坂本&唐川、10代選手の活躍に期待! 〜プロ野球〜

 開幕戦から白熱した試合が続いているプロ野球はGWも見どころ満載。なかでも10代選手の活躍が期待できそうだ。
 現在、阪神が首位に立つセ・リーグだが、今、最も注目されているのは巨人では松井秀喜(ヤンキース)以来、実に14年ぶりとなる10代で開幕スタメンを果たした坂本勇人だろう。
(写真:プロ入り2年目で開花した巨人・坂本勇人)
 チームは首位・阪神と5.5ゲーム差(25日現在)をつけられ、4位に甘んじているが、坂本のバットからは連日、快音がこだましている。現在、打率.306、2本塁打、打点11。得点圏打率は5割を優に超える。現在は1番を任されている坂本だが、今すぐに3番を任せられるのでは、と思えるほどの好調ぶりだ。

 開幕5連敗を喫し、低迷していた巨人だが、25日には今季初の4連勝と、いよいよエンジンがかかってきた。その要因の一つには、この坂本の活躍が挙げられる。23日の東京ヤクルト戦では貴重な決勝打を放つと、翌日にはプロ初の4安打をマークした坂本。今のところ苦手意識をもつ球団、投手はいないようだ。

 高校時代から得意だったという内角打ちは、6日に放ったプロいり第1号満塁弾に代表されるように、19歳とは思えないほど卓越している。本人に言わせれば「無理やりにでも芯に当ててしまう」のだそうだ。

 他球団もこのまま坂本にやられてばかりではいられないだろう。若手が一度勢いがつくと、止められなくなる。それだけに、しっかりと対策を練ってくるはずだ。果たして、坂本はこのGWを好調のまま乗り切ることができるのか。

 一方、開幕前の大方の予想通り、混戦状態のパ・リーグは首位の埼玉西武と4位の東北楽天までのゲーム差はわずか1.5。下位に低迷している福岡ソフトバンク、オリックスもそれぞれ投手、打線が本来の実力を発揮すれば、上位に食い込む可能性は十分にある。

 パ・リーグには無傷の4勝を挙げているダルビッシュ有(日本ハム)をはじめ、涌井秀章(西武)、成瀬善久(ロッテ)、岩隈久志、田中将大(ともに楽天)……と日本球界を代表する投手陣がズラリと並ぶ。

 さらに打撃では昨季、本塁打王、打点王の2冠に輝いた40歳ベテラン・山崎武司が今季も絶好調。25日現在、打率.388、19打点、7本塁打。打率はセ・パ両リーグあわせて堂々のトップに君臨している。GWも外国人選手にひけをとらない豪快な一発をファンも期待していることだろう。

 しかし、最大の注目点は23日に1軍に昇格したばかりの唐川侑己(ロッテ)だ。昨秋の高校生ドラフト会議で中田翔(日本ハム)、佐藤由規(ヤクルト)とともに“ビッグ3”の異名をとり、プロ入りした高卒ルーキーである。

 しかも、対戦相手のソフトバンクの先発は年齢差はあるものの、同じ1年目の大場翔太だ。両者ともに千葉県内の高校出身でプロ入り前、一緒に練習したこともあるという間柄だ。ここ2試合、勝ち星のない大場だが、同じルーキーとはいえ4歳下の唐川には負けられないという気持ちは強いはず。4月5日のロッテ戦(4安打16奪三振完封)のような豪快なピッチングを期待したいところだ。

 150キロ超の剛速球が自慢の鉄腕・大場と天性の柔らかさをもち、キレで勝負する唐川。 まさに“剛vs.柔”と対照的な2人の投げ合いは絶対に見逃せない。

4/26(土)〜27(日)
<セ・リーグ>
 東京ヤクルト − 中日 (神宮)
 横浜 − 広島 (横浜)
 阪神 − 巨人 (甲子園)
<パ・リーグ>
 東北楽天 − 北海道日本ハム (クリネックススタジアム宮城)
 埼玉西武 − オリックス (西武ドーム)
 福岡ソフトバンク − 千葉ロッテ (ヤフードーム)

