4月21日はリーグ戦準決勝。公式戦ではありませんが、実戦を積むことはチームにとってプラスです。相手は、2月、新チームになって初めての練習試合で、17対5と大差で負けたチーム。おそらく相手は、今回も負けるわけがないと思っていたと思います。そんな雰囲気を感じながら、試合前、とてもワクワクしました。私たちも負けるつもりはありません。2ヶ月間でどのくらい変わったかを早く確認したい思いでいっぱいでした。
(写真:今季初のナイター試合)
 先攻後攻を決めるジャンケンでも久々の勝利。私はジャンケンがとても弱いのです。いつもジャンケンで負けるので、先攻になることが多いのですが、我がチームにとっては好都合。常に先攻を選びます。
 今回もジャンケンに勝って先攻を選び、意気揚々とベンチに帰りました。
「どっち?」とコーチに聞かれ、
「先攻です!」と当然のように答えた私。
「はぁ?」
「・・・え?」
「またジャンケン負けたのか」
「勝ちました!」
「何で先攻なの?」
「いつも先攻にしろって監督に言われてたから・・・です」
 これから試合だというのに、水を差すようなことをしてしまったかと思い、一瞬、久しぶりのジャンケン勝利をうらめしく思ったとき、
「うちは何事も先手必勝や。先に攻める、それでええねん。ジャンケンで勝って先攻ならなおさらええ」と監督。
 後攻は負けている場合、最後までチャンスがあり、勝っている場合、イニング数を減らすことができる。進んで先攻を選ぶチームはおそらく少ないのだと思います。我がチームは「先手必勝」でいつも先攻。この「先手必勝」は、今回も大当たりしました。

 1回表。1番濱田がセンター前ヒットでノーアウト2塁。4番森のセカンドゴロの間に三塁に進塁し、5番藤岡のセンター前ヒットで2人がかえり、2点先制。今年に入って、先制している試合は全て勝利。幸先のいいスタートダッシュを切りました。
しかし3回裏、エラーとフォアボールで出したふたりのランナーをセンター前ヒット1本で返され、振り出しに戻ります。6回裏にも守備のミスで1点を取られ、逆転されます。
 これ以上離されてはいけない。7回裏からマウンドに立った小川が、5三振を奪う好投。守りでリズムを作れたあとの8回表、良くも悪くも何かしてくれる男、永岡が先頭打者。凡フライかと思われた打球を、相手センターが一度グローブに入れておきながらのまさかの落球。キャッチャーフライで1アウトになったあと、濱田の内野安打で三塁へ。三振で2アウト。どうしても1点が欲しい場面で、何とかしなくてはならないというプレッシャーを楽しめる3番新井。この状況にはぴったりの選手。選手全員が「何とかして!」と祈るか祈らないかのうちに初球をたたき、レフト方向へ鋭いライナーが飛んでいきました。永岡がかえり、同点。9回表にも1アウト三塁からの犠牲フライで1点を追加し、そのまま逃げ切りました。
 9回裏も1アウトからライトオーバーを打たれ、三塁にランナーを置きながら、フォアボールとデッドボールで満塁となる厳しい状況でしたが、なんとか切り抜け、4対3で勝つことができました。
ミスが多く、内容が悪いと監督に言われる、褒められるような試合ではありませんでしたが、どうしても勝ちたい試合に、なんとしてでも勝ったという事実は、1ヵ月近くが経とうとしている今振り返っても、チームにとってとても大きかったと思います。

 今月27日からは、昨年出場することすら叶わなかった都市対抗県予選が始まります。我がチームの最終的な目標は、結成から3年以内に都市対抗に出場すること。まだまだ遠い目標ではありますが、監督を中心にこの目標に向かって活動しています。まだ公式戦では1勝も挙げていません。今までの練習や試合で得たものを全てぶつけられるように、ラスト2週間、調整していきたいと思っています。


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広瀬明佳(ひろせ・さやか)
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!

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