“神の子”ディエゴ・マラドーナが在籍していたことで知られる。創立は1905年。本拠地はアルゼンチンの首都ブエノスアイレス。労働者階級のクラブで、アルゼンチンでもトップの人気を誇る。日本代表FW高原も01-02シーズンに所属していた。
 タイトルの数が100年を超えるクラブの歴史を物語る。国内リーグ優勝23回、リベルタドーレス杯制覇6回、トヨタ杯優勝3回。同じブエノスアイレスに本拠地を置くリーベル・プレートとのダービーマッチは「スーペル・クラシコ」と呼ばれ、1915年の初対決以来、熱い戦いを繰り広げている。

 今年のリベルタドーレス杯では、粘り強く勝ちあがって頂点までたどりついた。グループリーグでは2敗を喫して2位で決勝トーナメント進出。準決勝のククタ(コロンビア)戦ではアウェーの第1戦を1−3で落としたが、ホームでの第2戦は3−0で勝って逆転した。その勢いを駆って、決勝ではブラジルの名門グレミオをトータルスコア5−0で粉砕し、クラブW杯出場権を獲得した。

 持ち前の攻撃力で4度目の世界一を狙う。リベルタドーレス杯では14試合で27ゴールを記録。同大会で8ゴールを挙げて得点王に輝いた司令塔MFファン・ロマン・リケルメ(29)は、ビジャレアル(スペイン)からの復帰が決まったものの、今大会の登録には間に合わなかった。だが、攻撃陣はリケルメ以外にもタレントが揃っている。

 攻撃の軸として大きな期待がかかるのはベテランのFWマルティン・パレルモ(34)だ。188センチ、84キロの恵まれた体躯を生かした豪快なプレーが持ち味。左足から放たれるシュートとヘディングは迫力十分だ。00年のトヨタ杯ではレアル・マドリード(スペイン)を沈める2ゴールを挙げ、MVPに輝いた。

 今季のリベルタドーレスではチーム2位の4ゴールを記録。今季のアルゼンチンの前期リーグでは得点王争いにからむなど34歳という年齢を感じさせない活躍を見せている。パレルモの他にも、スピードが武器のFWロドリゴ・パラシオ、03年のトヨタ杯を経験したMFセバスティアン・バタグリア(28)、DFウーゴ・イバーラ(33)など代表クラスの人材が豊富だ。

 準決勝の相手は、堅い守備で北中米カリブ海代表パチューカ(メキシコ)を破ったアフリカ代表エトワール(チュニジア)に決まった。その堅守を自慢の攻撃陣で打ち破りたい。

 そして、順当にいけば、決勝には欧州代表ミラン(イタリア)が勝ちあがってくる可能性が高い。トヨタ杯では00年にレアル・マドリードを、03年にミランを倒すなど、欧州勢との相性は良好だ。エトワール、そしてミランを破り、南米大陸に3大会連続の栄冠を持ち帰ることはできるか。

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