18日、「バレーボール世界最終予選」(女子)が東京体育館で行なわれ、第2戦でプエルトリコと対戦した日本は、最後までリズムに乗り切れなかったものの、なんとか凌ぎきって勝利を手にした。
(写真:2連勝を果たした柳本ジャパン)

日本 3−1 プエルトリコ
(25−20、25−18、17−25、26−24)
「強打なのか難攻なのか……最後まで的を絞れなかった」
試合後の柳本晶一監督の言葉が全てを物語っていた。日本は一度も五輪に出場したことがなく、FIVBランキング19位という格下相手に終始とまどい、本来のスピードをいかしたプレーをすることができなかった。

(写真:日本の前に高い壁が立ちはだかった)
 第1セット、序盤から波に乗れない日本はプエルトリコのブロックに苦戦を強いられ、なかなかリードを奪うことができない。逆にプエルトリコにリードを奪われる場面もあったが、それでも終盤は攻撃にバリエーションをもたせることでブロックをかわし、流れを引き寄せた。そして最後は、前日のポーランド戦でマッチポイントを決めたMB大村加奈子が再びピンチブロッカーとして出場。またもベンチの期待に応えてブロックを決め、日本が第1セットを先取した。

 第2セット、日本は荒木絵里香、杉山祥子の両MBが奮闘。センター線が機能したことで大量リードを奪い、力の差を見せつけた。これで一気にストレート勝ちを収めるかと思われたが、ポーランド戦に続いて第3セットが鬼門となった。序盤は一進一退の攻防戦となったが、中盤には再びプエルトリコのブロックに捕まってしまう。WS栗原恵、MB杉山、WS木村沙織のスパイクが次々と高い壁にぶち当たり、自陣のコートにはね返った。

 こうした攻撃の悪いリズムが影響したのか、堅守を誇るL佐野優子がレシーブをミスする場面もあり、プエルトリコに6連続ポイントを奪われてしまう。なんとか悪いリズムから抜け出そうと、柳本監督はWS高橋みゆきに代えて代表初選出のWS狩野美雪を投入した。しかし、一向に流れは変わらず、最後はこの試合絶好調のWSカリーナ・オカシオに強烈なスパイクを決められ、第3セットを落とした。

 迎えた第4セットもMB杉山の速攻やWS高橋のスパイクが決まらず、スタートは決してよくなかった。しかし、中盤からWS高橋のストレートが決まり始める。実は第3セットの終盤にWS狩野と交代した際、ベンチから見ていた高橋は相手ブロックがクロスに重点を置き、ストレートコースがガラ空きだったことを発見していたのだ。
(写真:試合後の会見で第3Sでの気付きを語るWS高橋)

 高橋の活躍で波に乗りたい日本だったが、大事な場面でサーブを失敗するなどのミスも多く、プエルトリコを突き離すことができなかった。最後も24−23とマッチポイントを迎えながら、WS木村が痛恨のサービスミス。24−24と並ばれてしまう。それでもWS栗原、MB荒木のスパイクが連続で決まり、なんとか勝利を収めた。

 内容は決してよくなかったが、それでも勝ったことに変わりはない。この最終予選で最も重要なことは結果を出すことだ。苦戦を強いられても勝利につなげられたという点では、大きな意味を持つに違いない。
「強いものが勝つのではなく、勝ったものが強い」――今の柳本ジャパンには勝つ強さがある。それが示された試合でもあった。

 20日の第3戦では、カザフスタンと対戦する。同じアジア圏のチームだけに、絶対に負けられない試合だ。今日の反省点をどこまで修正できるか。柳本ジャパンの真の強さを見せてほしい。

(写真・斎藤寿子)