日本には2つのプロ野球独立リーグが存在する。四国・九州アイランドリーグとベースボール・チャレンジ(BC)リーグだ。
 アイランドリーグは現役時代、西武黄金期のチームリーダーだった石毛宏典氏が発案し、05年に日本初のプロ野球独立リーグとしてスタートした。昨年までは愛媛マンダリンパイレーツ、香川オリーブガイナーズ、高知ファイティングドッグス、徳島インディゴソックスの四国4球団でリーグ戦を行っていた。
 一方、BCリーグは石川ミリオンスターズ、信濃グランセローズ、富山サンダーバーズ、新潟アルビレックスBCの北信越4球団で昨年、開幕を迎えた。

 どちらのリーグも球団は、NPB(日本プロ野球組織)やメジャーリーグを目指す若者を中心に25名前後の選手で構成されている。監督・コーチ陣はNPBの経験者。
 アイランドリーグでは広島で代打の切り札だった西田真二(香川監督)や、定岡三兄弟の長男・智秋(高知監督)、BCリーグでは、左の巧打者として活躍した金森栄治(石川監督)、日本ハムで1年目に投手部門のタイトルを総なめした木田勇(信濃監督)らが指導を行っている。

 選手の給料は月給にして10万円〜20万円といったところ。億単位の年俸を得られるNPBやMLBの選手たちとは大違いだ。練習環境も恵まれているとは言い難い。
 しかし、NPBとのレベル差は給料の違いほどにはない。アイランドリーグは3年間で既に育成選手も含め、11名のNPBプレーヤーを輩出した。この3月には香川に所属していたMAX150キロ右腕の松尾晃雅がボストン・レッドソックスとマイナー契約を結んだ。今後もNPBを飛び越え、一気に海を渡る選手が出てくる可能性を秘めている。

 NPBとの交流試合も活発に行っており、ほぼ互角の戦いを演じている。一昨年の秋には松山でキャンプを張っていた東京ヤクルトに連勝し、古田敦也選手兼監督(当時)をして「完全なる完敗。防戦一方でこてんぱんにやられました。アイランドリーグのレベルの高さを改めて実感しました」と言わしめた。
 BCリーグでも初年度ながら、内村賢介(元石川)が東北楽天から育成指名を受けた。

(つづく)

<この原稿は2008年5月20日号『経済界』に掲載されたものです>
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