7日、サーパス(オリックス2軍)と徳島インディゴソックスの交流試合が神戸・あじさいスタジアムで行われた。徳島は初回に2点をすると打線が爆発。いずれもアイランドリーグの対NPB交流試合最多となる15安打13得点の猛攻をみせ、13−2で大勝した。徳島は単独チームで初めてNPB球団に挑み、初勝利。

 福永、ソロ含む猛打賞の活躍
徳島インディゴソックス 13 = 220036000
サーパス           2 = 000010100
[徳] 角野−○片山−渡邊−安里−森−竹原−小林
[サ] ●町−阿部−松村−柴田誠−鴨志田−梅村
本塁打 [徳]福永ソロ、西村2ラン
      [サ]長田ソロ

 前期シーズンは借金17で3期連続のリーグ最下位。チーム打率.215、総得点149はリーグワースト。リーグの中で苦悩が続くチームが初の対NPB戦でダイヤモンドを縦横無尽に駆け回った。

 初回、先頭の山口寛史がヒットで出塁すると、バントで送って1死2塁。3番・西村悟は三振に倒れたが、4番・小松崎大地がファーストストライクを打って、レフト前へタイムリーを放つ。なおも5番・福永泰也、6番・李鐘煕がヒットで続き、この回2点。徳島が幸先よく先制する。
 2回も相手のミスにつけ込んで2点を追加。3、4回は阿部健太(愛媛・松山商業出身)に抑えられたが、中盤、徳島打線が一気に爆発した。

 5回、サーパスの3番手・松村豊司の代わりばなをとらえ、先頭の福永がライトへソロを放つ。なおもヒットを四球で1死満塁と攻めたて、1番・山口がタイムリー。さらに押し出しで加点し、7−0と大量リードを奪った。
 さらに6回は前の打席で本塁打を打っている福永がセンターオーバーの2塁打で出塁。相手のバッテリーミスで難なく1点をあげると、2打席連続となる山口のタイムリーなどで2点を追加した。
 そして、前期シーズンはケガで苦しんだ西村がとどめを刺す。2死1、3塁で豪快なアーチを描き、3ランでこの回、計6点。03年ドラフト2位右腕の柴田誠也を完膚なきまでに打ち砕いた。

 投げても前期の防御率4.53とリーグ最下位だったインディゴ投手陣が結果を出した。エース復活を期す先発・角野雅俊が2回をパーフェクトで乗り切ると、2番手のルーキー片山正弘も2回を無失点に抑える。その後も小刻みな継投でサーパス打線を散発の7安打2点に封じ、大勝劇をアシストした。

 アイランドリーガーの平均年収は約200万円。今回、サーパスで出場した選手ではロッテから移籍した平下晃司の2000万円(推定)が最高年俸だ。いずれにしても支配下登録選手は440万円の年俸が保障されており、リーグの選手より待遇がはるかに恵まれていることは間違いない。
 しかし、サーパスの試合内容は少なくとも年俸に見合った働きとはいえないものだった。エラーやバッテリーミスで簡単に得点を許し、ムダな四球も多かった。NPBの側からみれば、リーグ戦の勝敗には関係なく、交流試合は単なる練習試合の1つなのかもしれない。出番の少ない若手選手を試したいという気持ちもわかる。

 ただ、アイランドリーグ勢の対NPB3連勝という結果は、リーグの成長以上に、NPBの現状に疑問符をつけたくなる。アイランドリーグより充実した環境で練習を行いながら、年俸が半分以下の選手たちにあっさりと敗れる。これは、NPBの育成システムが決してうまく機能していないことを示唆しているのではないか。
 近鉄とオリックスの合併でウエスタンリーグの球団が減り、東北楽天の誕生でイースタンリーグは1球団増加した。奇数同士で試合スケジュールが組みにくくなり、実戦経験を豊富に積ませられないという悩みが現場にはあると聞く。ならば、アイランドリーグや北信越BCリーグへの選手派遣など、野球協約を超えた柔軟な対応も必要になるだろう。

 アイランドリーグの選手たちはNPBを第一目標に戦っている。彼らに更なる成長を促すためにも、日本野球の未来のためにも、NPBは高いレベルをみせつけ、厚い壁として立ちふさがってほしい。

太陽石油はアイランドリーグのオフィシャルスポンサーです[/color][/size]