4/29(火)〜5/1(木)
<セ・リーグ>
 巨人 − 広島 (東京ドーム)
 中日 − 横浜 (岐阜、ナゴヤドーム)
 阪神 − 東京ヤクルト (甲子園)
<パ・リーグ>
 埼玉西武 − 福岡ソフトバンク (西武ドーム)
 千葉ロッテ − 北海道日本ハム (千葉マリン)
 オリックス − 東北楽天 (京セラドーム、スカイマーク)

5/2(金)
<パ・リーグ>
 北海道日本ハム − 東北楽天 (札幌ドーム)
 千葉ロッテ − 埼玉西武 (千葉マリン)
 福岡ソフトバンク − オリックス (ヤフードーム)


 松井秀.vs小林雅の対決は? 〜メジャーリーグ〜

 開幕してほぼ1カ月が経ったメジャーリーグでは現在、16名の日本人選手がプレーしている。開幕戦で起死回生の同点弾を放ち、衝撃デビューを飾った福留孝介(カブス)が打率.338と好調をキープ。また3年ぶりに復活マウンドに立った野茂英雄がロイヤルズから戦力外通告を受けた一方、同じく3年ぶりにメジャーに戻ってきた藪恵壹(ジャイアンツ)が2勝をマークするなど、連日話題に事欠かない。

 日本のGW期間中では、この週末(26日〜)からクリーブランド・インディアンスとニューヨーク・ヤンキースの4連戦が行われる。インディアンスのリリーバー、小林雅英とヤンキースの4番に座る松井秀喜の対決は実現するか。対戦が実現すれば、日本、メジャーも含めて公式戦では初顔合わせとなる。

 また30日からインディアンスはシアトル・マリナーズを本拠地に迎える。ここでは小林とマリナーズのイチロー、城島健司との日本人対決も見られるかもしれない。25日現在、イチローは打率.260、城島は打率.200と、まだエンジンがかかっていない。イチローは例年、5月に入って調子を上げてくるタイプだけに、これからの固め打ちに期待だ。

 投手陣ではインフルエンザにかかり、24日の先発登板を回避した松坂大輔のピッチングが気にかかる。早ければ30日の本拠地でのトロント・ブルージェイズ戦に登板する予定。ここまで4勝負けなしと結果を残しているが、自身の連勝を伸ばせるか。

 もうひとりの日本人スターター、ドジャースの黒田博樹は26日のコロラド・ロッキーズ戦に先発する見込みだ。1勝2敗と黒星が先行しているが、いずれも自責点は3点以内にとどめており、内容は悪くない。ドジャースはチーム総得点が95点と低く(リーグワースト4位)、打線の援護が欲しい。


 北京切符は誰の手に!? 鈴木は連覇に意欲 〜全日本柔道選手権〜

 体重無差別で日本一の座を争う柔道の全日本選手権が4月29日、東京・日本武道館で開催される。全国10地区を勝ち抜いた精鋭に、昨年、2年ぶりの優勝を果たした鈴木桂治(平成管財)、準優勝の石井慧(国士大)、昨年9月の世界選手権無差別級と2月のドイツ国際を制した棟田康幸(警視庁)の推薦3名を加えた38名が頂点を目指す。
 今夏に行われる北京五輪100キロ超級代表の最終選考会も兼ねており、代表入りをかけた熾烈な争いが予想される。

