11日、パ・リーグのクライマックスシリーズが京セラドーム大阪で開幕する。第1ステージではシーズン終盤に怒涛の猛追で9年ぶりにAクラス入りを果たしたオリックスと、3年連続日本シリーズ出場を目指す北海道日本ハムが埼玉西武との第2ステージを目指して激突する。果たして、日本シリーズ進出への第一関門を突破するのはどちらのチームか。
 第1戦の先発にオリックスはチーム一の勝ち頭である小松聖という大方の予想を裏切り、近藤一樹をたてると見られている。一方の日本ハムは、エースのダルビッシュが先陣を切る。

 ダルビッシュは今季、オリックス戦3試合に登板し、2勝している。どちらも1点差で凌いだ接戦となり、味方打線が終盤に取ってくれた1、2点が勝利をもたらしてくれた。完投した9月15日は、8回までほぼ完璧なピッチングで無失点に抑えながら最終回に突然崩れ、4安打2四球で4失点。その裏、打線が再逆転したことで勝ち投手にはなったが、やはりダルビッシュといえども、破壊力を秘めたオリックス打線は手強い相手だ。

 一方、近藤は日本ハム戦3試合を投げ、1勝1敗という成績だ。完投勝利を収めた4月5日は2失点に抑える好投を披露したものの、6月29日は一転、序盤に5失点を喫し、3回途中で早くも降板してしまった。だが、8月14日の3回目の登板では、チームは延長戦の末に敗れたものの、近藤自身は7回まで散発5安打で無失点に抑えている。これで日本ハムへの苦手意識は払拭されているはずだ。ダルビッシュが望む“エース対決”ではないものの、シーズン終盤には5連勝と波に乗っている近藤だけに、終盤までロースコアでの投手戦も十分にあり得る。

 打線はチーム打率こそ.262(オリックス)、.255(日本ハム)だが、本塁打は152本、82本と雲泥の差がある。打線の支柱であるカブレラ、ローズが打率.393、.321と日本ハム戦を得意としていることも心強い。また、シーズン終盤には坂口智隆、大引啓次や小瀬浩之らがセーフティバントなど足をからめた攻撃で相手投手をかき回し、機動力もあることを証明してみせた。攻撃力の面ではオリックスに分があるといっても過言ではない。

 ただ、一昨年、昨年と連覇を果たした日本ハムは短期決戦の勝ち方を知り尽くしたチームだ。今季同様、昨季もリーグ最少得点ながら、リーグ優勝。さらにはクライマックスシリーズも第5戦までもつれこんだが、勝ち抜いて日本シリーズへとコマを進めた。首脳陣は大きく替わったが、主力は昨季とほぼ同じメンバーだ。短期決戦に対する共通認識があるだけに、チーム力は日本ハムに軍配が上がる。

 両チームのシーズン通算での対戦成績は13勝11敗とわずかながらオリックスが勝ち越したが、ほぼ互角といっていい。シーズン終盤の勢いそのままにオリックスが一気に駆け抜けるのか。それとも日本ハムが経験の差を見せ付けるのか――。ともに近鉄出身のオリックス・大石大二郎監督と日本ハム・梨田昌孝監督がどんな采配を見せてくれるのかにも注目したい。