15日、南アフリカW杯アジア最終予選第2戦が埼玉スタジアム2002で行われ、日本代表はウズベキスタン代表と対戦した。前半27分にクリアミスから先制を許すが、39分にFW玉田圭司(名古屋)のゴールで同点に追いつく。後半は日本が押し気味に試合を進めるものの、追加点を奪うことができず、ホーム初戦を白星で飾ることはできなかった。
 攻めの形を多く作るも、好機を生かせず(埼玉)
日本代表 1−1 ウズベキスタン代表
【得点】
[日] 玉田圭司(39分) 
[ウ] マクシム・シャツキフ(27分)

 埼玉スタジアムにウズベキスタンを迎え、W杯最終予選で始めてのホームゲームに臨んだ。敵地でのバーレーン戦に続き、連勝を狙いたいところだった。

 試合は戦前の予想に反して、ウズベキスタンが積極的な出足を見せ、前線からプレッシャーをかける。日本は序盤からペースを引き込みたいところだったが、五分五分の展開を見せた。

 日本の攻撃の組み立ては、サイド攻撃中心。右サイドではMF中村俊輔(セルティック)とDF内田篤人(鹿島)が、左サイドではMF香川真司(C大阪)とDF阿部勇樹(浦和)がポジションチェンジを繰り返し、好機を演出していく。中村俊が試合後「決して間違った形ではない」と口にした通り、幾度もウズベキスタンゴールに迫る攻撃を繰り出した。

 しかし、ゴール前でなかなかボールが収まらない。「FW2人が同時に動いてしまう」と中村俊がコメントした通り、大久保嘉人(神戸)と玉田の2人は豊富な運動量で相手DFの裏に走りこむも、ウズベキスタンゴール付近でFWが落ち着いてボールをコントロールすることができず、決定機を生むことはできなかった。

 流れを掴みかけながら、時間が過ぎていく中、日本は相手に先制点を与えてしまう。前半27分、DF田中マルクス闘莉王が難しい体勢からクリアしたボールに、MFチムル・カパーゼが素早く反応し、ボールを拾う。そのまま右サイドを駆け上がり、ゴール前へ低いクロスを上げる。そこへ飛び込んできたのは、最も警戒していたFWマクシム・シャツキフだった。体ごと押し込むようにシュートを放ち、ボールは日本ゴールへ。ホームで、想定外の先制点を献上することとなった。

 失点後は日本がペースを掴み一方的に攻める。そして、失点から12分後の前半39分。再三形を作ったサイド攻撃から、同点弾は生まれた。

 右サイドから左に流れていた中村俊から、左足で柔らかいクロスが上がる。そこに走りこんできたのは、なかなかボールを収めることのできなかった大久保だ。右足でゴール前に落とし、そこに詰めたのが玉田だった。玉田曰く「触っただけ」の得点で、日本は1−1の同点に追いついた。

 前半はこのまま終了し、後半も日本がペースを握った。特に目立ったのは右サイドの内田の上がりだ。若い内田は、もはや日本にとって欠かせない存在になっている。内田の突破からFKやCKを獲得し、日本はチャンスを作っていった。セットプレーの場面では5万5千人のサポーターから手拍子の大合唱が響く。地鳴りのような応援を背に日本に勝ち越し点が入ることは時間の問題かと思われた。

 しかし、試合はこのまま1−1の同点でホイッスルの時を迎えることになった。岡田武史監督が「ホーム初戦ということで、勝ち点3を取りにいったゲーム」と位置づけた試合で、勝利することはできなかった。

「前半から予想以上に相手が積極的にきて、少しおとなしいプレーになってしまった。後半からは前に出ることができたので、前半からもう少し前でプレーできていれば、結果は違っていたと思う。内容的には悲観するようなものではない。次戦はアウェーだが、勝ち点3を奪いにいきたい」

 試合後、岡田監督はこのように語った。2連敗スタートとなっていたウズベキスタンが、立ち上がりから前がかりに来たことは誤算だったと認めながらも、自分たちのサッカーは間違っていないという自信をのぞかせていた。

 これは中村俊も同様だった。「勝てる試合だったけど、やっている形に間違いはないからネガティブになる必要はない。誰が悪いとか、形ができていないとか、そういう問題ではないので修正はしやすい。予選は長いから、ゆるぎない形があることはいいこと。初戦のアウェーで勝ったんだから、ホームの引き分けは、結果が逆になったと思えばいいんじゃない」とあくまで前向きに、今日の引き分けを捉えていた。

 確かに中盤からの組み立てはほぼ狙いどおりだったが、前線にボールが収まらない点は気になるところだ。そもそも、日本のFWはどのような狙いを持って攻撃をしているのだろうか。セットプレー以外では、得点の雰囲気が感じられるプレーは数えるほどしかなかったように思われる。長く険しい最終予選を勝ちぬくためにも、今後は前線の選手に得点の可能性を感じさせるプレーを期待したいところだ。

 最終予選の次戦は約1ヶ月後の11月19日(水)、カタールでのアウェー戦だ。初戦同様、中東勢との戦いをうまく乗り切ることができるか注目される。

<日本代表出場メンバー>

GK
楢崎正剛
DF
中澤佑二
田中マルクス闘莉王
内田篤人
阿部勇樹
MF
遠藤保仁
長谷部誠
香川真司
→稲本潤一(75分)
中村俊輔
FW
大久保嘉人
→岡崎慎司(62分)
玉田圭司
→興梠慎三(81分)