 最大の注目は、棟田康幸(警視庁)、石井慧(国士大)、井上康生(綜合警備保障)、高井洋平(旭化成)による100キロ超級の代表争いだ。
 シドニー五輪柔道男子100キロ級金メダリストの井上は、昨秋の世界選手権で5位、2月のフランス国際でも敗れるなど代表選考の国際試合で結果を残せなかった。4月初旬の全日本選抜体重別選手権では、代表争いでリードする棟田を準決勝で下し、決勝では生田秀和(綜合警備保障)に一本勝ちで優勝を飾ったが、五輪代表への道は依然として厳しい。順当にいけば準々決勝でグルジア国際優勝の高井と対戦することになる。昨年の選抜体重別で敗れている相手だけに、最初の大きな山場といえそうだ。「オール一本勝ち」などの強烈なアピールで可能性にかけたいところだろう。
 勝ち上がれば、準決勝で100キロ級時代からの最大のライバルである鈴木と対戦する可能性が高い。対戦成績は3勝3敗1分けの五分。井上、鈴木ともに全日本選手権は最後と位置付けているだけに、対戦のチャンスも今回が最後となるかもしれない。

 昨年9月の世界選手権無差別級と2月のドイツ国際で優勝し、石井、井上との代表争いで一歩リードする棟田だが、全日本選手権はここ数年、ベスト4にも進めていない。やはり「勝って代表入り」への思いは強いだろう。順当であれば、準決勝で石井と対戦する。スタミナに自信を持つ石井と判定勝負になればやや分は悪いか。一本勝ちすれば、代表入りに大きく前進する。

 昨年、最年少優勝を果たした石井は、怪我で選抜体重別を欠場しているだけに、回復具合が気になる。2月のオーストリア国際優勝、3月のカザフスタン国際ではオール一本勝ちで優勝と、国際大会での実績は棟田に次ぐだけに、直接対決に勝利してアピールしたいところだ。

 100キロ級ですでに代表入りを決めている鈴木は、「超級は超級の争い。僕は優勝しか見ていない」と連覇に意欲を燃やす。順当であれば準決勝で井上、勝利すれば、決勝の相手は石井×棟田の勝者となるだろう。北京五輪での金メダルへ向け、まずは日本国内で頂点に立ち、弾みをつけたい。

「五輪や世界選手権よりも優勝するのが難しい」とも言われる柔道最高峰の舞台。熾烈なトーナメントを制するのは、さらには100キロ超級の五輪切符を手にするのは誰か――。

<柔道全日本選手権>
4月29日(祝・火)午前11時開始(10時開場) 、日本武道館


 今後を占うGW4連戦 〜Jリーグ ディヴィジョン1〜

 J1リーグはACL予選に参加している鹿島とG大阪を除き、GW期間中に4試合が行われる。

 4月25日現在の首位は、ストイコビッチが監督に就任した名古屋だ。今季は攻守にオーガナイズされたサッカーでJリーグに新風を吹き込んでいる。右サイドハーフの本田圭佑がオランダ1部リーグVVVフェンロに移籍して戦力低下が心配されたが、川崎フロンターレから加入したMFマギヌンが余りある活躍を見せている。

 その名古屋を勝ち点3差で追いかけているのは鹿島だ。序盤こそ抜群の安定感で連勝を重ねていたが、ここにきてACLとの連戦からくる疲れか、リーグ戦では2試合連続で勝ち星から遠ざかっている。以下、3位にはF東京、4位は横浜FM、5位には浦和がつける。昇格組では京都が8位と健闘している。

 一方、下位を見ると千葉、新潟、清水などは苦戦を強いられている。特に千葉は今季リーグ戦でまだ勝ち星がなく、GWの4連戦を機になんとか上昇のきっかけを掴みたい。

 連休前半の注目カードは、名古屋対川崎(29日、瑞穂陸)だ。川崎はまだ波に乗り切れていないが、両チームともに爆発力のあるチームだけに好ゲームが期待できる。関塚隆監督の体調不良による辞任に伴い、高畠体制初陣となる川崎は果たしてどんなサッカーを見せてくれるのか。

