8日にさいたまスーパーアリーナで開催された「戦極 第三陣」の一夜明け会見が9日、都内ホテルで行われた。会見には吉田秀彦(吉田道場)や菊田早苗(GRABAKA)など試合に勝利した7選手(ファビオ・シウバは帰国時間の都合上欠席)が出席した。モーリス・スミス(モーリス・スミス・キックボクシングセンター)を相手に、約2年ぶりの勝利を上げた吉田は、「うれしい反面ほっとして、精神的に楽になった」と語った。
(写真:第三陣で勝利した日本人3選手。左から菊田、吉田、三崎)
 吉田はモーリス・スミスの自慢の打撃を被弾することなく、わずか153秒で袈裟固めを極めタップを奪った。「ダメージがないので、打診があれば第四陣(8月24日、さいたまスーパーアリーナ)も参戦したい」という吉田の言葉は、近い将来、開催が噂されるヘビー級トーナメントを見据えている様子だった。

 第三陣唯一の判定決着ながらローガン・クラーク(ミネソタ・マーシャル・アーツ・アカデミー)に勝利した三崎和雄(GRABAKA)は、「ファンの期待に応えられなかったが、精一杯戦った。パンチはヒットしたが相手の勢いが止まらず、戦極の選手のレベルの高さを感じた」と振り返った。三崎は、クラーク戦で左足首の靱帯を断裂し、トレーニング再開まで一ヶ月はかかる見込みだ。
 さらに、「PRIDE.33」(2007年)で敗北を喫したフランク・トリッグ(RAWチーム)の第四陣参戦について触れ、「体調を万全にしてすぐにでも戦いたい。負けて悔しい思いをしたので今度は勝つ自信がある」とトリッグとの対戦に意欲を見せた。

 そして、菊田はクリス・ライス(チーム・トロージャン)から腕ひしぎ十字固めで一本を奪い、約1年半ぶりのリングを勝利で飾った。一夜明けて、「調整できなかったなりに結果を残せた」と満足げな表情を浮かべた。さらに菊田は、「戦極の舞台でグラップリングのトップ、グレイシー柔術やブラジリアン・トップチームの選手と戦いたい」とグラップラーの強豪との対戦を熱望。具体的な希望相手にヘンゾ、ホイス、ホジャーというグレイシー一族の実力者の名を挙げた。特に、「10年前に50分戦って負けた選手なのでリベンジしたい」と、「PRIDE.2」で苦汁を飲まされたヘンゾ戦にはひときわ強い意欲を見せた。
 寝技主体の総合格闘技集団「GRABAKA」の首領で、寝技世界一決定戦といわれるアブダビコンバットでの優勝(01年、88kg未満級)経験もある菊田は、世界屈指の寝技スペシャリスト集団グレイシー一族から勝利を収めることができるか。戦極のリングで寝技頂上決戦が実現するかもしれない。

 また、第四陣ではライト級トーナメントが開催されることが発表され、北岡悟(パンクラスism)や光岡映二(和術慧舟會RJW)ら5選手の出場が決定した。このトーナメントの勝者には、同階級の第一人者である五味隆典(久我山ラスカジム)への挑戦権が与えられる。

 今後の「戦極」大会日程は以下のとおり。 

「戦極〜第四陣〜」
2008年8月24日、さいたまスーパーアリーナ
開場14:30 開始16:00
【出場予定選手】
五味隆典(久我山ラスカルジム)

〔ライト級トーナメント出場予定選手〕
北岡悟(パンクラスism)
光岡映二(和術慧舟會RJW)
横田一則(GRABAKA)
ドゥエイン・ラドウィッグ(ハイ・アルティチュード)
ホドリゴ・ダム(アライアンスBJJ)

「戦極〜第五陣〜」
2008年9月28日、国立代々木競技場 第一体育館