さる6月23日から27日、千葉県長柄町の日本エアロビクスセンターにて北京五輪ナショナルチーム合同強化合宿が行われ、山本良介(トヨタ車体)、田山寛豪(流通経済大学職員・チームブレイブ)、上田藍(シャクリー・グリーンタワー・稲毛インター)、井出樹里(トーシンパートナーズ・チームケンズ)、庭田清美(アシックス・ザバス)のトライアスロン日本代表5選手が参加した。
(写真:トライアスロン日本代表の(左から)山本、田山、上田、井出、庭田)
 緑に囲まれた広大な土地の中にある日本エアロビクスセンターで行われた今回の合宿は、「6月14日に決定したオリンピック出場選手5名を、一つのチームとして意識づけることが目的」(山根英紀JTU強化本部長代行)という位置づけで、調整と身体を慣らすことに重点を置いて行われた。
 代表に決定した5選手は、スイム・バイク・ランが複合された練習メニューを、それぞれ現在の身体の感触を確かめながら各人のペースで取り組んでいた。

 今年のアジア選手権を制し女子代表入り一番乗りとなった上田は、「アジア選手権で代表に決まってから、早い段階で土台作りをしてきた。今、とても調子が良い。この合宿で良いスタートが切れた」と充実の表情。合同合宿後は、7年前から取り組んでいる長野県での高地トレーニングを行い、本番に臨むという。

 シドニー、アテネに続き3大会連続の五輪代表に決まった37歳のベテラン・庭田は、昨年は不調に苦しんだが、今シーズンに入り徐々に調子を上げている。
「ここまでトライアスロンをやってこれたことに感謝したい。3回目のオリンピックには自信をもって挑みたい」
 北京五輪へ向けこう語った庭田。これまでの五輪は、2回とも14位と入賞には届かなかった。「表彰台を目指したい」と、3度目の大舞台への思いは強い。
 長くトップ選手として活躍を続けてきた秘訣については「とにかくトライアスロンが好きだという気持ちだけ」。さらに、「できるだけ長く、できるところまで競技を続けたい」と北京五輪後の現役続行にも意欲を見せた。

 06、07年の日本選手権を制し、07年W杯エイラート大会で日本人として初のW優勝を果たすなど世界に最も近い存在である田山は、「得意のスイムでトップをとる気で泳ぎ、バイクで第1集団をキープ、ランで粘る」と北京でのレースプランを語る。
 今年4月、突然所属チームが解散するという試練も「チームが解散になって、いろいろな人がサポートしてくれた。自分はこんなにたくさんの人が応援してくれているんだと、あらためて感じた。良い経験になった」と今ではプラスに捉える。
 アテネ五輪では日本人最高の13位に入ったが、その結果には満足していない。北京での目標はもちろん表彰台に立つことだ。

 ナショナルチームは27日までの合同合宿を終え、現在はそれぞれの所属による個別合宿に入っている。
 トライアスロン競技は、女子が8月18日、男子が19日に北京市郊外で行われる。