 前節、浦和と引き分けた7位の大宮は27日に鹿島、30日にG大阪と、強豪クラブとの連戦になる。ここをしのぎきって今の位置をキープしたい。個人としてはFC東京の大竹洋平に注目だ。前節の川崎戦では途中出場ながらキレのあるプレーで相手DFを翻弄、1ゴール1アシストの活躍をみせた。18歳ながら急遽U-23日本代表に招集されたテクニシャンは一見の価値がある。

 短期での連戦(11日間で4試合)ではチームの総合力が問われるだけに、各チームの特長が表れやすい。超攻撃型チーム同士の打ち合いや、堅守を誇るチーム同士のカウンター合戦など面白い試合に出会えるかもしれない。GWは近くのスタジアムに足を伸ばしてみてはどうだろう。

◇第8節
・4月26日(土)
清水−F東京(13:00、日本平)
札幌−新潟(13:30、札幌ド)
東京V−名古屋(14:00、味スタ)
大分−横浜FM(14:00、九石ド)
京都−浦和(16:00、西京極)
千葉−磐田(19:00、フクアリ)
川崎−柏(19:00、等々力)

・4月27日(日)
大宮−鹿島(16:00、NACK)
神戸−G大阪(16:00、ホムスタ)

◇第9節
・4月29日(火)
柏−清水(14:00、柏)
磐田−京都(14:00、ヤマハ)
新潟−東京V(15:00、東北電ス)
浦和−札幌(16:00、埼玉)
F東京−大分(16:00、味スタ)
横浜FM−千葉(19:00、日産ス)
名古屋−川崎(19:00、瑞穂陸)

・4月30日(水)
鹿島−神戸(19:00、カシマ)
G大阪−大宮(19:00、万博)

 チェルシー、3度目の正直なるか 〜2007−2008欧州チャンピオンズリーグ〜

 欧州No.1クラブの座を争うチャンピオンズリーグ(CL)がフィナーレを前に盛り上がりをみせている。準決勝第1戦は過去4年間で3度目の対戦となったリバプール(イングランド)とチェルシー(イングランド)が1−1で引き分け、05‐06シーズン王者のバルセロナ(スペイン)と国内リーグとの2冠を狙うマンチェスターU(イングランド)の試合はスコアレスドロー(0−0)に終わった。GW期間中に準決勝第2戦が開催され、決勝(5月22日、モスクワ)に進出する2つのクラブが決定する。

 4月30日には、バルセロナがマンチェスターUのホームに乗り込む。バルセロナは第1戦では高いボール支配率を維持したものの、フィニッシュの精度を欠きゴールを奪えなかった。国内リーグではすでに優勝は困難な状況のためCLに照準を絞れることは大きな強みだ。エースのリオネル・メッシの復調をきっかけにシーズン無冠を回避したい。

「世界最高の選手」との呼び声高いC・ロナウドのPK失敗で貴重な勝利を逃したマンチェスターU。26日には、同じく2冠を目論むチェルシーとのリーグ戦の天王山に臨み、激戦は必至だ。連戦の疲れが心配されるが、敵地で引き分けた優位を生かし、優勝した1998−99シーズン以来10季ぶりに決勝の舞台に立てるか。

 5月1日には、チェルシーが本拠地で宿敵を迎え撃つ。04‐05シーズン、そして昨季とアンフィールド(リバプールの本拠地)では1−0で敗戦。22日の第1戦でも1点先行され「2度あることは3度ある」とサポーターが覚悟した試合終了間際、幸運な形で引き分けに持ち込んだ。アウェイゴールのアドバンテージを生かして過去2度の屈辱を晴らす。

 一方のリバプールにとっても正念場となる。後半ロスタイムのオウンゴールで勝ちを落とした。嫌なムードが漂うものの、キャプテンのスティーブン・ジェラードを擁し、過去2度の対決を制した自信を胸に「3度目の正直」を目指すチェルシーを返り討ちにできるか。

・4月30日
マンチェスターU−バルセロナ (3:45、オールド・トラフォード−マンチェスター)
・5月1日
チェルシー−リバプール (3:45、スタンフォード・ブリッジ−ロンドン)

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