陸上競技が15日よりスタートし、男子ハンマー投げでは前回大会金メダルの室伏広治(ミズノ)が登場した。室伏は第1投で予選通過ラインを越える78メートル16をマークし、予選5位で余裕の決勝進出を決めた。決勝は17日に行われる。
 男子100メートルでは2次予選が行なわれ、4度目の出場となった36歳ベテランの朝原宣治(大阪ガス)と初出場の塚原直貴(富士通)が出場した。
 第1組に登場した塚原は好スタートを切り、1次予選を上回る10秒23で3着に入って準決勝進出を決めた。
 一方、第3組の朝原は10秒37で最下位に終わった。1次予選では10秒25とまずまずのタイムで4位に入り予選を通過。戦後初の決勝進出を狙った朝原だったが、2次予選の壁に阻まれ、準決勝にも進むことができなかった。

■塚原直貴選手のコメント
「最低ラインだと思う。前半は頭上げるのが早かったかなと思うが、後半に出てくる選手にあまりプレッシャーを感じず、最後まで粘れた。(タイムは)今季ベストなのでいいと思う。明日は悔いのない精一杯のレースができれば。応援してくれているみんなの期待にこたれられればいいと思う」

 男子400メートル障害予選では1組で五輪初出場の成迫健児(ミズノ)、4組で3大会連続代表の為末大(APF)が登場した。成迫はスタートで出遅れ、充分な加速ができないまま5着でゴール。49秒63のタイムで予選落ちした。

 為末はスタートから先頭に立ってレースを引っ張ったものの、後半に失速して4着に終わった。タイムも49秒82と伸びず、アテネに続く準決勝進出はならなかった。今季は故障に悩まされ、6月の日本選手権で優勝し、なんとか五輪切符を手にした。「このグラウンドよりも、グラウンドにくるまでがつらいことが多かった。自分の中ではよくやったと思う」と語りつつも、「もうちょっと五輪のグラウンドに立ちたかったな」と悔しさものぞかせた。

■成迫健児選手のコメント
「これまでこのためにやってきたことは十分出せたと思う。(前半は)波にのりきれなかった感じ。(アキレス腱に対して)不安をかかえた試合だったが、それは勝負には関係ない。これが僕の実力です」

■為末大選手のコメント
「予選が勝負だと思っていた。思い切っていけた。自分らしく飛ばせた。初めて陸上をやっていた頃を思い出して、スタートラインに立った。(今後は)20年間陸上をやってきたので、少し休んで、みなさんの意見を聞いてみたい」

 女子1万メートル決勝には、アテネに続いて2度目の挑戦となる福士加代子(ワコール)、日本選手権優勝者の渋井陽子(三井住友海上)、同大会2位の赤羽有紀子(ホクレン)の3選手が出場。レースは1000メートルのラップタイム3分00秒46と、序盤から五輪新を記録するほどの驚異的なハイペースで始まった。日本人3選手は集団の中盤に位置する。

 しかし、ほとんどペースが落ちない展開に、集団は2つへと分かれ、渋井、赤羽の2人が引っ張るかたちで後ろの集団の先頭に立つ。一方、福士は依然、先頭集団の中盤に位置し、粘りを見せた。

 日本選手権1万メートル6連覇の記録をもつ福士だが、4年前のアテネ五輪では惨敗。その雪辱を胸に2度目の五輪に挑んだ福士は一時は10位にまで順位を上げた。だが、徐々にその表情からも疲労が色濃く見られるようになり、トップから70メートル、80メートル……と次第に引き離されていった。

 一方、渋井と赤羽も前方の集団から大きく引き離され、追い上げることができなかった。結局、福士は31分01秒14で11位。渋井は31分31秒13で17位、赤羽は32分00秒37で20位という結果に終わった。

 なお、同レースで優勝したティルネッシュ・ディババ(エチオピア)は29分54秒66でオリンピック新記録を樹立した。