4年前の雪辱か、それとも歴史は繰り返されるのか。16日のクラブW杯決勝で欧州代表ミラン(イタリア)と南米代表ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)が対戦する。2003年12月14日に行われたインターコンチネンタル杯では、ボカが1−1で突入したPK戦の末、ミランを破っている。
 4年前の敗戦は、ミランにとって一刻も早く消し去りたい記憶だろう。今回の登録メンバーではFWインザーギ、MFカカ、セードルフ、ガットゥーゾ、ピルロ、アンブロジーニ、DFマルディーニ、カフー、GKジーダと実に10名の選手が4年前のピッチに立っている。特にPK戦の3人目で外したセードルフは、再戦にかける思いが強いはずだ。

 今回のゲーム、コンディション面では1日休みが多いボカが有利か。ミランのアンチェロッティ監督は「木曜、日曜と試合が続くことは問題ない」と強気に語っている。だが、疲労が蓄積される試合の終盤になってから日程の影響が出てくるのではないか。

 中盤の攻防が一つのポイントになりそうだ。ボカのルッソ監督は準決勝後「(決勝に向けて)中盤はもう少し改善の必要がある。リズム感よくパスを回したい」と語っていた。03年の戦いを経験したMFバタグリア、若きボランチMFバネガらが、年を重ねて熟成されたミランの中盤にどう戦いを挑むのか。

 また、両軍ともキーマンがどれだけ力を発揮できるか。ボカの強味は新旧アルゼンチン代表で構成された2トップ。準決勝のエトワール戦では、FWパラシオは持ち前のスピードを生かして起点となっていたが、FWパレルモは動きが重く、機能していたとは言いがたかった。

 ただ、00年のインターコンチネンタル杯レアル・マドリード戦で2ゴールを挙げたことでもわかるように、パレルモは大舞台に強い選手。決勝ではDFネスタ、DFカラーゼという安定感抜群のミラン守備陣が相手となるが、大仕事をやってのけそうな予感もある。

 ミランの頼みの綱は、やはり今季のバロンドール受賞者のFWカカだろう。準決勝の浦和戦ではセードルフの決勝ゴールをお膳立てした。アンチェロッティ監督も決勝のキープレーヤーに挙げている。準決勝を見る限り、フィジカルコンディションも悪くなさそうだ。緩急を使いわける巧みなドリブルにボカは手を焼くだろう。当然、厳しいマークがつくだろうが、それをいかにかいくぐり、決定的な仕事をこなしたい。

 3年連続の南米代表対欧州代表の決勝戦だ。ボカが勝てば南米勢が3連覇、ミランが勝てば欧州勢初優勝。このゲームは4年前の再戦であるだけでなく、両大陸の誇りがぶつかりあう戦いでもある。過去2大会の決勝はいずれも1−0。今回も1点を争う熱戦となることは間違いないだろう。大会の最後を締めくくるにふさわしい好ゲームを期待したい。

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