「オッケー!!」
 WBC1次ラウンドが行われた東京ドーム。ビックリして後ろを振り向くとテレビのブースで古田敦也さんが絶叫中。古田さんは中継に入っていない場面でも「さぁ、点とっていこう!」と応援していました。本当に素だったんですね〜。というわけで今回は、東京ラウンドの全試合を取材しての知られざる?舞台裏をご紹介しましょう。
(写真:取材に使った資料いろいろ)
【所変われば記者変わる】

 今回のWBC取材陣は日本メディア7割、韓国メディア2割、その他のメディア1割といった比率。プレスルームは、試合前からいろいろな言語が飛び交いました。せっかくなのでうまくコミュニケーションをとろうと、「この席、空いてますか?」といった使えそうな言葉は英語、韓国語、中国語と調べていきました。ところが、言葉が通じると思われたようで、返事は「○△※◇×」。全く理解不能……。仕方なく「I can't understand ○○」と答えると、“なんだよ”と迷惑そうな顔、顔、顔。何事も中途半端はよくありません。

 そうこうしているうちにプレーボール。国際大会だけに、勝っているチームの記者と、負けているチームの記者の雰囲気は対象的です。ただ、その感情の出し方は国・地域によって、大きく違いました。

 基本的に日本のメディアは、どんな状況でも冷静を装っています。「ここで、××を出すべきだろ〜!」とブツブツ言ってはいますが、勝っても負けても淡々と仕事をこなしている感じです。一方、韓国メディアは回を追うごとに俄然、盛り上がり始めます。特に1−0で韓国が勝った日本戦ではピンチを切り抜けるたびに「よしっ」という声が大きくなり、最後は拍手にガッツポーズ。現地レポートをしているのか、いきなり大声で話し始める記者もいて、少々ビックリしました。

 そして台湾メディアは最初から興奮状態。ヒットを打つたびに「ワー」と歓声が上がり、失点すると「何やっているんだ!」とばかりにお怒りモードに突入です。今回は中国に敗れたこともあり、会見ではかなり厳しい質問が飛んでいました。「今回のチームはヤル気が感じられませんが、どうしてでしょうか?」などなど。日本ではちょっとあり得ない質問ですね。

【所変わっても食変わらず】

 今回のWBCは1日2試合が組まれていた日もあり、午前中から23時過ぎまで東京ドームに缶詰めということも。腹が減っては戦はできぬ。試合や練習の合間にドーム内の売店などへ食料調達に出かけることがよくありました(本当はプレス用食堂のカツレツがおいしいのですが、今回はお休みで残念……)。

 プレスルームでは肉まんをほうばる中国メディアの人もいれば、持参してきたのかタッパーに入った大根キムチをカリカリいわせている韓国メディアの人もいました。やはり、自国の料理が一番なのかと思いきや、万国共通でよく食べられていたのは、ファーストフードのハンバーガー。仕事をしながら食べるには最適の一品です。

 もちろん、これには理由があって、スポンサードをしている大手チェーンから500円分の商品券が報道陣に配られていました。僕も連日、お世話になったおかげで、結構、取材で動き回ったにもかかわらず、まったく体重が減らない……。僕にとってのWBCはワールド・ベースボール・クラシックというより、ウエイト・ブクブク・ちょいメタボになってしまいました(涙)。

 でなわけでWBCもいよいよ大詰めです。連覇まではあと2勝。夜型から朝方生活に切り替え、試合の見どころからレポートまで、余すところなくお届けします。ここまで来たら勝ってくれ、サムライジャパン!

(H.I.)
◎バックナンバーはこちらから