ついに今季のJ王者が決まる。12月1日、J1リーグの最終節(第34節)が行われ、勝ち点70で首位の浦和レッズはアウェーで最下位の横浜FCと戦い、勝ち点69で2位の鹿島アントラーズはホームで4位清水エスパルスを迎え撃つ。浦和は勝てば無条件で優勝だが、引き分け以下の結果を残せば、鹿島に逆転優勝のチャンスが生まれる。
 J王者の決着は、05年に1シーズン制が導入されて以来、3シーズン連続で最終節までもつれこんだ。
 05年は、首位C大阪が後半ロスタイムに同点弾を浴びたため、川崎を破った2位G大阪が逆転で初優勝。06年は、2位G大阪との直接対決を制した首位浦和がホームで歓喜の初制覇を成し遂げた。
 そして、今季は第33節(11月24日)のアウェーでの直接対決を制した鹿島が、浦和に勝ち点1差につめより、最終節に望みをつないだ。

 連覇を狙う浦和は、悪いサイクルに陥っている。直接対決の鹿島戦に続き、11月28日の天皇杯4回戦では、FWワシントン、FWポンテ以外はレギュラーメンバーで臨みながらも、J2で6連敗中の愛媛にまさかの完敗を喫した。試合後、DF闘莉王は「体が疲れている。(普段は)足が伸びるところが、もう一歩伸びない」と疲労の蓄積を訴えた。リーグ戦、代表戦、AFCチャンピオンズリーグの過密日程で酷使された体は、悲鳴を上げている。

 最終節はゴールを奪って勝ちたいが、決定力不足は深刻だ。公式戦3試合連続でノーゴール。頼みの綱のワシントン、ポンテが機能しないと、攻撃に迫力がなくなる。最終節の相手はここまでリーグ戦20試合連続で白星がなく、既に降格が決定している横浜FCだが、厳しい戦いを強いられそうだ。

 一方、Jクラブ前人未到の10個目のタイトルを狙う鹿島は破竹の8連勝と波に乗る。FWマルキーニョス、FW田代ら攻撃陣が好調で、ここ8試合で3ゴールを奪ったゲームは5つ。28日に試合があった浦和と違い、1週間の間隔が空いている点もアドバンテージだろう。

 ただ、相手はこの6試合で4勝2分と好調の清水である。リーグで3番目に少ない33失点の堅守をこじ開けなくてはいけない。左サイドバックのDF新井場が出場停止という不安要素もある。難しいゲームが予想されるが、浦和との直接対決を制した勢いを生かしたい。

 泣いても笑っても最終戦。勝利の女神がほほ笑むのは浦和か、それとも鹿島か。運命のキックオフは14:30。