9日、「クラブワールドカップ2007」の準々決勝一試合が行われ、アフリカ代表のエトワール・サヘル(チュニジア)が1−0で北中米カリブ海代表のパチューカ(メキシコ)を破り、準決勝進出を決めた。0−0で迎えた後半26分、MFムーサ・ナリーが決勝点を挙げた。エトワールは12日の準決勝で南米代表のボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン)と戦う。

◇12月9日、国立
エトワール・サヘル  1−0 パチューカ
【得点】
[エ] ムーサ・ナリー(84分)
 パチューカの猛攻を耐え抜き、ワンチャンスをモノにした。

 支配率64%という数字が表すように、試合はパチューカが優勢に進めた。テンポのよいパス回しでエトワールを圧倒。24分には、右サイドを崩して、DFカブレラがフィニッシュまで持ち込む。しかし、エトワールもゴール前で厚いブロックをつくり、得点は許さない。

 ポゼッションのパチューカ、カウンターのエトワール――その構図は後半に入っても、変わらなかった。パチューカは、前線にエースのFWシェルミティを残して引いて守るエトワールに手を焼く。後半28分、FWヒメネスの直接FKのこぼれ球に詰めたDFマンスールがネットを揺らすが、オフサイドの判定。同35分には、右CKに再びマンスールが頭を合わせたが、右のサイドネットに突き刺さった。

 数多くのチャンスを生かせなければ、流れは相手に移る。後半39分、エトワールがパチューカの一瞬の隙を突いた。右サイドから流れてきたボールをMFナリーが思い切りよく右足で叩く。DFロペスに当たって、コースが変わったボールをGKカレロがファンブルして、ゴールイン。この虎の子の1点を必死に守りきり、エトワールがボカとの準決勝へ駒を進めた。

「確かに我々は支配率が低かった。技術面で輝いてなかったかもしれない。でも、サッカーは強いほうが勝つとは限らないのだ」
 エトワールのフランス人指揮官マルシャン・ベルトランは試合後、こう喜びを爆発させ、「相手の方が強いのはわかっていたが、しっかりブロックをつくって、組織的に戦えればチャンスはあると思っていた」と堅守に胸を張った。

 敗れたパチューカのメサ・エンリケ監督は「負けるよりは勝つ確率の方が高いと思っていた。我々の方が試合を支配し、チャンスもつくった。ただ、ゴールに結びつかなかった」と肩を落として、「エトワールはすごくディフェンスのいいチームだった。勝利にふさわしかったと思う」と素直に相手を称えた。

 エトワールを待ち受けるのは南米屈指の強豪ボカ。ベルトラン監督は要注意選手にFWパレルモ、MFカルドーソを挙げて警戒しつつも、『プレッシャーはない。あまりボカを意識しすぎてもよくない』と自然体で臨むことを強調していた。

<今後のスケジュール>

【準々決勝】
◇12月10日(月)
・アジア代表浦和レッズ(日本) × 開催国枠セパハン(イラン)

【準々決勝】
◇12月12日(水)
・南米代表ボカ・ジュニアーズ(アルゼンチン) × アフリカ代表エトワール・サヘル(チュニジア)

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