11日、bjリーグ2008−2009シーズンが開幕した。4年目を迎え、12チームでスタートした今シーズンは、チーム力が均衡し、これまで以上に激しい優勝争いが繰り広げられることが予想されている。果たして、どのような戦いが繰り広げられるのか。今シーズンの展望と注目チームおよび選手について河内敏光コミッショナーに訊いた。

 開幕ダッシュが優勝へのカギに

 4年目を迎えたbjリーグは今シーズン、浜松・東三河フェニックスと滋賀レイクスターズが新規参入し、設立当初目標だった12チームでスタートを切りました。特にJBLから移籍してきた浜松は2メートル36センチの長身、孫明明が入団し、非常に注目されています。孫はあの高さがありながら、外からのシュートもうまく、どんなプレーもソツなくこなせる器用さがあります。それだけに、逆にプレーが散漫してしまう可能性もあります。彼の一番の持ち味はリバウンドなどのインサイドプレー。これを自分の最大の仕事として徹底的にやった方が機能するのではないかと思います。

 日本人の選手も頑張っていますよ。前身のオーエスジーフェニックスでレギュラーだった選手はほとんど去ってしまいましたが、今まで中心でなかった選手たちが目の色を変えてやっています。
 例えば32歳の大口真洋。彼は10年間オーエスジーでプレーした選手ですが、今シーズンが一番体のキレがいい。そのほか、ほとんど試合に出場していなかった選手も、著しい成長を見せてくれています。bjリーグは完全なるプロリーグですから、選手はここで自分がいいプレーをしなければすぐにカットされる厳しい環境であることをよくわかっているのでしょうね。実際にプレーを見に行きましたが、彼らの成長ぶりには僕もビックリしました。

 また、滋賀もレベルは高いですよ。新潟アルビレックスBBからはエースの藤原隆充、東芝ブレイブサンダース(JBL)からは高い能力がある2メートルの長身、町田洋介、日立サンロッカーズ(JBL)からは器用なプレーが光る小島佑太が入ってきました。3連覇した大阪エヴェッサからもキャプテンだった石橋晴行と2メートル3センチの佐藤浩貴が移籍してきました。もう、日本人選手は本当に層があつい。まずはチーム内でレギュラーをとれるかが難しいくらいのメンバーが揃っています。

 今シーズンはFA制度が解禁されましたから、多くの選手が移籍しました。ですから、昨シーズンの成績は全く参考にならない。3連覇した大阪も例外ではありません。大阪は昨シーズンのメンバーで残っているのは外国人選手を入れてわずか4人。これまでの3年間でも日本人選手は入れ替わっていましたが、主力の外国人選手は替わっていなかった。ところが、今シーズンはその外国人選手もガラリと替わった。ですから、チーム自体がかわっているんです。それだけに今シーズン、大阪が4連覇を達成したら、天日謙作ヘッドコーチへの評価がグンと高まるでしょうね。これまでにも増して価値ある優勝になると思いますよ。

 今シーズンは、これまで以上にチームの力は均衡しているだけに、スタートが非常に重要です。開幕6試合くらいが勝負どころとなるでしょう。昨季までは大阪や新潟のような実力のあるチームは、序盤は調子が上がらなくても、プレイオフにあわせて上がっていく余裕があった。しかし、今季はそうはいかないでしょうね。だからスタートから全力で戦わないと、大阪であってもプレイオフにさえ出場できない可能性があります。それだけに、開幕の滋賀戦は大阪にとって4連覇できるかどうかを占う大切なゲームとなるでしょう。

 沖縄が台風の目に!

 僕がウェスタンで一番期待しているのが、実は昨シーズン最下位の琉球ゴールンデンキングスなんです。大阪からインサイドに強い2メートル5センチのジェフ・ニュートンと、大分ヒートデビルズからは2メートル8センチのクリス・エアーが移籍してきました。彼らは旧チームでセンターとして、エースとして活躍してきた選手。彼らが入ったことで、琉球はガラリと変わりました。沖縄から大きな旋風が巻き起こるのでは、と今から楽しみです。

 一方、イースタンでは新潟に注目しています。昨季までキャプテンでエースだった藤原が滋賀に、伸び盛りの佐藤公威が大分に移籍しました。代わりにライジング福岡から移籍してきた竹野明倫や、大学を卒業したばかりの齊藤崇人といった若手のガードが新潟のバスケットを引っ張っていくと思います。どちらがレギュラーになるかはわかりませんが、怖いものしらずでガンガンいったら、新潟はスタートダッシュに成功して一気にいくかもしれませんね。

 新潟同様、バカ当たりする可能性を秘めているのが東京アパッチです。“ヘリコプター”ことジョン・ハンフリーなんて乗っているときは誰も止められませんよ。ただジュリアス・アシュビーにしてもニック・デービスにしても、コンディショニングはまだ完璧じゃない。これが影響してスタートで負け越すことになると、相当苦しくなるでしょうね。

 個人的に頑張ってもらいたいと思っているのが埼玉ブロンコスです。というのも、05年のリーグ設立時からの6チームの中で一度もプレイオフに出場できていないのが埼玉なんです。実際、今シーズンは初のプレイオフ進出が期待できるチームになっています。清水太志郎や庄司和広、新人シューターの北向由樹、新潟から移籍した寺下太基と日本人のレベルはかなり高い。なおかつレジー・ウォーレンは昨シーズン、高松ファイブアローズでリバウンド王を獲得した選手ですからね。彼がチームにうまくかみあったら、かなり期待できると思いますよ。
 
 今シーズンはどこのチームを見ても、バスケットボールで一番の醍醐味である速さを追求したスタイルを目指しています。今まではどちらかというと王者である大阪の速攻を止めるために、自分たちはゆっくり大阪のペースを崩そうというチームが半分くらいあったんです。でも、先述したように今シーズンはダンゴ状態。どのチームも自分たちがやりたいバスケットを貫くでしょう。それだけに、速い展開と激しい点の奪い合いが予想されますので、おもしろいゲームがたくさん観られると思います。ぜひ、試合会場に足を運んで、「これぞプロ!」というプレーを楽しんでください!

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