初めての都市対抗予選。
 1回戦、伸びかかっていた鼻をへし折られました。
 
 都市対抗予選の埼玉県第1、2代表は、企業チームのホンダ、日本通運が常連。3年前のチーム結成以来、企業チームに次ぐ埼玉県第3代表を3年連続で獲得しているのがクラブチームの所沢GBC。1回戦はその所沢GBCとの対戦でした。
 初回、2点を先制し、その裏4点を返されるも、5回まで7対5と追いつける点差にいました。過去2度の対戦はいずれも5点以上の点差で負けており、負けたくなかった試合。しかし6回裏に8点失点し、15対5で7回コールド負け。練習試合を重ね、昨年と比べてチームの成長を感じていただけに、コールド負けはショックでした。
(写真:試合前のミーティング)
 試合後のミーティングで大塚監督から言われた言葉は、「最低の試合」でした。
 「確かに去年よりもよくなったと思う。でも、今のままでは相手と競り合えるのは5回まで。小さいミスが多すぎるし、気持ちも弱すぎる」
 「ノックでもあんなところに打たんぞ」と安藤コーチが言うくらいイージーなゲッツー確実の打球を、セカンドベースへのトスの位置が、左手に構えるグローブの方向ではなく右腕の方向にあがったため、セカンドの補球体制が崩れ、ファーストへの送球がワンバウンドになり、一塁がセーフになるプレーもありました。確実に三塁を狙える打球だったのに、自分の判断で二塁に止まってしまったりと、記録には残らないミスが数え切れないほどありました。
 「よくミスを取り返せとか、ミスを取り返すために頑張りました、とかっていうのをよく聞くけど、ミスは取り返せんのやぞ。ひとつのミスで逃したチャンスは、絶対戻ってこない。ミスはミスや」
 少しのミスで全体的に気落ちしてしまう気持ちの弱さも指摘されました。試合中もミスのあと元気がないチームを見て、監督とコーチが「こいつらはホントすぐに元気がなくなるなぁ」と顔を見合わせて苦笑いしていました。
 「精神力をもっと強くしろ、とは言わない。精神力が強いとか弱いとか言うけど、精神力が強いヤツなんておらん。弱いから練習するんやろ」
 安藤コーチからは、試合に備える準備のなさを指摘されました。
「お前らには準備っつーもんがない。試合前のシートノックでちょっと強い球飛んできたからって横によけてて、本番になってボール取れるか? 試合に対する準備ができてないだろ。きちんと準備をしろよ」
 こんな負け方をするはずじゃなかった、でもこんな負け方をする力しかないと思い知らされた。悔しさや情けなさで、試合後はみんなの気持ちがフリーズしてしまったようにも感じました。

 この後、行われた第3代表決定戦では、平日開催ということで学生中心の少ない人数ながら快進撃を見せ、3試合に勝利し、準決勝まで進みましたが、第3代表になることはできませんでした。
 今週末はクラブ対抗選手権の埼玉県予選があります。第1、2代表が南関東予選に駒を進めることができます。企業チームが出場しないこの大会は、クラブチームにとってはまたとない全国大会出場のチャンスです。
 都市対抗予選の反省を生かし、また頑張りたいと思います。


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広瀬明佳(ひろせ・さやか)
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!

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