしまった」などの反省点が出たそうです。逆にいえばチームとしても個人としても、まだまだ伸びシロはあります!
帰りの電車の中で、選手からのメールを見返しながら、闘志メラメラになりました!
まだまだ伸びます、我がチーム!
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「二宮清純.com」では、このコーナーのコラムをHPに先行して配信中です。紅一点の女子部員の奮闘ぶりを一足早く携帯でお楽しみいただけます。更新は第1、3火曜。ぜひ、チェックしてみてください。
広瀬明佳(ひろせ・さやか)福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!
(このコーナーは毎週第1・3木曜日に更新いたします)
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