WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝ラウンドが日本時間22日、スタートし、準決勝ゲーム1は韓国代表がベネズエラ代表を10−2で破り、初の決勝進出を決めた。韓国は初回、相手のミスにつけこみ、インディアンスに所属する秋信守の3ランなどで一挙5点。その後も着々と得点を重ね、大勝した。日本と米国の準決勝ゲーム2は23日に行われる。
◇準決勝
 尹、7回途中2失点の好投
韓国代表    10 = 520102000
ベネズエラ代表 2 = 001000100
(韓)○尹錫ミン−鄭大ヒョン−柳賢振−鄭現旭−林昌勇
(ベ)●シルバ−ゴンザレス−ザンブラーノ−グラナド−V.モレノ−バスケス
本塁打  (韓)秋信守1号3ラン、金泰均3号2ラン
       (ベ)ギーエン3号ソロ

 ベネズエラにとっては初回の落球がすべてだった。そのミスを逃さなかった韓国が最高の勝ち方で決勝にコマを進めた。

 ベネズエラの先発は制球の良いカルロス・シルバだった。しかし、韓国のトップバッター李容圭がフルカウントからボールを見極め出塁を果たす。続く鄭根宇の打球はライト前へ。ライトのボビー・アブレイユは1度グラブに収めながら、これをポロリと落としてしまう。1塁走者を刺そうとした2塁への送球もショートがこばし、オールセーフ。もらった無死1、2塁のチャンスにすかさず金賢洙がレフト前へ流し、韓国が1点を先行する。

 さらに金泰均のヒットで満塁として、李大浩のピッチャーゴロで1点を追加。なおも2、3塁から秋信守がセンターのフェンスを越える3ランを叩き込んだ。これで5−0。当たりのなかったメジャーリーガーの一発で韓国はこれ以上ない先制パンチを浴びせた。

 初回のダメージで緊張の糸が切れてしまったのか、ベネズエラは2回も4番・金泰均に2ランを許す。4回は1死1、2塁でキャッチャーが1塁への牽制を悪送球。ファーストの捕球も緩慢でやすやすと2塁走者の生還を許した。結局、大会ワーストとなる1試合5失策。自滅ともいえる形で敗れ去った。

 投げては韓国先発の尹錫ミンが低めを突く丁寧な投球をみせた。打つしか策がなくなったベネズエラの淡白な攻めにも助けられ、中盤は3人ずつで相手の打線を切ってとる。7回途中を7安打2失点の内容でスターターの役割を充分に果たした。守りもセンター前へ抜けようかという当たりをショートが好捕するなど、スキがなかった。

 終盤は大量リードながら、左の先発要員・柳賢振、抑えの林昌勇を起用する完璧な投手リレー。あらためて投打のバランスの良さをみせ、前回大会は越えられなかった準決勝の壁を突破した。これで五輪に続く世界制覇にあと1勝。決勝は日本を2度倒した左腕の奉重根の先発が予想される。

【今後の日程】 ※日時は日本時間
準決勝2 日本米国 23日(月) 9:00
決勝    韓国準決勝2の勝者 24日(火)10:30