先週のバレンタインデー。東京では2月と思えない24度という気温を記録しました。これで一気に季節は春になるのかと思いきや、今週は一気に真冬に逆戻り。昨晩は関東平野部でも雪が降る可能性があったというのですから、体調を崩す人が続出するわけです。
 さらに、先週からは本格的に花粉のシーズンが始まったようです。私は幸い、その症状は出ないタイプの人間ですが、マスクを片時も手放せない方々には辛い時期が続くのでしょう。

 さて、今週は寒かったとはいえ、そろそろ冬も終わりに近づいています。ゆく冬を思うと、今年はなにかをやり残しているような気がします……。そう、“雪山にすべりに行っていない”のです。ここ何年かは必ず1度はスノーボードをしていたのですが、08−09シーズンはまだリフトに乗っていません。2月末から3月のスケジュールを見ても、週末は取材の予定が詰まっており、初滑りというわけにはいかなそうです。

 しかし、今年は滑りこそしていないものの、雪山には行っているんです。しかも、ちゃんとゲレンデに行きました。何をしに行ったのか。それはスノーボードの青野令選手の取材にうかがったのです。

 実はこれが、非常に厳しい日程でした。

 なぜなら「所要時間20時間、総移動距離1050km。すべて陸路。しかも日帰り」……。

 とある日のAM4時に起床。最寄り駅からAM5時発の上り始発電車に乗りました。終着駅から山手線に乗り継ぎ、人影まばらな東京駅に着いたのはAM6時前。東京駅から朝2本目の新幹線に乗り、スキー場の最寄り駅まで向かいます。

 そこからの交通手段は、レンタカーです。駅からゲレンデまでの距離は90km強。果たしてこれは最寄り駅と言えるのかどうか……。取材日は運の悪いことに、地元の人も驚くほどの大荒れの天気。吹雪いていました。スキー場に車で出かけた経験はあるとはいえ、生粋の関東育ちの私にとって、雪はあまり慣れたものではありません。

 吹雪の一般道とチェーン規制のかかる高速を2時間半かけて走行。場所によっては高速でも30km/h以下で走るような豪雪区間もありました。やっとの思いでゲレンデに到着したのはAM11:00。目が覚めてから約6時間、ようやく目的地に到着しました。
(写真:ゲレンデを滑るボーダーたち、楽しそうです)

 到着後はまず、ゲレンデで青野選手の滑りを撮影しました。そこでの成果は週明け月曜日に最終回を迎えるFORZA SHIKOKUをご覧下さい。トップページに掲載する予定の写真は、一番の自信作です。天気が少し悪かったのが玉にキズですが、彼のダイナミックなエアーがばっちり写っています。

 ただ、当日の現地気温は−7℃。ブーツを履いて出かけたものの、スキーウェアでなかった私にはきつい寒さでした。これは大きな反省材料になってしまいました。

 続いてスキー場内のレストランで青野選手への単独インタビューを敢行。有意義な話をたくさん聞けました。18歳の世界王者は、練習後で疲れているにも関わらず、丁寧に話をしていただきました。しっかりとした意志を持って、大きな目標に進んでいる青野選手。今後もしっかりと動向を追っていきます。

 さて、取材も終わると、当然のことながら、今度は逆の行程を帰っていきます。しかし、雪山も一度走ってしまえばこっちのもの。帰りは行きよりもスムーズな運転、2時間でレンタカーを返却しました。新幹線に乗る駅ではご当地グルメに舌つづみを打ち、一路東京へ。帰りの新幹線ではドロのように深い眠りに就きました。

 我が家に戻ったのはAM0:30。
 合計20時間半の壮絶なひとり旅でした。

 体力的には疲れたものの、大変充実した一日を送れました。
 しかしながら、スキーウェアを持たずにゲレンデに行ったのは無謀でした。

“自分が滑らなくても、スキーウェアは忘れずに”
 来シーズンからの教訓にしたいと思います。

(A.O)
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