GW真っただ中の5月4日、千葉県の強豪thousandleavesと練習試合をしてきました。
 毎年恒例となっているGWのthousandleavesとの試合は、06年は20対1で大敗、07年は8対5で勝利で、一応星の上ではタイです。
(写真:試合会場は市原臨海球場)
 この日の試合は、今年仕事の都合でなかなか参加できていなかった監督の大学の後輩、仙田が参加。ほぼベストメンバーとなりました。
 久しぶりに来た仙田に、監督が言いました。
 「久しぶりやけど、動けるか?」
 「はい!」
 「そうか」
 その返事を聞いた監督は、仙田を3番におきました。

 5回表、4点差を追う先攻の我がチームは、2番、3番の出塁で1アウト1、2塁となり、打席には4番。センターオーバーのヒットを打ちました。
 この勢いをどんどんつなげていきたいとばかりに盛り上がるベンチの中、監督は仏頂面に腕組みをしてとても不機嫌そうです。
 「なんで仙田は2塁におんねん」
 グラウンドに目を移すと、先ほどのヒットで3塁に来ることもできたはずの仙田が、なぜか2塁にいます。

 続く5番新井がセンター前ヒットを打ち、仙田が3塁を蹴りました。その時点ですでにセーフになるかどうか微妙なタイミングでしたが、サードコーチャーの腕がぐるぐるまわっていたこともあり、仙田はホームへ突っ込みました。しかし判定はアウトでした。
 ヘルメットを脱ぎながら、「ダメだった〜」というような顔でベンチへ戻ってきた仙田に監督が言いました。
 「なんでお前2塁におんねん」
 「……」
 「あのヒットは3塁に来れるヒットやろ」
 「はい」
 「あの当たりで2塁におったら(ホームに)かえってこれへんで」

 試合は10対4で負けてしまいましたが、監督の不満は、負けたことに以外にあるようでした。

 「お前らこの試合があるって聞いたの何日前や? 2週間以上前やろ。この試合に向けて、ちゃんと調整してきたか? 試合始まる前、仙田に動けるか?って聞いたけど、はい、って言うからにはそれなりのスイングしろよ。あの走塁だってそうや。頭の中もちゃんと準備しておくべきやろ」
 その言葉を聞いて、以前監督が言っていたことを思い出しました。
 「プロもアマチュアもやってる野球は一緒や。野球をやっている年数とか、環境が違うだけで、大きな差はない。その中でも差を探せ、って言うんやったら、きっと準備する能力と先を読む能力の差やろな。それくらいや」
 これから公式戦が続きます。来月の予定まで伝えてあるのだから、準備はできるはずです。ひとりひとりがきちんと調整し、1試合ごとに成長していけるチームでありたいと思っています。

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広瀬明佳
福島県郡山市出身。母がソフトボール、兄が野球をやっていたことから中学・高校時代ソフトボール部に所属。大学時代軟式野球サークル。前職での仕事をきっかけに初めて硬式野球の道へ。現在、埼玉県内の硬式野球クラブチームに所属。チームの紅一点として奮闘中!

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