四国・九州アイランドリーグの選抜チームが28日、初の関東遠征を行い、NPBイースタンリーグの混成チーム(フューチャーズ)と東京・大田スタジアムで交流試合を行った。リーグ選抜は1点を先行されたものの、5回にYAMASHIN(高知)のタイムリーで逆転に成功。その後も相手投手陣の乱調につけこみ、11−3で大勝をおさめた。

(写真:勝利し、ハイタッチを交わすリーグ選抜)
 福岡・キム、140キロ台の速球でアピール(東京・大田)
アイランドリーグ選抜 11 = 000025202
フューチャーズ     3 = 000100200  
[ア] 川西(愛)−ケリー(高)−イ(香)−土田(長)−キム(福)
[フ] 西崎(ヤ)−林(ロ)−川口(巨)−西村優(巨)−木興(ロ)−朱(西)−橋本(湘)−糸数(日)

「年齢、経験の差を考えれば、この結果は当然とも言えるでしょう」
 勝利した高知・定岡智秋監督は、そう試合を振り返った。プロ入り3年目までの選手が大半を占めたフューチャーズに対し、アイランドリーグ選抜には3年以上在籍しているメンバーも多かった。

 年間で90試合近く戦ってきたアイランドリーグと、出場機会のない選手たちに実戦の場を与える目的で結成されたフューチャーズでは、いくらNPBと独立リーグとの対戦とはいえ定岡監督が語ったように、この結果は「当然」だったのかもしれない。

「若い投手は力んでいたね」(定岡監督)。全体的にアイランドリーグの投手陣はボールが上ずり、制球が乱れていた。それはフューチャーズも同様だった。しかし、日々、実戦にもまれている分、その対処法にはリーグの投手に一日の長があった。四球連発にバッテリーミスで試合を壊したフューチャーズに対し、リーグ選抜は落ち着いて要所を切り抜け、最小失点に食い止めた。カウントを取りにきたボールを確実に打ち返したリーグの打者に対し、慌てて打ちにいって天を仰ぐケースが目立ったフューチャーズ。攻撃面でもリーグ側に軍配が上がった。

 それだけに「アピールがまだまだ足りない」との指揮官の反省点はうなずけるものがあった。厳しい見方をすれば、相手を完璧に牛耳り、詰め掛けたスカウトをうならせるほどの快投をみせた投手は見当たらなかった。

 打者にもそれは当てはまる。フューチャーズの繰り出した8人の投手の中で唯一、もっとも1軍に近いボールを投げていたのは先発の西崎聡(東京ヤクルト)だった。西崎に対しては昨年のフェニックスリーグや、秋の松山キャンプでの練習試合でリーグの打者たちは対戦経験がある。しかし、結果は6人の打者で5三振。スリークォーターから繰り出すキレのあるストレートとスライダーに手も足も出なかった。1軍で活躍できるかどうかを判断しているスカウト陣の前では、このクラスの投手を打ってアピールしたかったところだ。

 この交流試合では定岡監督はあえて若い選手を多く選んだ。夢への道を切り開くようなプレーをみせることはできるのか。フューチャーズとの交流試合は29日はロッテ浦和球場に場を移して行われる。


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